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Mr.Children『気迫が歌と音で炸裂した特別な何かが宿ったSENSEステージ』 Mr.Childrenの『Tour 2011SENSE』さいたまスーパーアリーナ公演が彼らのデビュー記念日である5月10日に開催された。彼らの気迫が歌と音で炸裂し、大きな渦を起こし、ラストに向けてある一点につながっていく。誰もが特別な何かを感じた2時間半――。
Mr.Children
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 乱舞するように四方八方から飛び交う、「おめでとう!」の声。桜井和寿が途中のMCでアナウンスした「(デビュー)19周年」を迎えた、そしていよいよ20周年目に突入する直前となる“SENSE”ツアーのハイライト公演。だからといって何か特別なことがあるわけではないのだが、しかし“特別な何か”をこの日のステージに感じたのは、たぶん私だけではないだろう。

 誠実で真摯な姿勢で臨んでいるのは、あらためて記すまでもなく、全公演同じ。ただ、1曲目を飾る「NOT FOUND」からすでに、桜井が声をからさんばかりに絶唱していたこと。そこから、形にはなっていないにも関わらず、はっきりと目に見えるような“さまざまな思い”が、ほとばしっていたこと。尋常ではない気迫が歌で音で炸裂し、大きな渦を起こしながら昇華していく――それは、(いい意味で)どこかいびつで、そしてとても美しい世界だった。

 そこに集まった1万8500人の鼓動をそのままエネルギー源としたかのような、極太でありながら繊細さをも内包したグルーブ。節電のため減灯された会場だけでなく、その壁を突き抜けて光を届けんとしているかのような、輪郭のはっきりとした音色。それぞれの楽曲に刻み込まれた言葉が持つ“メッセージの普遍性”をあらためて、また新たに感じずにはいられない、歌の心。主軸であるアルバム『SENSE』からのナンバーはもちろん、Mr.Childrenの歴史を彩ってきた数々の名曲からこのツアーのために選ばれた楽曲も、すべてがなんだかとてつもないパワーに満ち溢れている。

Mr.Children
セットリスト
2011.5/10 tue.
 さいたまスーパーアリーナ
 [セットリスト]

 1.NOT FOUND
 2.HOWL
 3.名もなき詩
 4.I'm talking about Lovin'
 5.エソラ
 6.HANABI
 7.くるみ
 8.花 -Memento Mori-
 9.【es】〜Theme of es〜
 10.シーラカンス〜深海
 11.I
 12.ロザリータ
 13.365日
 14.ロックンロールは生きている
 15.フェイク
 16.ポケット カスタネット
 17.HERO
 18.擬態
 19.Prelude

 EN1.横断歩道を渡る人たち
 EN2.fanfare
 EN3.Forever
 EN4.かぞえうた
セットリスト

 継続は力なりという言葉があるが、むしろこの日は、“力の継続”の大切さが深く身に染みてきた。そしてやがて気づく――それが最終的には、アンコール4曲目になるラストチューン「かぞえうた」に込められた「希望を数える力が人間にはあるんじゃないか」(桜井のMCより)という一点につながって集約されることに。「かぞえうた」がまだ生まれる前、つまり東日本大震災が起こる以前に、横浜アリーナで観たステージで感じたワクワクドキドキする幸福感とは違う“特別な何か”を感じたのは……つまりそういうことなのだろう。だからこそ、「365日」が歌い鳴らされる前の映像に浮かび上がった“人が1年間で愛し合える日数 365日”という一文にも、思わず願いをかけずにはいられなかった。

 楽曲との相乗効果がすばらしかった映像、照明。演出というほど意図的ではないけれど、ちょっとした粋さがかもし出されていたステージング。ライブとして不可欠なと要素は、すべてそこに存在していた。でも、なぜだろう。この日のライブを思い返せば思い返すほど、脳裏に鳴り響くようにして映し出されるのは、歌と演奏――つまり音楽そのもの――とそれが持つ力だけなのだ。

 楽しかったのか?うれしかったのか?それはわからない。ただ、ひとつはっきりと確信していることがある。それはとてつもなく“意義”と“意味”を思い、感じた2時間半であったこと。そしてもうひとつ記すなら。燃焼できたのではなく、むしろ持ち帰るものがたくさんあって自分自身が肥厚したこと。それはもう、浮き足立つことなどできないくらいに。
 初めて体感した――こんな感覚を抱いたライブは。

(文:竹内美保/写真:石渡憲一)
リリース

SENSE
Mr.Children
発売日:2010/12/01 価格:\3,059(税込)
トイズファクトリー 品番:TFCC-86341

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プロフィール

Mr.Children
1989年、桜井和寿(Vo&G)、田原健一(G)、中川敬輔(B)、鈴木英哉(Dr)の4人により結成。
1992年5月10日、小林武史プロデュースによるミニアルバム『Everything』でデビュー。徐々に注目を集めるようになり、1993年11月10日、シングル「CROSS ROAD」で大ブレイク。ミリオンセラーを達成。
1994年9月1日、アルバム『Atomic Heart』で300万枚のセールスを記録。日本のトップアーティストへと登りつめる。
その後も桑田佳祐とのコラボシングル「奇跡の地球」「シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜」「名もなき詩」など数々の名曲を生む。
2009年11月11日、ライブDVD『Mr.Children Tour 2009〜終末のコンフィデンスソングス〜』をリリース。1位を獲得。
2010年5月10日、ライブDVD『Mr.Children DOME TOUR 2009〜SUPERMARKET FANTASY〜IN TOKYO DOME』をリリース。1位を獲得。
2010年11月10日、DVD『Mr.Children / Split The Difference』をリリース。1位を獲得。
2010年12月1日、アルバム『SENSE』をリリース。1位を獲得。

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