今年で54回目を迎える音楽の祭典『グラミー賞』。毎回、我々の想像しなかったドラマが多数起こり、見逃せないものとなっているが、今年もさまざまな面で楽しめそうだ。 そんななか、何といっても注目したいのが、レディー・ガガ。昨年は『ボーン・ディス・ウェイ』が年間ランキング4位にランクインしたのを筆頭に、世界中で大ヒットを記録し旋風を巻き起こしたゆえ、多くの賞にノミネートされるかと思いきや、今回は(主要部門においては)優秀アルバムのみ。しかも、この部門は大混戦の予感。リアーナやフー・ファイターズといった人気アーティストの存在も気になるが、誰よりも大きなライバルとなりそうなのが、アデルという女性アーティストだ。 アデルはロンドン生まれで、2008年に発表したデビュー盤『19』は、翌年の『グラミー賞』で「最優秀新人賞」を獲得し人気に。そして昨年1月に発表した2nd『21』は、現在も英米チャートのトップ5にランクイン、世界で1600万枚以上をセールス、すでに「21世紀を代表する名盤」と呼ばれて大ブレイクしているのだ。また彼女のソウルフルで人生の移ろいを感じさせる圧巻の歌声は、ジャズやブルース系アーティストに多くの賞を与える『グラミー賞』の嗜好(しこう)にもぴったり。実績と傾向共々、彼女に軍配があがる可能性が高い。ちなみにアデルはその他にも、主要2部門(優秀レコード賞と優秀楽曲賞)を含む計6部門にノミネート。彼女が今年の賞をすべてさらう可能性が、かなり高い。 また今年は、男性シンガーソング・ライターの存在にも注目したい。それは(今年最多ノミネートされている)カニエ・ウェストのアルバムに参加したことで話題になった、ネオ・フォーク系のボン・イヴェールと、ハワイ出身のアコースティック/R&B系アーティストのブルーノ・マーズだ。彼らも主要3部門にノミネートされていて、圧勝と呼ばれているアデルの牙城を崩せるのか?に期待したいところだ。ほかにも主要2部門ノミネートのイギリス発バンド、マムフォード&サンズや、ボン・イヴェールと熾烈な新人賞争いを繰り広げるはずのポスト・ガガの大本命、ニッキー・ミナージュの存在も見逃せない。 と、そんな賞の行方以外にも、ポール・マッカートニーの世界最大の音楽祭典ならではのスペシャルなステージも楽しめる『グラミー』。たとえ知っている名前が見当たらなくとも、最高のエンターテインメントを楽しめるめったにない機会なので、ぜひチェックしてほしい。 (文:松永直久)
(レディー・ガガ写真:Wire Image)
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