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東宝がアニメ事業に本格参入〜パッケージやODSも駆使して劇場ヒット狙う

 『映画ドラえもん』や『劇場版ポケットモンスター』などのヒットシリーズ作を毎年送り出す一方、CX系「ノイタミナ」枠での共同製作など、着実にアニメジャンルへの取り組みの幅を広げてきた東宝が、アニメ事業室を新設。音楽レーベルも同時に立ち上げ、いよいよ本格的にアニメ事業に乗り出した。同社の成長戦略を追った。

■次世代に適した作品の企画、戦略を強化

 毎年、数々のヒット作品を送り出し、映像業界全体をリードする東宝は、常に一歩先を見据えた施策の実行を成長戦略の柱のひとつとする。昨年4月に設置されたアニメ事業室もその好例だ。これまで多くのアニメの配給を手がけ、ヒットに結びつけてきた同社が、積極的にアニメ製作に乗り出している。

 「正式な事業室の立ち上げ以前にも、古くは『タッチ』などのTV シリーズ、最近ではCX系「ノイタミナ」枠での共同製作およびビデオグラムの販売を行っていました。ただし、これまでは外部よりお持ち込みいただいた企画に参画することが多く、主体的に企画を推進することは少なかったです。今回の狙いは従来の動きに加え、自社企画・立案でのTV アニメや劇場用アニメの立ち上げを継続的に行い、将来的には当社の映画配給サイズに合うヒット作品を生み出していくことにあります」(東宝 映像本部 映像事業部 アニメ事業室長 古澤佳寛氏)

 昨年の東宝配給の劇場用アニメでは『おおかみこどもの雨と雪』、『映画ドラえもん のび太と奇跡の島〜アニマル・アドベンチャー〜』を含め、4本が年間興行収入でTOP10に入った。こうした状況のなか、アニメ事業室は次世代に適した作品の企画、戦略を強化していくという。

 「深夜のTVアニメは依然DVD・BDでの回収のレンジが大きく、絶えず激しい競争の中でヒットが生まれています。視聴者の嗜好も多様化しており、パッケージを定期的に購入する客層と、劇場で興収10億円を超えて大ヒットするライトな広がりを持つ作品の客層とでは乖離が見られます。我々の強みはやはり劇場を使った興行の部分にあり、TVよりも映像をコピーされにくい劇場作品において存在感を出していきたいと考えています。そのためにも劇場で勝負できる強度のある企画の開発と優れたクリエイター、才能との出会いは重要で、TVシリーズと劇場作品は両輪で進めていく必要があります」

■パッケージやODSも駆使 劇場公開が最終目標

 アニメ事業室が今年の春に送り出すのが、『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』だ。創通、フィールズと組んだロボットアニメで、監督は『刀語』の元永慶太郎氏、キャラクターデザインは『機動戦士ガンダムSEED』の平井久司氏という、アニメファン垂涎の豪華な布陣となっている。また、事業室では新たに音楽レーベルも立ち上げており、同作の主題曲も発売する予定だ。

 「アニメファンの多くは主題曲にも愛情を持って接してくれます。レーベルの立ち上げは、音楽も積極的にアピールしていこうという判断です」

 今年度はTV シリーズを5タイトル、劇場公開作9タイトルを送り出す。また、目標とする自社企画での劇場用作品は、最短で2014年には登場する予定という。古澤氏は『DO CUMENTARY OF AKB48 〜 』シリーズなどのODS作品のプロデュースも手がけており、アニメの持つイベント性の高さや、展開の広がりにも大きな可能性を感じている。

 「東宝はドメスティックな企業です。この国の少子高齢化、人口減の将来を見据えたとき、どのように進むべきか。海外でも勝負できるアニメは、映像投資として有効なジャンルだと思っています」

 現在の独走状態に安閑とせず、危機感を抱きながら、新たな布石を打ち続ける東宝。アニメ事業室が今後、どんな話題を提供するか、注目だ。(オリジナル コンフィデンスより)



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