映画、テレビ 、舞台にひっぱりだこの俳優・柄本明。27日(土)公開の映画『神様のカルテ』(深川栄洋監督)にも、嵐の櫻井翔演じる主人公の内科医・栗原一止(いちと)の上司・貫田役で出演している。シリアスな役どころからコミカルな芝居まで、幅広いジャンルでその演技力を発揮し、今年春の褒章で紫綬褒章を受章した。「明日をもしれない身なのにねぇ」と笑いまじりに話した。
1974年に劇団「自由劇場」に参加後、1976年にベンガル、綾田俊樹らと共に「劇団東京乾電池」を結成。今月、東京・下北沢駅前劇場にて「劇団東京乾電池」35周年記念第2弾公演『そして誰もいなくなった』も無事終えた。映画出演も多く、1998年『カンゾー先生』で日本アカデミー賞等の最優秀主演男優賞、2010年『悪人』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、芸術選奨文部科学大臣賞に輝くなど数々の受賞歴を持つ。
だが、本人は「劇団は自分たちで好きでやっていることだけど、映画の仕事はこちらがやりたいと言ってもねぇ、先様のあることだから。出演依頼がなければフリーという名の失業者。この世界で、何人食えない役者がいますか。たまたま、うまく続いたってだけじゃないですか」と至ってシビア。
ここで懺悔しておくと、記者は柄本氏にまったく歯が立たなかった。「何でも聞いてくださいよ」とフランクな姿勢で記者と向き合いながら、「期待している答えがなかなか返ってこないよね、悪いねぇ(笑)」とニヤリ。返す言葉は、純粋に謙虚なのである。
俳優として息の長い活躍をする秘けつについて聞いてみると、「俳優を長く続けることが大変かどうかといえば、ほかのどんな職業のみなさんだって同じように大変でしょう。結局、生きていくっていうことですよね。生きている人間には、みんな課せられた何かがあって、俳優だろうと、なんだろうとみんな一緒ですよ。この仕事だからって、特別なことは何もないですよ」とサラリと語る。
苦し紛れに今作の見どころや共演した櫻井の印象をたずねると、「映画の宣伝って、もうちょっと戦略があってもいいよね」とバッサリ斬られた。「作品の見どころとか、共演者がどうだったかとか、話すことってそんなにないからね(笑)。撮影中に死にそうになったとか、そういうハプニングがしょっちゅうあればいいのかもしれないけど、こっちもプロなんだし、仕事でやっているわけだから。なんか画一的すぎる感じがするよね。お客さんも、だいたい事情をわかっていて見抜いていると思うし。だったら、もっと戦略的に最初から作っちゃえばいいんだよね。その点、ハリウッド俳優は自分の役や作品について語ることに鍛えられているよね」。
もっともだと思った。返す言葉に困っていると、「映画は好きだけど、自分が出ている作品を観るのは嫌なんですよ」とさらに意外な言葉が続いた。「関係者と試写を観るのもプレッシャーだし、出来上がった作品について意見をいうのがものすごく辛いんですね。なんだろうなぁ、褒めないといけないみたいなこともあるし、基本的に僕はそれで見逃してしまう作品も多いんですよ」。
またも、あっけにとられていると、「『神様のカルテ』は、松本(長野県松本市)でロケをしましたね」と語り出した。「松本はそばがおいしいので、好きな街です。ずいぶん久しぶりに行ったのですけど、昔あった映画館が3軒もなくなっていましたね。櫻井くんは頭のいい子だよね。ちゃんとしている人で、きっと勉強もできるんだろうなって、思っていました」と、ちゃんと“期待”に答えてくれた。
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1974年に劇団「自由劇場」に参加後、1976年にベンガル、綾田俊樹らと共に「劇団東京乾電池」を結成。今月、東京・下北沢駅前劇場にて「劇団東京乾電池」35周年記念第2弾公演『そして誰もいなくなった』も無事終えた。映画出演も多く、1998年『カンゾー先生』で日本アカデミー賞等の最優秀主演男優賞、2010年『悪人』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、芸術選奨文部科学大臣賞に輝くなど数々の受賞歴を持つ。
だが、本人は「劇団は自分たちで好きでやっていることだけど、映画の仕事はこちらがやりたいと言ってもねぇ、先様のあることだから。出演依頼がなければフリーという名の失業者。この世界で、何人食えない役者がいますか。たまたま、うまく続いたってだけじゃないですか」と至ってシビア。
ここで懺悔しておくと、記者は柄本氏にまったく歯が立たなかった。「何でも聞いてくださいよ」とフランクな姿勢で記者と向き合いながら、「期待している答えがなかなか返ってこないよね、悪いねぇ(笑)」とニヤリ。返す言葉は、純粋に謙虚なのである。
俳優として息の長い活躍をする秘けつについて聞いてみると、「俳優を長く続けることが大変かどうかといえば、ほかのどんな職業のみなさんだって同じように大変でしょう。結局、生きていくっていうことですよね。生きている人間には、みんな課せられた何かがあって、俳優だろうと、なんだろうとみんな一緒ですよ。この仕事だからって、特別なことは何もないですよ」とサラリと語る。
苦し紛れに今作の見どころや共演した櫻井の印象をたずねると、「映画の宣伝って、もうちょっと戦略があってもいいよね」とバッサリ斬られた。「作品の見どころとか、共演者がどうだったかとか、話すことってそんなにないからね(笑)。撮影中に死にそうになったとか、そういうハプニングがしょっちゅうあればいいのかもしれないけど、こっちもプロなんだし、仕事でやっているわけだから。なんか画一的すぎる感じがするよね。お客さんも、だいたい事情をわかっていて見抜いていると思うし。だったら、もっと戦略的に最初から作っちゃえばいいんだよね。その点、ハリウッド俳優は自分の役や作品について語ることに鍛えられているよね」。
もっともだと思った。返す言葉に困っていると、「映画は好きだけど、自分が出ている作品を観るのは嫌なんですよ」とさらに意外な言葉が続いた。「関係者と試写を観るのもプレッシャーだし、出来上がった作品について意見をいうのがものすごく辛いんですね。なんだろうなぁ、褒めないといけないみたいなこともあるし、基本的に僕はそれで見逃してしまう作品も多いんですよ」。
またも、あっけにとられていると、「『神様のカルテ』は、松本(長野県松本市)でロケをしましたね」と語り出した。「松本はそばがおいしいので、好きな街です。ずいぶん久しぶりに行ったのですけど、昔あった映画館が3軒もなくなっていましたね。櫻井くんは頭のいい子だよね。ちゃんとしている人で、きっと勉強もできるんだろうなって、思っていました」と、ちゃんと“期待”に答えてくれた。
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2011/08/26