東日本大震災で被災した福島県いわき市の温泉複合施設「スパリゾートハワイアンズ」が１日、約半年ぶりに一部営業を再開し、同施設を舞台にした2006年公開の映画『フラガール』に出演した女優の蒼井優と南海キャンディーズの山崎静代が、復興に向けた再出発を祝福しに駆けつけた。

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　同作の撮影時には約2ヶ月「ハワイアンズ」に宿泊していた蒼井だが、いわき市を訪れるのは2006年3月以来、約5年半ぶり。「撮影をしている時には、（震災で）まさかこんな日がくるとは思ってもみませんでしたけれど、皆さんの笑顔、活気を見せていただけて…」と言葉を詰まらせ、「福島は第二の地元、故郷だと思っているので、これからもできる限り力になりたいと思っています」とエールを送った。

　蒼井をはじめ『フラガール』のスタッフ、キャストらは震災を受けて、「ハワイアンズやいわき市の人々のために何かがしたい」と義援金を送り続けてきた。同作で、その年の映画賞を総なめにした蒼井の思い入れは深く、震災後の“フラガール”たちを追ったドキュメンタリー映画『がんばっぺ フラガール！〜フクシマに生きる。彼女たちのいま〜』のナレーションも引き受け、「ハワイアンズ」が営業再開したあかつきには、必ず訪問しようと心に決めていたという。

　一方の山崎は、『がんばっぺ フラガール！〜』の応援団長に突然任命されて、苦笑いしていたが、「私のことをかわいい、かわいいと言ってくれてありがとう。すごく大変だったと思うし、これからも大変だとは思うけれど、お手伝いをしたいので何かあったら言ってほしい」と一日も早い復興を願った。

　『がんばっぺ フラガール！』は、震災により休業を余儀なくされた「ハワイアンズ」のダンシングチーム（フラガール）が、開業前以来となる46年ぶりの全国キャラバンを行い、日本中に笑顔と元気を届けてきた日々を追ったドキュメンタリー。フラガールたちも被災を乗り越え、4月22日に練習を再開。5月3日のいわき市内の避難所から全国キャラバンをスタートさせ、韓国・ソウルを含め125ヶ所、247公演を行ってきた。映画はこの日、夜の再開初日公演、グランドポリネシアンショー「きずなの足跡」で撮了。10月23日（日）に『第24回東京国際映画祭』（東京・六本木）でお披露目され、10月29日（土）から全国で公開される。