ORICON STYLE

 厳しい夏の暑さも過ぎ去り、季節は本格的な秋へと突入。木の葉がだんだんと色づき始めるなか、今秋のドラマも彩りあふれる作品たちが顔を揃えた。涼しい風が心地よく、つい夜更かしをしてしまう秋。のんびりとしたい夜には、上質なドラマと主題歌に酔いしれてみよう。
  •  数ある連続ドラマ枠の中で、このところ次々と話題作を送り出しているのがNHKの連続テレビ小説、いわゆる“朝ドラ”だ。2010年には、流行語ともなった『ゲゲゲの女房』が高視聴率を記録し、今年の春から夏にかけて放送された『おひさま』では、戦後の混乱期を明るく乗り越えていく家族を描写し、日本中に笑顔と勇気を送った。その『おひさま』からバトンを受けてスタートした『カーネーション』(NHK/10月3日スタート/月〜土・8:00〜)は、コシノヒロコ・ジュンコ・ミチコという世界的なファッションデザイナー三姉妹の母であり、自らファッションデザインの可能性を切り拓いた女性、小篠綾子さんの波乱万丈の人生をモデルにしたストーリー。だんじり祭りでおなじみの大阪・岸和田を舞台に繰り広げられる青春一代記が、再び日本に活力をもたらす。主演に尾野真千子椎名林檎による主題歌「カーネーション」(11月2日発売)が醸し出す“エレガンス”な響きが、朝のお茶の間によく似合う。

     フジテレビ系“月9”の華やかさはやはり不滅。今回もにぎやかなキャストと目の離せないストーリーで、視聴者に強烈にアピールする。『私が恋愛できない理由』(フジテレビ系/10月17日スタート/月・21:00〜)は、「傷つくから」「面倒くさいから」「無理したくないから」など、さまざまな理由から、恋愛に対して積極的になれない「恋愛できない女性たち」の等身大の姿を描いていくラブストーリー。直面するすべての悩みを本音でぶつけあい、不器用ながらも幸せを模索する女性たちに多くの人が共感することだろう。ひとつ屋根の下で共同生活をしているものの、まったく異なる恋愛観を持つ3人の女性に、香里奈吉高由里子大島優子AKB48)。月9初主演の香里奈、月9には2年ぶりの登場となる吉高、そして月9レギュラー初出演の大島という“初共演”が、どんな女性像を描いていくのか大いに楽しみだ。共演に稲森いずみ田中圭倉科カナ中尾明慶剛力彩芽萩原聖人安室奈美恵が、あの大ヒット曲「CAN YOU CELEBRATE?」以来となる月9主題歌を担当するのも大きな話題。第1回の放送で曲名も曲調も明らかになったという画期的なアプローチも含め、さまざまな楽しみ方ができるドラマだ。主題歌は安室奈美恵の「Sit!Stay!Wait!Down! / Love Story」(12月7日発売)。

     2011年本屋大賞を受賞し、約140万部のセールスを記録している大ベストセラーが待望のドラマ化。しかも、櫻井翔北川景子が主演ということで注目を集めているのが『謎解きはディナーのあとで』(フジテレビ系/10月18日スタート/火・21:00〜)。大財閥の令嬢でありながら現職の刑事というヒロインと、その身の周りを世話する執事でありながら、歯に衣着せぬ毒舌で次々と事件の真相を暴いていく“安楽椅子探偵”役の主人公のふたりが織り成す、コミカルかつスタイリッシュなやり取りが、ミステリーファンにとどまらない多くのファンを獲得してきた“旬”な1本である。そんな原作に執事役の櫻井、令嬢刑事役の北川が、映像ならではのどんな魅力を加え、『古畑任三郎』『BOSS』にも負けない新たなミステリードラマを作り上げるのか、興味は尽きない。ライバル的な存在のおぼっちゃま刑事を演じる椎名桔平に加え、伊東四朗釈由美子らゲスト出演者が華を添えるほか、嵐による主題歌「迷宮ラブソング」(11月2日発売)、倖田來未によるオープニングテーマ「Love Me Back」(11月30日発売)と、音楽も含めて見どころが満載。

     警察庁が2007年から導入した「捜査特別報奨金制度」を取り入れたドラマとしてスタートしたのが、米倉涼子主演の『HUNTER〜その女たち、賞金稼ぎ〜』(フジテレビ系/10月11日スタート/火・22:00〜)。偶然関わった事件がきっかけで警察から捜査特別報奨金を手に入れた米倉演じる主人公が、キャビンアテンダント時代の後輩や、切り盛りする小料理屋の常連客とともに、バウンティハンター(賞金稼ぎ)として活躍する様を描く。警視庁の腕利き女性交渉人、国税局の切れ者査察官をこなしてきた米倉の新境地とともに、谷原章介桐谷美鈴山口紗弥加戸田恵子堀内敬子といった顔触れによるチームワークの妙も楽しみな1時間。主題歌は倉木麻衣の「Strong Heart」(11月23日発売)。

     現在放送中の『ラストマネー〜愛の値段〜』に替わって、NHK「ドラマ10」枠で11月から放送が始まるのが『カレ、夫、男友達』(NHK/11月1日スタート/火・22:00〜)。年が離れた価値観も全く違う三姉妹が、お互いに支え合うことで変化し、それぞれの転機を乗り越えていく、江國香織原作の『思いわずらうことなく愉しく生きよ』を浅野妙子の脚本でドラマ化した、勇気が湧いてくるドラマだ。三姉妹を真木よう子木村多江夏帆が演じ、ユースケ・サンタマリア徳井義実チュートリアル)らが脇を固める。主題歌は安藤裕子の「輝かしき日々」(11月30日発売)。

     「ドラマ10」枠に続いて同じ火曜日に新設されたのが「よる☆ドラ」枠。その第1弾が『ビターシュガー』(NHK/10月18日スタート/火・22:55〜)だ。友情の絆で結ばれた39才の女性3人の間に、あるきっかけで生じた微妙な亀裂。それは本音をぶつけ合ううちに少しずつ大きくなり……。そんな嫉妬や葛藤の中で懸命に生きる女性像を通して、視聴者にパワーを与えるドラマになっている。連続ドラマ初主演のりょうを中心に、和久井映見鈴木砂羽が見せる本音の人間模様に注目。主題歌は矢井田瞳の「間違いだらけのダイアリー」(11月30日発売)。優しく見守るかのような“エール”が心にしみるはず。

     平成の刑事ドラマの金字塔『相棒』(テレビ朝日系/10月19日スタート/水・21:00〜<初回のみ20:00〜>)が第10シーズンを迎える水曜日には、ドラマ史上屈指の“感情のない人間”が登場する。それが『家政婦のミタ』(日本テレビ系/10月12日スタート/水・22:00〜)だ。料理・洗濯・掃除といった家事を完璧にこなすものの、ある事情で心に深い悲しみを抱き、まったく外に感情を表すことのない家政婦。そんな彼女が新しく派遣された先は、最愛の母親を失い、深い悲しみを自分たちの心に封印して、糸のように細い絆にしがみついて必死にもがいている家族。それを、部外者である家政婦が紐解いていく物語だ。笑顔を封印した松嶋菜々子がどんなスーパー家政婦ぶりを見せるのか、目が離せない。共演として長谷川博己相武紗季忽那汐里平泉成白川由美。『GTO』や『女王の教室』などで、インパクトのある主人公を鮮やかに構築してきた遊川和彦が脚本を担当。主題歌は斉藤和義。必死に前に進もうとする叫びにも似たメッセージが印象的な「やさしくなりたい」(11月2日発売)が、ほろ苦く胸に迫る。

     水曜深夜に硬派な作品がオンエアされる。『QP』(日本テレビ系/10月5日スタート/水・24:59〜<初回のみ25:29〜>)は、『クローズ』『WORST』などで人気のマンガ家・橋ヒロシによる、累計発行部数800万部以上の大ヒット作の実写ドラマ化。喧嘩に明け暮れる“QP キューピー”こと石田小鳥と、頭が切れ胸に野望を秘めた我妻涼(あずま りょう)のふたりの主人公を有する『QPキューピー』から、我妻涼に焦点を当てた『QP キューピー外伝』を元にしたストーリーとなっている。『クローズZERO』『十三人の刺客』などを撮ってきた鬼才・三池崇史をはじめとする演出陣が、暴力の世界で生きていくことを選んだ我妻涼と、彼をとりまく男たちの生き様を描く。我妻涼役に斎藤工、その仲間役で金子ノブアキ渡部豪太林遣都。オープニングテーマにレニー・クラヴィッツルッキング・バック・オン・ラヴ」(11月9日発売)、エンディングテーマにマキシマム ザ ホルモンブラック\パワーGメンスパイ」(アルバム『ぶっ生き返す』収録)という、歯ごたえのある組み合わせも楽しい。

    (文:田井裕規)

    ≫ 続きが気になる!? 木曜日はストーリー展開に期待 ※各放送局ごとに開始日・時間が異なります。詳しくはオフィシャルサイト等でご確認ください。
    ※主題歌情報は10/18時点の情報に基づきます。

  • ■2011年夏
     『バラエティ豊かな2011年夏ドラマ&主題歌!!』(2011/07/13)
    ■2011年春
     『みんなで投票☆おもしろい“春ドラマ”ランキング&観どころ紹介!』(2011/05/13)
    ■2011年冬
     『個性が際立つ力作が満載の2011年冬ドラマ&主題歌を紹介!』(2011/01/14)
    ■2010年秋
     『現代を生き抜くヒントが――2010年秋ドラマ&主題歌はコレ!!』(2010/10/13)
    ■2010年夏
     『“クール”に彩る各局自慢の連続ドラマ&主題歌を一気に紹介』(2010/07/14)
    ■2010年春
     『“クール”に彩る各局自慢の連続ドラマ&主題歌を一気に紹介』(2010/04/14)
    ■2010年冬
     『今の世に打ち勝つ、とびっきりの処方箋番組が満載!注目の冬ドラマ&主題歌』(2010/01/13)

    ▲このページの最初に戻る