ORICON NEWS

【編集長の目っ!】注目のガールズバンド・“サイサイ”って?

■ガールズバンドの成長物語を共有できる楽しさ

 プリンセス プリンセスの再結成が話題を集めている。11月に日本武道館4days、そして12月に東京ドーム2daysライブと、彼女たちの人気の凄さを改めて感じさせてくれる。恐らく日本のガールズ(ロック)バンド史上、商業的にも人気という面でも、最も成功し、支持されたのは彼女たちではないだろうか。1983年デビューの彼女たちが作り出した、ガールズバンドの“スタイル”、それはその“雰囲気”から、詞・曲・メロディーが醸し出す“空気感”まで、のちにデビューするガールズバンドの多くがお手本にし、その影響力は大きい。

【写真】その他の写真を見る


 今も毎年のようにガールズバンドがデビューし、もちろん売れる売れないはあるが、アイドル性を重視したスタイル、音楽性を重視したスタイル、またはその両方を兼ね備えたタイプとさまざまで、それぞれのスタイルにしっかりとファンが付いている。女子高の軽音部を描いた『けいおん!』の大ヒットの影響も、ガールバンドが多くなった理由のひとつなのではないだろうか?男子からの人気はもちろん、『けいおん!』の“彼女たち”を見て、主人公と同じ女子高校生が、ゼロからバンド、音楽活動を始めるという“きっかけ”になっている。

 先日、4人組ガールズバンド・Silent Siren(サイレントサイレン=サイサイ)のライブを観てきた。彼女たちの結成は2010年、メンバーは吉田菫(Vo&G)、山内あいな(B)、梅村妃奈子(Dr)、黒坂優香子(Key)の4人で、全員が人気ファッション誌の読者モデルというのが面白い。当然最初に女子ファンが興味を持つ。すでに10代の女子からは圧倒的な支持を得ているようで、今年2月にデビューアルバム『サイサイ』をリリース。そして早速3月に行われた『東京ガールズコレクション』のオープニングアクトに抜てきされ、注目を集めた。読モということで、メンバーそれぞれが力を入れている衣装も注目され、原宿のファッションアイコンとして11月8日に行われた『Girls Aword2012 AUTUMN/WINTER』にも出演した。

 ライブは、演奏はまだまだ荒削りだけど、懸命に練習したんだろうなぁという雰囲気は感じさせてくれた。等身大の詞と歌、声、エレクトロと生音、そして彼女たちのファッションから醸し出される、そのどこまでもポップな感じはどこか新鮮で心地よかった。読者モデルは、雑誌のなかではほかの読モよりも目立ってナンボ、の世界だとは思うが、もちろん彼女たち一人ひとりのルックスは目立ってはいるが、バンドとしてのまとまり、一体感を追求しようとするならば、それは彼女たちのなかでは、もしかしたらロックなことなのかもしれない……とか、まだ1回もインタビューしていないから、ライブ中そんなことを勝手に想像したりした。

 それと、今人気を集めているアイドルグループがそうであるように、やはりその一生懸命さに心を打たれるのではないだろうか。当たり前だけど、ゼロからバンドをスタートさせ、ゼロから楽器を懸命に練習し、人前でライブをできるまでになった、その成長物語を共有できるところも、彼女たちの魅力のひとつになっているのではないだろうか。精力的にライブ活動している彼女たち、これからどんどんバンドとしての力をつけていくだろうし、その過程を見守ることができる“新鮮さ”も大きな武器になる。

 11月14日にはシングル「Sweet Pop!」でついにメジャーデビューを果たし、11/26付シングルランキングの23位(3,076枚)に初登場した。まずまずのスタートを切ったのではないだろうか。

⇒ 『編集長の目っ!!』過去記事一覧ページ

関連写真

  • Silent Silen
  • メジャーデビューシングル「Sweet Pop!」

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索