ORICON STYLE

2005年11月22日
アイルランドからエンヤの新作『アマランタイン』が届けられた。5年ぶりのアルバムは、多重録音によって紡ぎ出される幻想的なサウンドの美しさはもちろんのこと、新たな聴きどころも加わり、さらに魅力的な作品となっている。
昼も夜も“愛”に属している。そんな感情がメロディーの源になったの

――前作から5年。決して短くない時間ですが、レコーディングにはどれくらいの時間が費やされたのでしょうか。
【エンヤ】 5年のうち、最初の1年は前作のプロモーションに費やされ、その後、映画『ロード・オブ・ザ・リング』のために2曲を書き下ろすことになり、その制作に4、5ヶ月を要したかしら。『アマランタイン』の制作に取り掛かったのは2003年のこと。自分の中に充分なインスピレーションが湧き、書きたいと思うメロディーも浮かんできたことで、新作の準備に取り掛かることにしたのよ。

――今回も制作は、プロデューサーのニッキー、作詞家のローマの3人で行ったのですか。
【エンヤ】 今回も3人しか関わっていないわ。それもあるし、たっぷり時間をかけながらレコーディングする方法しか、私達は知らないのよ。だから、今回も完成するまでに2年もかかってしまったわ。

――アルバムのタイトルでもある1stシングル「アマランタイン」。歌から愛おしいような気持ちが伝わってきたのですが、この曲は、どのようにして生まれたのでしょうか。
【エンヤ】 「アマランタイン」を書いた時の最大のインスピレーションは、“愛”だった。昼も夜も“愛”に属している。そんな感情がメロディーの源になったの。“愛”にもいろいろな解釈があるけれど、ここでの“愛”はとてもポジティヴなもの。タイトルの「アマランタイン」とはラテン語か、ギリシャ語で、“永遠の”という意味。だから、ここでは“永遠の愛”を歌っているのよ。

「このメロディーをどの言語で歌おうか」と決めるのが毎回楽しみ

――さて、今回は英語でも、ゲール語でもない、謎めいた言語で歌っていますよね。その言語について教えてください。
【エンヤ】 私の場合、まずひとりでメロディーを完成させるところから始まり、次に歌詞へと作業が移るわけだけれど、「このメロディーをどの言語で歌おうか」と決めるのが毎回楽しみなの。もしヒットだけを優先させるのであれば、英語で歌うのがいいのだけれど、でも、それでは音楽が自由に息をし、進みたい方向へ行くことができない。それで作詞家のローマとメロディーの進むべき方向を熟考していくことになるんだけれど、今回、英語でもゲール語でもしっくりこないメロディーがあって。「ウォーター・ショウズ・ヒドゥン・ハート」という曲よ。テーマははっきりしていたの。ある男性が感情の旅に出掛けるストーリーよ。でも、それを英語で歌っても、ゲール語で歌っても、歌詞がメロディーの感情を台無しにしてしまうの。そんな時にローマから新しい言語を創り出したらどうだろうかという提案があった。彼女は、映画『ロード・オブ・ザ・リング』用に曲を書いた際に、原作者トールキンが編み出した造語、エルフ語を相当勉強したので、それに触発されたみたい。そこから“ロクシャン”という独自の言語が創り出されたのよ。

――他に「菫草(すみれぐさ)」は日本語で…
【エンヤ】 「菫草(すみれぐさ)」は、とてもスロウな曲で、これもまた英語でもゲール語でもしっくり来なくて。ちょうどその頃、ローマが松尾芭蕉に関する本を読んでいたのね。それで、彼が山道を歩いている時に目にした、何の変哲もない菫草にふと見出した美しさを詠った俳句を教えてくれた。その俳句の感性こそがこのメロディーに共通するものだと思い、それで日本語で歌うことになったのよ。

――最後にアルバム全体を通してのテーマがあったら、教えていただけますか。
【エンヤ】 収録曲にはそれぞれストーリーがあり、異なる感情が描かれているけれど、共通しているのは愛。それがアルバム全体のテーマにもなっているわ。

(文:服部のり子)

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Release
アマランタイン シングル

アマランタイン
エンヤ
2005年11月23日[アルバム]
\2,580(税込)
ワーナーミュージック・ジャパン
WPCR-12221

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アマランタイン シングル

アマランタイン
エンヤ
2005年11月16日[シングル]
\1,000 (税込)
ワーナーミュージック・ジャパン
WPCR-12186
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Profile

本名:エンヤ・ニ・ブレナン。アイルランド北部ドニゴール州グウィドー生まれ。
幼い頃からピアノを弾き始め、18歳のときに兄姉が在籍するグループ、クラナドへの参加を経て1982年にソロ活動スタート。1987年に1stアルバム『ケルツ』をリリースの後、1988年にアルバム『ウォーターマーク』でメジャーデビュー。同アルバムからのシングル・カット曲「オリノコ・フロウ」が世界中で大ヒットとなる。1991年、2ndアルバム『シェパード・ムーン』を発表すると、イギリスでの首位獲得は勿論、アメリカでもビルボード・チャートに計199週チャートインという超ロングセールスを記録、グラミー賞を獲得する。
1997年、初のベスト盤『ペイント・ザ・スカイ』をリリース。登場2週目で4位を獲得。
2000年、キアヌ・リーブス主演映画『スゥイート・ノベンバー』の主題歌「オンリー・タイム」や、邦画『冷静と情熱のあいだ』の主題歌「ワイルド・チャイルド」等を収録した4thアルバム『ア・デイ・ウィズアウト・レイン』をリリース。登場2週目で4位を獲得。
2001年10月24日、2年間限定の日本独自企画盤『フォー・ラバーズ〜「冷静と情熱のあいだ」テーマ曲集』をリリース。初登場2位を獲得。
2002年、大作映画『ロード・オブ・ザ・リング』の主題歌に「メイ・イット・ビー」を提供。
2004年、パナソニック「VIERA(ビエラ)」のCMソングに、初の日本語詞曲「菫草(すみれぐさ)」を提供。
2005年11月16日、ニューシングル「アマランタイン」をリリース。
2005年11月23日、5年ぶりのニュー・アルバム『アマランタイン』をリリース。

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