ORICON STYLE

2010年10月13日
 記録的な暑さを忘れさせてくれる秋の到来。心地よくのんびりとテレビを楽しむことのできる季節の訪れだ。しばし、現実を忘れてドラマの世界へ……と思ってる人、ちょっと待って。ドラマよりもドラマティックな人間劇場が毎日どこかで繰り広げられているから。でもだからこそ、ファンタジーではなく“今を捉える”ためにドラマと接してほしい。現代を生き抜くヒントが散らばっているかも――秋のドラマは人間がスゴイ。もちろん、サイドにはテーマ曲を添えて――。

月9ならではの“究極の純愛”

流れ星(フジテレビ系) コブクロ NIKIIE

 この秋の新ドラマ、まずはNHK連続テレビ小説からご紹介。話題を集めた前作の『ゲゲゲの女房』の後を受けて始まったのが、広島・尾道と大阪を舞台に“お好み焼き”がもたらす人と人とのつながりを描く『てっぱん』(9月27日スタート/月〜土・8:00〜)。オーディションで選ばれた主役の瀧本美織の瑞々しい演技で、朝からフレッシュな気分が味わえるはず。安田成美遠藤憲一富司純子、ともさかりえといった安定感と味わいを持つ顔ぶれが脇をがっちりと固め、お好み焼きのような“ふっくら”とした手触りも保証。葉加瀬太郎が担当するテーマ音楽とともに、この半年間の朝の話題を独占する。

 月曜の定番“月9”では竹野内豊上戸彩共演による純愛ストーリー『流れ星』(フジテレビ系/10月18日スタート/月・21:00〜)が展開される。水族館に勤務する平凡な主人公と、兄の借金を返すために風俗で働くヒロインの物語は、自殺しようとしたヒロインを引き止めた主人公が、利害関係から契約結婚を申し込むことで運命の歯車が動き出す。彼女との真実の愛に目覚めた瞬間、自分が犯してしまった現実に苦しみ、究極の純愛に翻弄される主人公。ラブストーリーの宝庫、“月9”ならではの“究極の純愛”が描かれていくさまは必見。松田翔太北乃きい稲垣吾郎という豪華絢爛なメンバーとともにストーリーを盛り上げていくのもチェックポイントだ。加えて、涙ものの展開をさらに煽っていくのがコブクロ担当の主題歌「流星」(11月17日リリース)。透明感と切なさがこれからの季節に溶け込んでいくかのような、感涙必至のラブソング。同じく“月9”を彩ったあの「蕾(つぼみ)」の感動を超えるのか?

 新たにドラマ枠として設けられたテレビ東京系の月曜夜10時枠の第1弾として放送されるのが、伊藤淳史ARATA主演による『モリのアサガオ』(10月18日スタート/月・22:00〜)。温室育ちの新人刑務官が、配属された死刑囚舎房で出会った死刑囚との間に友情が芽生え、“償う”ことや“許す”ことを考えていく社会派ヒューマンドラマ。現代に薄れつつある絆をサイドテーマとして重厚な時間を味わうことができそうだ。女性シンガー・ソングライターNIKIIE(ニキー)のデビューシングルに収められる「幻想フォルム」(12月1日リリース「春夏秋冬」のカップリング)が主題歌に大抜擢。重厚かつ繊細ながらも迫力を感じさせる世界観は、今後注目したい存在だ。

社会派、ミステリー、ラブストーリーとバラエティに富んだ火曜ドラマ

『フリーター、家を買う。』(フジテレビ系) 『ギルティ 悪魔と契約した女』(フジテレビ系) JUJU

 さまざまなドラマを味わいたい人には火曜日のラインナップがオススメ。フジテレビ系の9時枠には二宮和也)主演の社会派ホームドラマ『フリーター、家を買う。』(10月19日スタート/火・21:00〜)が登場。就職に失敗後は夢なし、金なし、甲斐性なしという生活に落ちぶれて、家族からも冷ややかな目を向けられる主人公が、母親の病を境に自らを鼓舞し、家族を守るために奮闘する“人生の再生”が描かれていく。就職難、引きこもり、うつ病、家族の絆など現代社会が直面しているさまざまな現実を網羅した内容は、ある意味恐ろしくもあるが、今からでもやり直すのは遅くないという力強いメッセージは、壁の多いこの時代を生き抜く勇気を与えてもくれる。香里奈浅野温子竹中直人丸山隆平関ジャニ∞)といった個性的な共演者が脇を固める、有川浩原作のベストセラーの映像化。『僕の生きる道』や『Around40〜注文の多いオンナたち〜』など、時代を的確に反映した脚本で定評のある橋部敦子のシナリオにも注目。主題歌はの新曲「果てない空」(11月10日リリース)。ドラマと歌で現代にエールを送る。

 フジテレビ系では続く火曜10時枠に菅野美穂主演のミステリードラマ『ギルティ 悪魔と契約した女』(10月12日スタート/火・22:00〜)がスタンバイ。過去の冤罪を晴らすために復讐の鬼と化した主人公の“裏の顔”の恐ろしさと、自分のミスで後輩を死に追いやった1人の刑事の哀しさが醸し出す人生のコントラストに、いろいろな感情が押し寄せてくる1時間となっている。これまでの明るくけなげな印象とは一線を画す菅野の“復讐鬼”の表情は要注目。生きる意味を失った刑事に扮する玉木宏との間にどんな展開が待っているのかも楽しみだ。共演に吉瀬美智子唐沢寿明など旬な実力派が揃った。主題歌は、JUJU「この夜を止めてよ」(11月17日リリース)。EXILE「Ti Amo」などを手がけた松尾潔と、MISIA「Everything」を作った松本俊明による極上のバラードが涙を誘う。哀しくも恐ろしいこのドラマを切なく包み込んでいくことだろう。

 同じ火曜日10時枠のNHKでは大人のラブストーリーが繰り広げられる。鈴木京香を中心に深田恭子長谷川博己が絡んでいく『セカンドバージン』(10月12日スタート/火・22:00〜)は、45才のキャリアウーマンと、28歳の家庭を持つ男性との“危険な恋”が織り成す衝撃的な展開に目が離せなくなること必至。タイプの異なる鈴木と深田の2人の女優がどのように演じていくのか興味は尽きない。主題歌には、NHKのドラマでは初となる倖田來未「あなただけが」(9月22日リリース「好きで、好きで、好きで。」のカップリング)を起用。まっすぐで情熱的な歌詞が本編と絶妙にリンクする。

火曜深夜は、ゲーム&コミック発の“濃い”ドラマが彩る

RIZE 『黄金の豚−会計検査庁 特別調査課−』(日本テレビ系)

 火曜の深夜にはTBS系で“濃い”2本がオンエアとなる。まずは、真鍋昌平のコミックを原作とする『闇金ウシジマくん』(10月12日スタート/火・24:55〜)。タイトルからもわかるように、闇金融業を舞台に“格差問題”“ワーキングプア”など現代社会の闇とその闇の先にある光を描いた社会派ドラマだが、その主人公である強面の金融業者を演じるのは山田孝之。好青年や不良役など、1作ごとにさまざまな役柄を演じ上げ、絶対的な存在感を発揮する若き実力派が、今回は法定金利オーバーの闇金融の経営者という新境地に挑戦し、新たなダークヒーロー像を築いていく。共演に片瀬那奈崎本大海。主題歌を秋田出身のスリーピース・ロックバンド、が担当。「巣立ち」(11月3日リリース)は、現実社会と理想の狭間でもがく世代の成長と心情の昇華をテーマとした1曲だ。

 同番組の後ろの枠に放送されるのが、『クロヒョウ 龍が如く新章』(10月5日スタート/火・25:25〜<初回のみ25:55〜>)だ。2005年にプレイステーション2用ソフトとして発売されるや、迫力あるアクション、作り込まれた熱い人間ドラマなどの要素でシリーズ全5作400万本を出荷した大人気シリーズのテイストそのままに、若者たちを主人公にした熱いドラマとして組み立てられたプロジェクト。登場人物の人間ドラマに重きを置いた構成がなされる。ある殺人事件の容疑の無実を証明する為に戦い続け、真実を追い求めていく主人公に斉藤工。RIZEによる主題歌「MUPPET」(9月29日リリースアルバム『EXPERIENCE』収録曲)が男気をパワーアップさせる。

 水曜日の夜は、日本テレビ系『黄金の豚−会計検査庁 特別調査課−』(10月20日スタート/22:00〜)。近年一段と取りざたされるようになった税金の不正使用。日本人の誰もが問題視しているこの税金問題に、敢然と立ち向かうニューヒロインを描いた勧善懲悪ドラマ。税金を不正使用する悪人を懲らしめる会計検査庁の女調査員に、『ハケンの品格』以来3年半ぶりの連ドラ主演となる篠原涼子の新しい当たり役となる可能性は大。共演に、日本テレビの連ドラ初出演となる岡田将生をはじめ、大泉洋桐谷健太生瀬勝久宇津井健伊藤由奈による主題歌「守ってあげたい」(11月3日リリース)との相乗効果も期待できそうだ。

(文:田井裕規)
≫≫続きを読む



▲このページの最初に戻る