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やなせたかしさん、がん患っていた 最期は「アンパンマン」に囲まれて

 「アンパンマン」シリーズで知られる漫画家・絵本作家のやなせたかし(本名・柳瀬崇)さん(享年94)が13日、心不全で亡くなったことを受け、同シリーズ原作の版元「フレーベル館」の武藤英夫代表取締役社長らが15日、都内で記者会見を開いた。

やなせたかし先生(2012年6月撮影) (C)ORICON NewS inc.

やなせたかし先生(2012年6月撮影) (C)ORICON NewS inc.

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 武藤社長は「覚悟はしていましたが、まさかと、耳を疑うようなところが正直な思い。今やっと、近親者で密葬を終えたところでして、今後のところは白紙。(やなせ)スタジオとともにどうやっていくかご相談しながら考えていきたい」と神妙な面持ちで偲んだ。

 鈴木晴夫専務取締役によると、亡くなる前日の午後10時まで元気にしていたというが「午前2時頃、心電図の具合が乱れていると連絡がありまして駆けつけたところ、3時8分に死亡が確認された」と説明。長年付き添っていたスタジオ関係者が最期を看取った。

 今年も公開された劇場版最新作の舞台あいさつで「もう死ぬんだ」というブラックジョークで場を和ませていたやなせさん。8月下旬から体調を崩し、毎年恒例となっていた検査も兼ねて入院していたというが、「一昨年ぐらいからぼうこうがんが出て、がんの進行があった。肝臓の方に転移して、最終的に心不全で亡くなった」(鈴木氏)と、死に至った理由も明かされた。

 同社のアンパンマン室、天野誠室長は「先生との思い出で一番印象に残っているのは、震災の前に『引退するぞ』とおっしゃっていたこと。しかし、(東日本大)震災が起こり、「アンパンマンのマーチ」が被災地で流れて、子どもたちが元気になったということを聞いて喜んで、『引退することは辞めるぞ。死ぬまで引退』だと語っていたのが印象的」と、生涯現役を貫いたやなせさんとのやりとりを思い返していた。

 密葬には同社やスタジオ関係者をはじめ、ちばてつや氏ら日本漫画家協会の漫画家たち約60人が参列。棺の中にはやなせさんが「自分の子ども」と愛していた「アンパンマン」のキャラクターたちが一緒に収められたという。

 11月に同社から発売される最新刊「アンパンマンとリンゴぼうや」がやなせさんの“遺作”になる。また、今回の記者会見は故人の生前の遺志で開かれたといい、遺言として「偲ぶ会」(時期未定)も開く。

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  • 「それいけ!アンパンマン」生みの親、やなせさんが死去
  • がやなせさんの“遺作”になる最新刊「アンパンマンとリンゴぼうや」の表紙
  • 神妙な面持ちで会見に臨んだ天野誠室長、武藤英夫代表取締役社長、鈴木晴夫専務取締役 (C)ORICON NewS inc.
  • やなせたかし先生を偲んだアンパンマン室、天野誠室長 (C)ORICON NewS inc.
  • やなせたかし先生を偲んだ武藤英夫代表取締役社長 (C)ORICON NewS inc.
  • やなせたかし先生を偲んだ鈴木晴夫専務取締役 (C)ORICON NewS inc.

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