ORICON STYLE

2009年03月25日
今、最も注目を集めている音楽プロデューサー 蔦谷好位置 ナイポジ対談もしオフが1年あったら・・・前編 尖った部分を伸ばす感覚は同じ
自分にやれないことをやる同世代のすごい人(淳治)

【淳治】 僕は、自分にやれないことをやっている、同世代のすごい人って感じで(蔦谷くんを)見てますよ。蔦谷好位置っていうアーティストの世界観がちゃんと確立している人だなって。
【蔦谷】 いやいや(笑)。淳治くんは文化人っぽいんですよ。雑誌の対談とかトークショーをやっているのを見ると、すごく文化人だな〜って思う(笑)。僕なんか、スタジオにこもって、ヒゲも伸び放題で、毎日、レコーディングしているだけですからね。そこは違うところかもしれない。
【淳治】 今、ひと月に何日くらいスタジオに入ってるの?
【蔦谷】 ほとんど毎日のようにというか、最近は休みが1日もないですね。
【淳治】 休みってどうやってとるの?
【蔦谷】 僕は全然休まないんですよ。休むと不安になっちゃうタイプなんです。

【淳治】 僕は1年オフって言われても大丈夫。
【蔦谷】 余裕があるよね、なんか。
【淳治】 いやいやいや、余裕じゃないですよ(笑)。
【蔦谷】 僕は2、3日くらい休むと「ヤバい、このまま音楽業界から消えていくんだ」って思っちゃう。仕事しなきゃ不安になっちゃうんです。そこは正反対ですね。
【淳治】 だからといって、2、3日休みだって言われても、結局はずーっと家でテレビ観ていますけどね。
【蔦谷】 バラエティでもなんでもいい?
【淳治】 テレビは永遠に観ていられるね。
【蔦谷】 なんでテレビが好きなんですかね?
【淳治】 分からない。なんかね、世の中がどうなっているかはよく知らないけど、テレビは絶対多数だから、観ているうちに、「なるほど、今こうなってるんだな」って分かるというか…。その若い子と直にしゃべったって、若い子の中の一部だから、いまいちぼやけているんだけど、テレビはたくさんの平均値だから、その世代世代、その時間帯の情報の重さ、ニュースに取り上げられる回数の多さとかを1日ずーっと観ていると、今、世の中はこうなってんなって感じが分かるんだよね。

普段の生活からいろんなことを感じとっている(蔦谷)

【蔦谷】 そうやって、普段の生活からいろんなことを感じとっていると、僕みたいに不安にかられたりすることもないのかな(笑)。それに、淳治くんは野球をやっていたり、登山が好きだったり、アウトドア関連もいろいろやっているでしょ?
【淳治】 確かに身体を動かした方が頭はすっきりするね。
【蔦谷】 淳治くんが自分をナイスポジションに戻す方法は、やっぱり身体を動かすこと?
【淳治】 僕は、例えば、Aというバンドのプロデュースを1ヶ月やって、2日間の休みを挟んで、Bというバンドのプロデュースに入いるというときに、この2日間の過ごし方具合によっては、前のバンドの匂いを連れて入っちゃうことがあるんです。そうすると、Bのバンドに迷惑だから、全くの無にしたいんですよ。そういう時は、映画を5、6本借りてきて、家でずっと観るんです。1日に映画を6本も観ていると、6個の結末があるわけで、目の前に流れ続けている映画を追っかけていると、自分の感情がなくなるんですよね。そうすると、観終わったときに無になっている。
【蔦谷】 その間のご飯はどうするの?
【淳治】 飯を食いながらの字幕は結構難しいから、邦画を2本くらい混ぜて、そこを飯にしてる(笑)。
【蔦谷】 それは面白いですね。
【淳治】 ナイポジにおけるナイポジは?
【蔦谷】 野鳥の写真を撮ることとダーツしかないんですよ。結構、地味ですよね。
【淳治】 (笑)じゃあ、休みが1年あったらどうするの?
【蔦谷】 たぶん、うつ病になると思います。
【淳治】 (笑)。
【蔦谷】 1年も休んじゃったら、不安すぎて、どんよりしていると思いますね(笑)。

(文:永堀アツオ)
(写真:草刈雅之)

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