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TOHOシネマズが“音楽宣伝”開始〜映画館を新人アピールの場に

 TOHOシネマズが新人アーティストを起用したショートムービーを制作した1年にわたるキャンペーンを開始した。今回のプロジェクトでは、映画館に若年層を呼び込むという目的とともに、映画館と音楽の親和性を活かし、アーティストのブレイクも積極的に狙っていくという。

 デフスターレコーズから9月19日にデビューシングル「フルール」を発売したばかりの新人アーティスト近藤晃央を1年にわたって起用した、「TOHOシネマズで映画を観よう」キャンペーンをTOHOシネマズが開始した。

 同社ではこれまでにもマナー啓発ムービーに蛙男商会の『秘密結社鷹の爪』をシリーズ起用するなど、アニメコンテンツとのコラボレーションを実施した実績があり、今回も「他チェーンにはできない、TOHOシネマズならではの企画をと考えた結果」としての“新人”アーティストによるショートムービーの上映となった。

 「こだわったのはリスナーに固定のイメージを持たれていない新人であることと、“和メロ”でした。この2点が揃えばボリュームゾーンである20代後半から40代の女性を中心に、全方位的に訴求できると考えました。その前提で白羽の矢が立ったのが近藤晃央さんでした」と、語るのはTOHOシネマズ営業本部 マーケティング部 企画営業室 安井昌宏氏。

 近藤がTOHOシネマズ側のメッセンジャーとして主演する約2分のショートムービーを制作し、本編前に上映。基本的には数ヶ月おきに新しい作品に変えながら、1年間、継続させていく予定という。

 「非アニメは初の試みです。そもそもの目的はあくまでTOHOシネマズでの映画鑑賞を奨励すること。蛙男商会さんの時もそうでしたが、最初は“何これ?”という受け止め方をされる可能性もあります。それでも作品に力があれば、勝手に育っていくものです。近藤さんもそれだけの素材だと考えています」(安井氏)

■映画館から生み出す新人のブレイク

 またTOHOシネマズとしても、近藤のブレイクこそがプロジェクトの目標のひとつであり、映画以外のコンテンツからヒットを生み出すことで劇場としての個性や、新たな可能性を打ち出したいと話す。

 「今回のプロジェクトの主導権は我々ですが、映像そのものの制作は共同でアイデアを出し合う対等な関係ですね。映画館だからこそ持っている演出ノウハウや、アプローチ法なども含め、今はお互いに刺激し合っている状態ですね」(安井氏)

 上映を開始した9月7日は『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』の公開日でもあり、最初の土日だけで約40万人がショートムービーを鑑賞。露出媒体として非常に大きな力を備えていることを実証した。

 「これをきっかけに、音楽と映像との架け橋になれたら嬉しいですね。この試みが受け入れられれば、音楽側は新たなチャンネルとして、映画館を利用することができますし、我々にとっても可能性が広がる。今はまだ、近藤さんの名前がわからなくても“TOHOシネマズで映画の前に流れていたドラマの曲”という説明で、CDショップの方が理解できるような状況にまで持っていくのが理想です」(安井氏)

 一方で、この大きなチャンスを、メーカー側はどう捉えているのか。

 「本当に感謝しています。一緒にゼロから考えることでアイデアの相乗効果もありますし、本人のポテンシャルがどんどん引っ張り出され、可能性が広がっていくのを近くにいて実感しています」(デフスターレコーズ制作部チーフ 西原永二氏)

 アーティスト本人は初めての演技に対して試行錯誤しながらも、プレッシャーを感じることなく、むしろ楽しんでいるという。観客の反応次第では、映画館でのライブやサプライズ登場などという展開も期待できそうだ。ライブ中継だけではない、音楽と映画館の親和性を探るチャレンジとして今後も注視したい。



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