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【2013年本屋大賞】百田尚樹『海賊とよばれた男』に決定

 全国の書店員が“今いちばん売りたい本”を決める「2013年本屋大賞」(本屋大賞実行委員会主催)発表会が9日、都内で行われ、百田尚樹(ひゃくた・なおき)氏の『海賊とよばれた男』(講談社)が大賞に選ばれた。百田氏は同大賞3年連続でノミネートされており、ついに受賞を果たした。

百田尚樹氏の著書『海賊とよばれた男』上(講談社)

百田尚樹氏の著書『海賊とよばれた男』上(講談社)

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 百田氏は「僕も作家になって7年、初めていただいた賞なので本当にうれしいです。直木賞なんかよりはるかに素晴らしい」と喜びを噛み締め、「これから書店員のみなさんが頑張って売ってくださると思うのですが、運が悪いことに12日に村上春樹さんの本が発売される。もしかしたら受賞作品史上最も売り上げの悪い本になってしまうかもしれませんが…なんとか頑張りたいです」とユーモアたっぷりに語った。

 同作は、出光興産の創業者・出光佐三をモデルにしたノンフィクションノベル。第二次世界大戦に敗戦し、焦土と化した日本で、石油会社大手から排斥され売る油もない「国岡商店」が、一人の社員も解雇せず、ラジオの修理業や旧海軍の残油処理などで生計を立ててしのぎ、たくましく再生。昭和28年、国岡のタンカー日章丸は、英国系石油会社の製油所を国有化して国際的に孤立したイランに向かった人々の人生を描く。

 百田氏は、同大賞で2011年に『錨を上げよ』で4位、2012年に『プリズム』(幻冬舎)で10位、2009年に『ボックス!』で5位に入選しており、4度目のノミネートで初の栄冠に輝いた。デビュー作は2006年『永遠の0(ゼロ)』(太田出版)で、関西の人気番組『探偵! ナイトスクープ』のチーフ構成作家も担当している。

 今年で10回目を迎える同賞。過去の大賞作品やノミネート作には、三浦しをん氏の『舟を編む』(2012年大賞)や東川篤哉氏の『謎解きはディナーのあとで』(2011年大賞)など、映画化やドラマ化されて話題になっている作品が数多くあり、今作の映像化にも期待が高まる。

 式典には三浦氏が花束贈与で登壇し「前年は『舟を編む』で、今年は『海賊とよばれた男』と、どちらも海つながり。本当に硬派で熱い小説。この本を読んだ人は勇気や情熱を受け取れるんだと思うと本当に素晴らしい」と祝していた。

 同大賞は2011年12月1日〜2012年11月30日に刊行された“日本のオリジナル小説”を対象に実施され、全国463書店598人が投票。今年は10位が総得点タイとなり、上位11作品のノミネートとなっていた。

■2013年本屋大賞そのほかのノミネート作(五十音順)

『きみはいい子』中脇初枝(ポプラ社)
『屍者の帝国』伊藤計劃・円城塔(河出書房新社)
『晴天の迷いクジラ』窪美澄(新潮社)
『世界から猫が消えたなら』川村元気(マガジンハウス)
『ソロモンの偽証』宮部みゆき(新潮社)
『百年法』山田宗樹(角川書店)
『ふくわらい』西加奈子(朝日新聞出版)
『光圀伝』冲方丁(角川書店)
『楽園のカンヴァス』原田マハ(新潮社)
『64』横山秀夫(文藝春秋)

関連写真

  • 百田尚樹氏の著書『海賊とよばれた男』上(講談社)
  • 百田尚樹氏の著書『海賊とよばれた男』下(講談社)
  • 百田尚樹氏(撮影 眞野公一)
  • 『第10回本屋大賞』を受賞した百田尚樹氏(中央)と全国の書店員 (C)ORICON NewS inc.
  • 三浦しをん氏(右)から花束を受け取る百田尚樹氏 (C)ORICON NewS inc.
  • 『第10回本屋大賞』を受賞した百田尚樹氏 (C)ORICON NewS inc.

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