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来日直前という絶妙なタイミングでU2から届けられたのが『ザ・ベスト・オブ U2 18シングルズ』。シングル曲だけを集めた究極のベストアルバムで、この偉大なバンドのキャリアを復習してからライブ会場に足を運ぼう!
8年ぶりの日本ツアーに先立ち、U2が『ザ・ベスト・オブ U2 18シングルズ』を発表する。彼らがベスト作品をリリースするのはこれが初めてじゃない。1998年と2002年にそれぞれ『ザ・ベスト・オブ U2 1980‐1990』と『ザ・ベスト・オブ U2 1990‐2000』を送り出し、リミックスや映画サントラに提供した曲も含めて、2000年までのキャリアを一旦総括済みだ。だから「またべスト盤を出すの?」と驚く人もいるだろう。けれど、あれから6年の間に『オール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインド』(2000年)と『原子爆弾解体新書〜ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム』(2004年)という2枚の大ヒット作が誕生し、この2枚だけでなんと15個のグラミー賞を獲得(合計は史上最多の22個に)。ここにきて再び、音楽的にも人気においてもピークを迎えている。
そんなわけで、本作は最近の彼らに重点を置き、収録曲はほぼシングルに限定して、1983年の『サンデイ・ブラッディ・サンデイ』から『プライド』や『ワン』や『ビューティフル・デイ』を経て、最新シングルの『セインツ・アー・カミング』に至る計18曲を厳選。必然的にセレクトから漏れてしまった曲も多く、例えば1st『ボーイ』と2ndアルバム『アイリッシュ・オクトーバー』、1993年の『ZOOROPA』と1997年『ポップ』からの曲はひとつも含まれていないし、駆け足で25年間の歩みを振り返るアルバムだ。(※UICI-1051の商品には『ボーイ』から「アイ・ウィル・フォロー」がボーナス・トラックとして収録されています)でも彼らが辿ってきたサウンドの変遷はしっかりとここに網羅されている。まず1979年のデビューから3rdアルバム『WAR(闘)』までの、荒削りなギターの音に前のめりの情熱を託したポスト・パンク期。続いては、ブライアン・イーノ&ダニエル・ラノワをプロデューサーに迎えて洗練された重厚なサウンドを追求しつつ、ゴスペルやブルースなどアメリカのルーツ音楽を掘り下げた1980年代中後期。その後一転して、ハウイーBらダンス系のクリエイターと共作したり、エレクトロニックな要素を取り入れて新境地を拓いた90年代。そして冒頭で触れた、シンプルでダイナミックなギターロックに立ち返った2000年代。以上、大ざっぱに分けると4つの時代を代表するヒットの数々に耳を傾ければ、改めて彼らが鳴らしてきたロックンロールの実験性や多様性、あるいはメロディックな人なつこさを実感できる。
さらに注目すべきは、2つの新録曲だ。そのうち前述した『セインツ・アー・カミング』はご存知、すでにヒット中のグリーン・デイとのコラボシングル。スコットランド出身のパンクバンド、ザ・スキッズの曲のカバーで、ハリケーン・カトリーナ被災者の救済チャリティを兼ねている。一方の『ウィンドウ・イン・ザ・スカイズ』は、ビートルズを思わせる美しいミッドテンポチューン。どちらも、現在制作中の新譜を手掛けるリック・ルービンがプロデュースした、“次”を予感させる曲だ。 1980年代半ばの時点で“世界最強のロックバンド”との評価を固めながらも、常に新しい試みに挑戦し今も世界中でヒットを続発しているU2。過去だけじゃなくて未来にも目を向ける『ザ・ベスト・オブU2 18シングルズ』は、そんな彼ららしいベストアルバムなんじゃないだろうか。
(文:新谷洋子)
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ザ・ベスト・オブ U2 18シングルズ
U22006/11/22[アルバム] ユニバーサルミュージック
\3,500(税込) UICI-9015
【CD】\2,500(税込) UICI-1051 
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