ORICON STYLE

2009年07月31日
 ロックファン待望『NANO-MUGEN FES. 2009』が7月19日と20日に横浜アリーナで開催された。MANIC STREET PREACHERSの出演キャンセルというアクシデントもあったが、そのぶん出演者の気合も増したようで、さらにビッグなバンドの登場にも観客は沸いた。

 19日は、モデスト・マウス が名付け親というUSインディーシーンでも活躍の【OGRE YOU ASSHOLE(オウガ・ユー・アスホール)】が、トップバッターとして登場。ハイトーンのボーカルとディレイの効いた独特なギターサウンド、オリジナリティ溢れる世界観に圧倒される。続いての【清 竜人】はアコギとピアノの弾き語りで、KDDI『au Smart Sports』のCMソングでも話題となった「Morning Sun」などを含む5曲を披露。ハスキーで切なげな、ナイーヴな歌声と乾いたギターの音色が似合っていた。叙情的な世界観に、観客はジッと聴き入っていた。海外からの1組目の【ナダ・サーフ】は心にグッと迫り来るメロディーと、シンプルながら力強くときにはノリノリで攻めるサウンド。パンク、ダブ、スカ、レゲエなど多彩なジャンルを飲み込んだ音楽性で人気の【ハード・ファイ】は、2作連続全英1位獲得のアルバム『Stars Of CCTV』、『Once Upon A Time In The West』からのナンバーを次から次へと披露して観客を沸かせた。

 アジカンメンバーによる【ベン・フォールズ】の魅力解説を挟んで、ピアノマンのベン・フォールズが登場。ピアノ、ドラム、ベースの3人編成。中腰状態でピアノの鍵盤を弾くパフォーマンスは圧巻だ。ポップからジャズ、バラードとサウンドは幅広いが、聴き心地の良いメロディーが耳にしっくり来た。「NOT THE SAME」では、観客にコーラス指導をして会場全体でハモる。これには観客も大喜びだったが、ピアノに飛び乗って指揮を執るベン・フォールズもニコニコ顔だった。

 この日もっとも注目のバンド、細美武士の新プロジェクト【the HIATUS】の出番となると、ギューギュー詰めの満員で、場内は一気に熱気を帯びた。昨年、ELLEGARDENとしての最後の出演を果たしたとき後藤が「いずれまた会える」と言っていたが、それが早くも実現。「ナノムゲン、初めまして」と新たな気持ちで挑んだ細美。アルバム『Trash We'd Love』から「Ghost In The Rain」「Lone Train Running」など9曲を披露。ブリブリ唸るウエノコウジのベースに、軽やかに奏でられる堀江博久のキーボード。繊細でスケールの大きなサウンドは、エルレとは明らかに違う、細美武士の今をきっとみんな感じたはずだ。

 来日を待ち望まれた【マニック・ストリート・プリーチャーズ】。今回残念ながらキャンセルとなったが、喜多建介が大学生のときに初めて感動した話などマニックの思い出話と、メンバー厳選によるマニックスのライブ映像を上映。そして、3回続けての出演ですでにレギュラー化した【ヤング・パンクス】が登場すると、場内はクラブ状態になった。アゲアゲ、ブリブリとはまさにこのこと。アジカンの「アンダースタンド」をクラブ仕様でカバーした「Rock Star(Understand)」など披露して盛り上げた。

 そして、いよいよ【ASIAN KUNG-FU GENERATION】が登場し、新曲「夜のコール」でステージはスタート。間髪入れず「アフターダーク」「センスレス」と続き、観客のテンションも上がる。それに応えるように後藤は何度も「ウォー!」と雄叫びを挙げた。ギターの喜多建介がボーカルをとる「嘘とワンダーランド」や、リクエストアンケート1位になった「絵画教室」を演奏し観客を沸かせたほか、マニックスが急遽キャンセルになった分ということで「ワールド ワールド ワールド」など演奏曲をさらに追加して、全17曲を披露。MCではキャンセルになったマニックスについて、本当に残念そうに語った。「(マニックスの)ライブ映像に拍手してくれているお客さんがいて、すごく良いなと思った。(ちょっと泣きそうになりながら)勝手に感極まってますけど(苦笑)。(ナノムゲンは)他のフェスとは違うものになった。こういうフェスにしたかった」と、フェスとしての成長を実感したようだった。

 初日のトリを務めたのは【ストレイテナー】。「(昨年出たときに)来年はトリをやってもらうから、と言われてて。本当にトリやらされました(笑)」とホリエアツシ。「Ark」や「PLAY THE STAR GUITAR」などアッパーな曲を中心に、キーボードを弾きながらしっとり歌った「Lightning」もあったり、「SIX DAY WONDER」など人気曲もがっつり。そしてファンには嬉しい新曲「CLONE」の披露もあった。「信念と努力でもって成功できるのは、ほんのひと握りの人だけ。そんな信念と努力でやって来た連中と同じステージに立てるのは嬉しい」と再びホリエ。アンコールでは、そんな信念と努力の両雄、アジカン&テナーの友情を物語るようなスペシャルコラボが実現。アジカン後藤が演奏に加わり「ゴッチレイテナーです(笑)」と自己紹介し、「KILLER TUNE」をスペシャルセッションした。初日を盛大に締めくくるのに最高の選曲。この日、訪れた観客にとっても忘れられない一夜になったことだろう。

(写真:中河原理英、TEPPEI)
(文:榑林史章)

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発売日:2009/07/01[アルバム] 価格:\2,520(税込)
キューンレコード 品番:KSCL-1407

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