ORICON STYLE

2008年06月18

『世界7大都市を魅了したツアーの東京ドーム公演をレポート!』

上海、台北、パリ、ソウル、香港。日本のバンドとしては最大級の世界ツアーとなった『TOUR2008L'7〜Trans ASIA via PARIS〜』。その凱旋公演として行われた東京ドーム3daysでL'Arc〜en〜Cielは、さらにスケール・アップしたライヴ・パフォーマンスを見せつけた。

バンドの在り方を、改めて実感したステージ

 午後6時10分、今回のツアー映像がスクリーンに映し出される。“4人のメンバーが船に乗り込み、世界中の海を駆け回る”というイメージの映像が終わると、ついにライヴが幕を開けた。海賊船を思わせるステージから放たれるのは、圧倒的な高揚感をたたえた「REVELATION」。地鳴りのような歓声のなか、4人はがっちりとタイトなアンサンブルを響かせていく。さらにyukihiroのエイト・ビートが火花を散らしながら疾走する「Pretty girl」。最新作『KISS』の中でも、もっともアッパーで華やかな雰囲気を持つこの曲によって、会場はさらにヒート・アップ。さらに1996年のアルバム『True』から「Caress of Venus」。kenが楽しそうに腰を振っている。

 そう、ちょっと懐かしめの曲がセットリストに入っていたことも、今回のツアーの特徴だろう。特にミディアム〜スロウ系のナンバーを集中させた中盤に、その傾向ははっきりと現れていた。ダーク&ゴシックな音像とエレクトロ系のトラックを融合させた「get out from the shell」、深く、重いビートとあまりにも麗しいメロディーが体の中に心地良く入り込んでくる「THE NEPENTHES」――この2曲はアルバム「REAL」(2000年)の1曲目、2曲目でもある――そして、憂いを帯びたhydeのサックスが印象的だった「LORELEY」(1998年のアルバム『HEART』に収録)のどこか官能的な響きも、オーディエンスを完璧に魅了していた。

 「SEVENTH HEAVEN」からスタートする後半は、空気を一変させ、怒涛のアッパー・チューンを連発。「跳べ!跳べ!跳べ!」と会場を煽りまくるhyde、笑顔を浮かべながら、奥深い構築美を感じさせるギターフレーズを生み出すken、メロディックなベースラインで楽曲に深みを与えていくtetsu、正確無比にして強烈なダイナミズムを持つリズムをたたき出すyukihiro。ひとりのカリスマがバンド全体を引っ張るのではなく、卓越した技術と高いミュージシャンシップを持つメンバーが予想を超えたケミストリーを生み出していく。L'Arc〜en〜Cielというバンドの特別な在り方を、改めて実感した瞬間だった。

バンドの魅力を多面的に描き出したツアー

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 海賊船型ステージがアリーナ後方に移動してのP'UNK〜EN〜CIELのパフォーマンスは、いつも以上の臨場感をまといながら、オーディエンスを熱狂させていた。
  さらにメインステージに戻り、「宇宙初披露だよね」(hyde)「あ、そうや」(tetsu)という新曲「NEXUS 4」を披露。「MY HEART DRAWS A DREAM」では、会場全体が「夢を描くよ」というリフレインを合唱。「こういことって、(お互いを)信用してないとできないよね。そう、俺たちはつながってる・・・ちょっとクサイけど、愛に溢れてるよね」というhydeのMCもきっと、1人ひとりの観客の胸に深く刻まれたはず。そして、ラストの「星空」における、体が震えるようなスケール感、狂気にも似た美しさといったら・・・。ロック・バンドとしての強度とアートフォームとしての完成度を奇跡的なバランスで実現したこの曲は、このバンドの凄さをダイレクトに示していたといえるだろう。ドームの天井に映し出された星空も、本当にきれいだった。
 キャリア全体を俯瞰(ふかん)しながら、バンドの魅力を多面的に描き出した今回のツアー。4人にとって何度目かのターニング・ポイントとなるツアーを経て、L'Arc〜en〜Cielはさらなるステージへと進んでいくことになるはずだ。

(文:森朋之)

■PROFILE

hyde(Vo)、ken(G)、tetsu(B)、yukihiro(Dr)の4人。
1991年、tetsuを中心に大阪で結成。
1993年4月27日、1stアルバム「DUNE」をリリース。インディーズシーンを席巻する。
1994年7月、ビデオシングル「眠りによせて」でメジャーデビュー。
1996年12月12日、アルバム「True」で初の首位を獲得。ミリオンヒットとなる。
それ以降もヒット作を連発。史上初のシングル3枚同時リリースや2度のシングル1、2位独占など常にミュージックシーンを賑わしている。各メンバーのソロ活動も活発で、アメリカ、アジア各国でも活躍。
2004年、アメリカでライヴを行う。同年12月8日、DVD「LIVE IN U.S.A.〜at 1st Mariner Arena July 31, 2004〜」をリリース。
2005年9月、韓国・中国・日本を回るツアー『ASIALIVE 2005』を行い、2006年6月21日、その模様を収めたDVD「ASIALIVE 2005」をリリース。
2006年8月30日、8cm初期シングル15タイトルを12cm化リリース。
2006年11月25日、26日、結成15周年を記念した「15th L'Anniversary Live」を東京ドームにて行う。
2006年12月13日、アルバム「ark 15th Anniversary Expanded Edition」「ray 15th Anniversary Expanded Edition」をリリース。
2007年、シングル「SEVENTH HEAVEN」「MY HEART DRAWS A DREAM」「DAYBREAK'S BELL」「Hurry Xmas」、DVD「15th L'Anniversary Live」「CHRONICLE 3」、アルバム「KISS」をリリース。
2008年4月2日、シングル「DRINK IT DOWN」、DVD「Are you ready? 2007 またハートに火をつけろ! in OKINAWA」をリリース。
2008年4月19日から6月8日まで、『TOUR 2008 L'7〜Trans ASIA via PARIS〜』を世界7大都市10公演で行う。

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