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伊集院静が“男の流儀”入門を配信 震災時に「人間は何を怠っていたのか?」

 『機関車先生』や『乳房』などで知られる作家・伊集院静(61)が、電子書籍『男の流儀入門』シリーズの第一弾「震災編」をきょう21日に配信した。自宅のある宮城県で東日本大震災を体験した伊集院氏自ら、3月11日に何が起こったのか、男として何ができたのかを“伊集院流”に指南していく。今回、ORICON STYLEの取材に応じた伊集院氏は、震災は「今のうちに書き残すべき」テーマであったといい、「あんな大きな地震が二度来ないという約束は、どこにもない。今、僕たちができることは、将来を生きる子孫のために何が必要かを考えること」と執筆への胸の内を明かした。

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 伊集院氏単著での電子書籍の発表はこれで2度目。前回は他界した前妻・夏目雅子さんとの追憶の日々を綴った自叙伝的な作品『なぎさホテル』を発表したが、今回は打って変わって地震を主題に危機に直面したときの“男の心構\え”を選んだ。

 自身の家は半壊したが、家族はみんな無事だったという伊集院氏。「あの日、震災で多くの人が街ごと津波で流されてしまった。その大半は逃げ遅れた人たち。みんな“大丈夫。きっと津波は来ないだろう。街には大きな堤防もある”と過信してしまったんだね」と、津波に対して誰もがそれまで疑わなかった無根拠な幻想への後悔を語る。だからこそ「なぜあの日、人は一目散に逃げなかったのか? それは人間が何かを怠っていたからだ」と力を込め、その“何か”の答えを「震災編」で綴っている。

 先月発売された週刊誌で伊集院氏は、同じ「東日本大震災」をテーマに原子力発電所の事故、情報を隠蔽する官僚、危険を予見しきれない学者らを痛烈に批判し、怒りと思いの丈をぶつけた。だが、同書では地震と直面した場合に、男として為すべき覚悟やライフラインの確保、人命救助を実行する際の正しい関わり方などをまとめており、プライベートな感情はあまり記していない。手引書という体裁を崩さず、「指南書は残した。それをどう活用するかは、読者である君たち次第だ」という姿勢を貫いた。

 「被害は大きかったけれど、(日本の)90%の人は被災をしていない。“可哀そうに”と心から思うだろうけど、本当の痛みを知ることはできないし、それはどうしようもない。だから少しずつ少しずつ、小説や色々なもので訴え続けることで、伝わっていくと思うんだよね」と伊集院氏。何十年先の将来を生きる子どもたちが「地震は必ず来る」ということを忘れず、備えをできる“教え”を、世代を越えて繋げていくために同書は生まれた。

 震災以降、何か行動したくても何もできないまま日々を過ごしてしまった人は、意外と多いのではないだろうか? 同書は、決して「おやじの説教を聞け」というものではなく、「自分にできる“何か”」を探すきっかけとなるはず。あの日から半年が過ぎたいま、もう一度“地震”と向き合うチャンスを与えてくれる一冊といえるだろう。



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  • アプリ『男の流儀入門』をリリースした作家・伊集院静氏 (C)ORICON DD.inc
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