現在、世界28ヶ国でサービスが開始され、アクティブユーザー数は2400万人以上、そのうちの20%以上が有料会員登録をしているヒットサービス、Spotify。すでに日本法人も立ち上がっており、日本上陸への準備も進む。同サービスが急成長を遂げた背景を探った。
■無料会員から有料会員への乗り換え率が20%以上
Spotifyは世界最大の定額制音楽配信サービス。アメリカを含む28ヶ国で展開中で、アクティブユーザー数は2400万人、うち有料会員数も600万人(20%以上)に到達している。有料プレミアム会員の会費が、おもなビジネスで、無料プロモーション会員へのターゲット広告を通じた収益もある。楽曲権利者には、契約に応じて収益が分配される仕組みで、実際にこれまで500万ドル以上が権利者に支払われている。現在、日本でのサービス開始のための準備も進む。
「Spotifyが始まったスウェーデンの音楽産業は違法ダウンロードにずっと悩まされてきましたが、現在までのところ、無料会員から有料会員への乗り換え率が20%以上あり、ユーザーを合法サービスに誘導することに完全に成功しています」とスポティファイジャパンのハネス・グレー氏。
これには長期にわたって無料で使える“お試し期間=プロモーション期間”が必須と強調する。
「無料会員は機能を制限されますが、その中で自分なりの音楽への接し方をあれこれ試行錯誤するうち、より深く、より自由に音楽を楽しめる有料版Spotifyの必要性を実感するタイミングが訪れます。時間に比例して有料会員は20%を超えて、なお増え続けています。おそらく日本でも“お試し会員”が重要になってくるのではないかと考えています。すべての国の市場にはそれぞれ特殊性がある。私たちはデータに基づいて、無料ユーザーが満足できず有料に変換したくなるぎりぎりのラインを探っていく」(ハネス氏)
アメリカでは、無料プロモーション会員がモバイルで使えるのはラジオ機能のみとなっており、プレミアム月額会員(月9.99ドル)へのコンバートも順調に進んでいるという。
「300人以上のエンジニアがストックホルムで常駐し、広告の入る回数や長さ、メール通知回数など、何百ものチェックリストを見ながら、どうやったらコンバートしてくれるか、常に調整し続けています」(ハネス氏)
■SNSやブログ、メールを通じて音楽をシェア
ユーザー自らが作成する「プレイリスト」は世界ですでに10億以上。日本での権利者やレーベルとの交渉を担う野本晶氏は、「音楽は好きだけどお金は使ってないという層をいかに取り込み、その20%以上を有料ゾーンに誘導できるか。例えばTwitter的に他ユーザーをフォローして音楽を共有できる『discover』機能や、まもなく実装予定のお気に入りアーティストやアルバムなどを常に表示させておける『collection』機能など、ユーザーを飽きさせず、音楽に時間を使ってもらう仕組みを追加しているのも成長の要因」と語る。実際、Spotify導入後、ユーザー1人あたりの音楽への平均支出が増えた国も出始めているという。
Facebookとの連携など、ソーシャルツール化はもちろん、サードパーティにAPIを提供しアプリ開発を促すプラットフォーム化も、会員獲得に寄与している。Spotifyのプレイリスト機能を活用したアーティストアプリやレーベルアプリ、雑誌系アプリなども人気で、グローバルブランドの名を冠した音楽アプリなども展開されている。単にサブスクリプション市場のみならず、Spotifyが日本国内の音楽配信サービス全体にもたらすインパクトを注視したい。(『ORIGINAL CONFIDENCE』13年6月10日号掲載)
■無料会員から有料会員への乗り換え率が20%以上
Spotifyは世界最大の定額制音楽配信サービス。アメリカを含む28ヶ国で展開中で、アクティブユーザー数は2400万人、うち有料会員数も600万人(20%以上)に到達している。有料プレミアム会員の会費が、おもなビジネスで、無料プロモーション会員へのターゲット広告を通じた収益もある。楽曲権利者には、契約に応じて収益が分配される仕組みで、実際にこれまで500万ドル以上が権利者に支払われている。現在、日本でのサービス開始のための準備も進む。
「Spotifyが始まったスウェーデンの音楽産業は違法ダウンロードにずっと悩まされてきましたが、現在までのところ、無料会員から有料会員への乗り換え率が20%以上あり、ユーザーを合法サービスに誘導することに完全に成功しています」とスポティファイジャパンのハネス・グレー氏。
これには長期にわたって無料で使える“お試し期間=プロモーション期間”が必須と強調する。
「無料会員は機能を制限されますが、その中で自分なりの音楽への接し方をあれこれ試行錯誤するうち、より深く、より自由に音楽を楽しめる有料版Spotifyの必要性を実感するタイミングが訪れます。時間に比例して有料会員は20%を超えて、なお増え続けています。おそらく日本でも“お試し会員”が重要になってくるのではないかと考えています。すべての国の市場にはそれぞれ特殊性がある。私たちはデータに基づいて、無料ユーザーが満足できず有料に変換したくなるぎりぎりのラインを探っていく」(ハネス氏)
アメリカでは、無料プロモーション会員がモバイルで使えるのはラジオ機能のみとなっており、プレミアム月額会員(月9.99ドル)へのコンバートも順調に進んでいるという。
「300人以上のエンジニアがストックホルムで常駐し、広告の入る回数や長さ、メール通知回数など、何百ものチェックリストを見ながら、どうやったらコンバートしてくれるか、常に調整し続けています」(ハネス氏)
■SNSやブログ、メールを通じて音楽をシェア
ユーザー自らが作成する「プレイリスト」は世界ですでに10億以上。日本での権利者やレーベルとの交渉を担う野本晶氏は、「音楽は好きだけどお金は使ってないという層をいかに取り込み、その20%以上を有料ゾーンに誘導できるか。例えばTwitter的に他ユーザーをフォローして音楽を共有できる『discover』機能や、まもなく実装予定のお気に入りアーティストやアルバムなどを常に表示させておける『collection』機能など、ユーザーを飽きさせず、音楽に時間を使ってもらう仕組みを追加しているのも成長の要因」と語る。実際、Spotify導入後、ユーザー1人あたりの音楽への平均支出が増えた国も出始めているという。
Facebookとの連携など、ソーシャルツール化はもちろん、サードパーティにAPIを提供しアプリ開発を促すプラットフォーム化も、会員獲得に寄与している。Spotifyのプレイリスト機能を活用したアーティストアプリやレーベルアプリ、雑誌系アプリなども人気で、グローバルブランドの名を冠した音楽アプリなども展開されている。単にサブスクリプション市場のみならず、Spotifyが日本国内の音楽配信サービス全体にもたらすインパクトを注視したい。(『ORIGINAL CONFIDENCE』13年6月10日号掲載)
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2013/06/08