ORICON NEWS

井上陽水が語る“ライブへの気概”「若い世代を前にどこまでやれるのか」

 シンガー・ソングライター井上陽水が、歴史的名盤『氷の世界』スペシャルエディション盤の発売(5月21日発売)を記念し、本日6日より全国ツアーをスタートさせる。ツアーに先駆け、ORICON STYLEでは井上陽水に単独インタビューを敢行。同ツアーの意気込みはもちろん、様々な野外フェスへも積極的に出演するその“ライブへの気概”についても聞いてみた。

■今回のツアーでは『氷の世界』の全収録曲を歌おうかなと

――日本初のミリオンセラー作品となった1973年リリースの『氷の世界』。今回のツアーは発売から40周年という節目を迎えてのツアーとなります。
【井上陽水】そうですね。多くの方が青春時代に『氷の世界』を聴いて下さったということと、リマスター盤も発売されるので、まぁ感謝の意味を込めまして(笑)。

――ということは、『氷の世界』からの楽曲もかなり多くなりそうですね。
【井上陽水】今回のツアーでは、アルバムの頭から最後まで演奏しようかなって思っています。会場に来てくれた方には、初めて『氷の世界』を聴いたときの情景を思い出して頂ければなって。あと、年輪を重ねた上で今聴くとどのように聞こえるのかも興味がありますね。

――『氷の世界』全編をライブで演奏するのは発売当時も無かったことですよね?
【井上陽水】人前で歌ったことが無い曲もあるんですよ。「桜三月散歩道」なんて、曲の合間にナレーションがあるからね(笑)。

――ナレーションまでライブで再現するのは、やっぱり抵抗がありますか(笑)。
【井上陽水】また録音するときも大変でねぇ(しみじみ)。「え!? これ僕が喋るの!」って。今だったら絶対にやりませんよ(笑)。

――(笑)。でも、『氷の世界』制作時はナレーションを入れることに必然性を感じていたということですか?
【井上陽水】当時は僕も駆け出しの新人でしたから。業界の先輩から「ナレーションを入れるんだ!」と言われたら逆らえませんから。

――無理やり入れた面もあったと(笑)。でも40年が経過した今、なぜライブで披露しようと決断されたのでしょうか?
【井上陽水】この40年間、人前で演奏する機会もなかったし、出来やしないと思っていたんですよ。でも、なぜかこの頃「やれるかな…」って。なんでしょうね、魔が差す年代になったというか(笑)。

■若い世代の前で歌うのは刺激になる

――魔が差す世代(笑)。あと、近年は『フジロック』や『ライジングサン』、『ap bank fes』など野外フェスへも積極的にご出演されています。若い世代を前に歌うことについてはどのような想いをお持ちですか?
【井上陽水】やっぱり刺激になりますね。最初は、スタッフから「フェスで歌いませんか?」って言われまして。夏の野外でライブをやるのも気持ちいいかなぁ〜なんて軽い気持ちで引き受けまして(笑)。

――予想以上に刺激になったと。
【井上陽水】そうですね。若い世代の前で歌うというのは、僕にとっては結構な刺激になるんですよ。今の若い方を前にして、自分がどのように歌ったり演奏したりするのか? という部分に興味があるんですね。で、時々「素晴らしかったです!」なんて演奏後にお世辞のひとつでも言われると、やっぱり人間ですから。気を良くするわけですよ(笑)。

――今回のツアーには、フェスで“洗礼”を受けた若いファンも沢山詰めかけると思います!
【井上陽水】うれしいですね。やっぱり大勢のお客さんを前にして歌うということはですね…必要以上に一生懸命になるもんなんですよ。やる前は周りのスタッフに「そんな、リキまなくてもさ〜」なんて言ってるんですけど、人間って哀しいもので一生懸命歌うんですよ。きっと良いところを見せたいんでしょうね(笑)。

 『井上陽水 氷の世界ツアー 2014』は4月6日千葉県・松戸森のホール21を皮切りに全21会場22公演。

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索