ORICON STYLE

2010年04月14日
 暖かい風が吹き抜ける季節が訪れ、テレビの番組欄にも新しい顔が増えた。各局の思惑を胸に、その期待を一身に背負うこととなるのが、プログラムの“柱”、ドラマだ。この春もひと筋縄ではいかないユニークな視点のもの、頭に汗をかかせるパズル的要素のもの、見ごたえのある本格派、見終わったら誰かに話したくなる面白さ満点の1本など、個性が際立つ作品群が出揃った。主題歌というスパイスをたっぷりふりかけて召し上がれ!

あの人気ドラマの続編が“月9”に!!

 “春のドラマ前線”の中で最初にお茶の間にお目見えしたのが、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』(3月29日スタート/月〜土・8:00〜)。タイトルからもわかるように、人気漫画『ゲゲゲの鬼太郎』で知られる漫画家・水木しげる氏の妻・武良布枝さんの自伝に夫婦の半生を中心に、昭和の家族像、夫婦の絆などが丁寧に描かれていく。1961年の放送開始から50年目を迎えた連続テレビ小説が初めて放送時間を午前8時に移動したこと、水木アニメのキャラクターが合成で登場することなど、さまざまな新機軸が盛り込まれている点にも注目。主人公に松下奈緒、水木しげるを向井理が演じる。主題歌はいきものがかり「ありがとう」(5月5日発売)。伸びやかで爽やかで優しさに包まれたミディアムナンバー。「ありがとう」という言葉の中に込められた思いやりが、人生をより輝かせることにつながっていくという“愛”の原点を感じさせてくれる。1日のスタートに欠かせない曲となりそうだ。
 月曜日の目玉は何といってもフジテレビ系の“月9”。このクールに登場するのは木村拓哉(SMAP)主演の『月の恋人〜Moon Lovers〜』(5月10日スタート/月・21:00〜)。さまざまな職業を演じ分けてきた木村の今回の役どころは国内No.1シェアの大手家具会社に迫ろうという勢いのインテリア専門メーカーの敏腕社長。やり手であるがゆえに結果を出すことを厳しく求め、人との間に一線を引いていくという、木村のキャリアでは初となる“ヒール”的な雰囲気を漂わせる役柄だ。そんな主人公の前途に立ちはだかってくるいろいろな問題と、複雑に絡まってくる女性との恋の行方がストーリーの根幹を成していくわけだが、木村の相手役としてキャスティングされた女優陣も豪華。主人公と同窓生のインテリアデザイナー役に連ドラ久々の篠原涼子。偶然に出会う中国人女性役に、ワールドワイドな活躍を見せているリン・チーリン。そして、資産家の娘で容姿端麗な人気モデル役を大ブレイク中の北川景子が演じるという鉄壁の布陣。5月の訪れが待ち遠しくなる内容だ。

刑事・医療・探偵――注目の“ミステリー”が満載の火曜日

 一転して火曜日は“ミステリー”に満ちた1日となりそう。上戸彩が初の刑事役に挑むフジテレビ系『絶対零度〜未解決事件特命捜査〜』(4月13日スタート/火・21:00〜)は、2009年11月1日に警視庁内に新設されたばかりの『特命捜査対策室』を連続ドラマとして初めて舞台に設定。1話完結型で未解決事件の真相を追究していくというものだ。新設された実在の捜査体系がドラマに登場するというリアリティと、若き正義感溢れる新米女性刑事の奮闘ぶりが新鮮さを与えてくれるはず。上戸が所属する特命捜査対策室第4係の室長役に北大路欣也、チームきっての武闘派役に宮迫博之ほか、多彩な顔ぶれがアクセントをつけていく。『踊る大捜査線』『アンフェア』など異色の刑事ドラマを生み出してきたフジテレビが新たな歴史を作るか、注目したい。主題歌「Dry Town 〜Theme of Zero〜」およびオープニングテーマ「Shadow behind」を担当するのはLOVE PSYCHEDELICO(両曲ともに5月19日発売)。そのクールでスタイリッシュなサウンドがドラマのミステリー度を増幅させること確実だ。
 NHK『八日目の蝉』(3月30日スタート/火・22:00〜)は恋人に裏切られ、子どもを堕ろし、何もかも失ったヒロインが、血のつながっていない赤ん坊を奪い、我が子として育てようとする“逃走劇”を描いた重厚な1本。血のつながりを超えた“絆”と向き合いながら、新たな人生の選択に苦しむヒロインを壇れいが演じる。家族の絆が叫ばれる現代だからこそ、必要不可欠なドラマであり、胸に強く迫ってくる。さらに、そんなテーマを一層広げてくれるのが城南海(きずきみなみ)による主題歌「童神(わらびがみ)〜私の宝物〜」(4月14日発売)は、2000年に発表された古謝美佐子の感動作をカバー。オリジナルの風合いを損なわずに、ポップス色を絶妙に配した今作は一聴の価値あり。
 人気シリーズ第3弾のフジテレビ系『チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋』(4月6日スタート/火・22:00〜)は、現代医療の最前線である救命救急センターを舞台に、奇病から難病まで現代人を蝕むさまざまな病気を、徹底的に究明していく救命医たちの謎解き医療ミステリー。伊藤淳史仲村トオルのコンビを中心におなじみのメンバーが織り成す、医療問題と謎の究明は多くの感動を呼ぶことだろう。主題歌は松田聖子「いくつの夜明けを数えたら」(5月5日発売)。大切な人を想い愛する切ない気持ちをストレートに綴った珠玉のバラードにも涙してほしい。
 江戸川乱歩が生み出した名探偵・明智小五郎の孫が駄目探偵だったら。しかも、毎回自分自身が何者かに殺されてしまうとしたら・・・というとんでもない設定で、火曜の深夜をかき乱してくれるのがTBS系『三代目明智小五郎〜今日も明智が殺される』(4月13日スタート/火・24:55)。事件を解決することで、御先祖様に生き返らせてもらう心もとない主人公・明智中五郎役に田辺誠一。小五郎に仕えてきた小林少年の末裔で、死んだ後でも中五郎と会話ができる少女・小林めぐみ役に小池里奈。主題歌となるSunSet Swish「バライロ」(6月2日発売)がかもし出すどこかエキゾチックな匂いも相まって独特の雰囲気が病みつきになること間違いなし。

人気韓国ドラマからシリアスな社会派まで、見ごたえある水曜ドラマ

 根強い人気を誇る韓国ドラマ。各放送局で昼夜を問わず人気作が放送されているが、それら韓国発作品の決定打ともいえるドラマがTBS系の水曜9時に登場する。製作費15億円という巨大なスケールで制作され、韓国でも10年に1度の大作との呼び声が高い『IRIS―アイリス―』(4月21日スタート/水・21:00〜)は、日本でも大人気のトップスター、イ・ビョンホンが6年ぶりに参加したドラマということでも話題を巻き起こしており、日本、ハンガリーの海外ロケだけでなく、市や警察庁の協力のもと、ソウル市街地ど真ん中での異例なロケを敢行するなど、見どころ満載で新たな韓流ブームを築き上げそうだ。
 “母性”をキーワードに、女性たちが、それぞれの生きる道の中で自分を見つめ直し、生き方や幸せについて考え、女性として生まれてきたことに自信と誇りを持ち、前向きに明るく生きていく思いを探し求めていく、というヒューマニズムに溢れたテーマを打ち出したのが日本テレビ系の『Mother』(4月14日スタート/水・22:00〜)。産休の教師の代わりに小学1年生の担任を任された主人公が、家庭内暴力を受けている教え子を誘拐し、彼女の“母親”になるというサスペンス要素も含んだシリアスな内容。現代の病巣があらゆる角度から描き出されており、考えさせられる時間になるかもしれない。出演作が常に高い評価を獲得する演技派・松雪泰子の迫真の演技は必見。NHK連続テレビ小説『ウェルかめ』でヒロインを演じ注目を集めた倉科カナの出演にも期待したい。主題歌は、今年デビューのシンガー・ソングライターhinacoのデビュー曲「泣き顔スマイル」(6月2日発売予定)。優しさに溢れた心の応援歌ともいえるこの作品で、その底知れぬ実力を垣間見せてくれる。

(文:田井裕規)
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