ORICON STYLE

2008年12月10日
今、最も注目を集めている音楽プロデューサー 蔦谷好位置 ナイポジ対談音楽プロデューサー亀田誠治との衝撃的な出会い!後編 対談の裏テーマとは!?
まさか、こんな日がくるとは・・・(蔦谷)
今回のお客様 亀田誠治

1964年6月3日生まれ。
椎名林檎、平井堅、スピッツなど様々なアーティストのプロデュースやアレンジを手がける。
また、椎名林檎らと結成した東京事変では、ベーシストとして活躍。

【蔦谷】 まさかこんな日がくるとは思っていませんでした。
【亀田】 僕は蔦谷くんに初めて会ったときから、いつかこういう日がくると思っていましたよ。初めて会ったのは、蔦谷くんのバンド、CANNABISと一緒にレコーディングを始めた99年くらいだよね。それはもう有望なバンドだったんです。
【蔦谷】 結構、期待されていたんですよね。すごくお金をかけてもらったのに大赤字だったっていう。
【亀田】 しかも、その大赤字をプロデュースしちゃったっていう(笑)。CANNABISの中心人物として蔦谷くんがいたんだけど、当時からすごく優秀で切れ味があって。その時からすごいなって思っていたのは、自分の主張をちゃんと言葉で説明できるってことなんですよね。僕はCANNABISをプロデュースするとき、相当ご自慢のスタッフを揃えて、万全の布陣をしいて臨んだにも関わらず、蔦谷くんは「こうして欲しい」とかはっきりと打ち出してきて。その時に僕は、生意気だって思うよりも、自分が同じ年齢だった頃と重なってみえて。
【蔦谷】 いや、ほんとにすみません!亀田さんに会うたびに平謝りするしかないです・・・(笑)。ほんと、ひどかったんですよ、僕。亀田さんの作ってくれたアレンジに対して「なんか違くないですか、これ?」とか言って。
【亀田】 むっちゃダメだし。しかも、完成したものを、僕とのプロダクツが終わってから録り直したでしょ?(笑)。
【蔦谷】 そうです・・・(苦笑)。ひどいですよね、考えられないですいよね。当時の音を今聴いたらカッコいいんですよ(笑)。このまま出しておけばよかったなって思ったくらい。でも、僕のなかでは別の完成形があって。どうしても曲げられなかったんです。だから、自分でゼロからやり直したものを出したんですけど、全然売れず・・・。
【亀田】 でも、そこを行動に移した実行力だよね。スタッフのかたたちにもいろいろ言われるのが分かっているのにも関わらず、自分の描いたビジョンに向かって進んでいった蔦谷くんはすごいと思っていて。
【蔦谷】 ものすごく怒られました。自分がどういうことをしているのかわかっているのかって。
【亀田】 亀田くんもすげぇへこみましたよ(笑)。盤になったものを聴いて、「あれ?おれのやったバージョンじゃないじゃん」って。結局、僕が関わったのは、1stアルバム『アストロダンス』の半分くらい(「妄想R」「How to Love Me」ほか)なんだよね。

蔦谷くんは、類稀な才能を持った人だと思う(亀田)

【蔦谷】 3年間やったんですけど、全然売れなかったんですよ。バンドを解散したのが2003年なんですけど、その頃、亀田さんと池尻大橋ですれ違ったことがあって。3年ぶりくらいだったのでお互い気づかなかったんですけど、すれ違ったあとに、あれ?亀田さんだなって思って。その時の僕は、お金が全然なくて。毎日、近くのスーパーに売っている15円のもやしを炒めて食べたんです。その日も、もやしを買って帰るときに亀田さんとすれ違って、「ゼッテー負けねー!」と思って。
【亀田】 僕が引き金になったわけだ。

【蔦谷】 そうなんですよ。いろんなかたに感謝しているんですけど、やっぱり僕は、何クソ根性でやってきただけなんですよね。そのあと、YUKIさんの曲を作って、何曲か出したあとに、突然、亀田さんから携帯にメールが入ったんです。亀田さんも忙しいのでなかなか会えなかったんですけど、1ヶ月くらい後にお逢いして、事務所の近くでごはんを食べて。まず、最初に謝りましたね。「当時はほんとに失礼致しました!」って。
【亀田】 あははははは。もやしを食べながら悔しい思いをしていたのはきっと短い期間だと思うんですけど、YUKIちゃんの仕事で頭角を現してきたときに、まず、すごく嬉しかったんですよね。それに、やっぱり僕は、才能がある人がすごく好きで、出会った瞬間に分かるんですよ。蔦谷くんは、僕の人生の中で数少ない、「こいつはすごいものを持っている」って感じさせてくれる、ひとりだった。そんな彼が、ちゃんと自力で自分の道を歩んで、YUKIちゃんの曲を書いて、編曲もしている。しかも、1曲だけじゃなくて、愛情を注いで関わっているプロジェクトだっていうのがわかったし、結果も残していた。その時に、単純にもう一回会いたくなったっていうのもあるし、蔦谷くんのように馬力やパワーのある人と繋がっていたいっていう気持ちが強く芽生えて連絡したんだよね。
【蔦谷】 すごく嬉しかったです。度重なる失言やご無礼を謝り続けました。逆の立場だったらぶん殴っていますよ。「ふざけんな、お前。俺を誰だと思っているんだ」って(笑)。
【亀田】 あはははは。でも、対談連載の第1回目に呼んで頂いたのも光栄だし、蔦谷くんと一緒にCANNABISで過ごしたことや今でもこうして話をできることに対して、正直、誇らしい気持ちがありますよ。
【蔦谷】 いや〜、ほんとに嬉しいな〜。

(文:永堀アツオ)
(写真:草刈雅之)
後編へ続く(12月24日更新)

1976年5月19日生まれ、北海道出身。
幼少よりピアノをはじめ、小学4年生からパソコンで打ち込みを始める。
クラシック、ジャズ他、様々な音楽を独学で学ぶ。
2000年5月、CANNABIS としてシングル「HOW TO LOVE ME」でメジャーデビュー。 現在は、作詞・作曲家、プロデューサーとして活動する一方、NATSUMEN 、Entity of RudeのキーボードプレイヤーやSo'flyのGIORGIO13と共にプロデュースユニットDUMMEEZとしても活躍。
OFFICIAL SITEOFFICIAL BLOG

蔦谷好位置 関連作品
YUKI
配信限定シングル
「メッセージ」
発売日:2008/12/03
ゆず
シングル「シシカバブー」
品番:SNCC-89906(初回盤)SNCC-89907(通常盤)