ORICON STYLE

2007年04月18日
2007年 春 ドラマ主題歌特集
ベテランから旬のアーティスト、期待のニューフェイスまで楽しみなラインナップ

注目株の女性アーティストが席捲
 まずは女性アーティストが歌っている主題歌から。次々と新たな才能が台頭してきているが、この春ドラマ主題歌からもビッグヒットが生まれそうな予感。木曜10時からのドラマで2組の実力派が正面からぶつかる。TBS系『孤独の賭け〜愛しき人よ〜』(伊藤英明、長谷川京子主演による、人間の欲望と愛憎を描いた作品)の主題歌「孤独のカケラ」を歌うのは、これが初のドラマ主題歌挑戦となったアンジェラ・アキ。着実なステップアップのなかで一層の磨きがかかった叙情性と包容力が見事なまでに実を結んだ1曲。心の奥底から震わせてくれるドラマチックな仕上がりにただただ感動する。

 一方、同じ時間帯にフジテレビ系で放送される『わたしたちの教科書』(菅野美穂演じる弁護士が学校の闇と闘う姿を描く社会派ドラマ)の主題歌を担当したのはBONNIE PINK 。彼女にとって久しぶりのバラードとなった「Water Me」は人間の本質に鋭く踏み込んだスケールの大きな楽曲。同居する脆さと強さを高らかに歌い上げた、胸を熱くするナンバーだ。こちらもドラマ主題歌を歌うのは初の試み。

 テレビ朝日系『生徒諸君!』(金曜9時/内山理名が公立中学校の新任教師となり、教育へ情熱を注ぎ奮闘する“教師編”)の主題歌に決まったのは、YUIの「My Generation」。女性層に高い支持を持つ原作と、同じく女性層にまで多くのファンを広げているYUIの音楽がコラボレート。16才をテーマにした疾走感溢れるサウンドに底知れないソングライティングの才能を感じさせられる。

 火曜10時台は、今回の主題歌で堂々のデビューを飾る注目株の女性アーティストが席捲。『デスノート』の松山ケンイチの主演で話題の日本テレビ系『セクシーボイスアンドロボ』(7色の声を持つ少女とオタク青年が大冒険を繰り広げる、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞作のドラマ化)の主題歌はみつきの「ひとつだけ」。コブクロの小渕健太郎がその歌声に魅了され、プロデュースを買って出たほどの実力が炸裂する。伸びやかで深みがある表現力は15才のレベルではない。とにかく聴くべし。

 フジテレビ系の火曜日10時『鬼嫁日記 いい湯だな』(観月ありさとゴリ主演による『実録鬼嫁日記』のドラマ化第2作。今回は設定を一新し銭湯が舞台)の主題歌「Again」を歌うのは現役大学生の谷村奈南。ジャズテイストを感じさせる低音域の響きと豊かな声量は必聴。可能性の高さを感じさせる19才の歌姫だ。
アンジェラ・アキ
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BONNIE PINK
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YUI
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みつき
谷村奈南
ドラマ出演アーティストが主題歌を
V6「ジャスミン」
上戸彩
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織田裕二
 ドラマに出演しているアーティストが主題歌を担当しているケースが多いのも今クールの特徴だ。土曜9時から日本テレビ系で放送される『喰いタン2』(東山紀之演じる食いしん坊探偵が、味覚と胃袋を武器に難事件を解決するヒットシリーズ)は、主演の東山に、森田剛、須賀健太を加えたスペシャルユニット“トリオ・ザ・シャキーン”が主題歌「愛しのナポリタン」を歌う。ドラマの設定を抜け出して登場するバーチャルソングに思わずお腹が反応してしまうかも。

  井ノ原快彦が出演しているテレビ朝日系水曜9時『警視庁捜査一課9係』(個性的なメンバーが、難事件解決に奔走する好評シリーズのセカンドシーズン)は、前シーズンに続いてV6 が主題歌を担当。「ジャスミン」は爽やかさとひたむきで前向きな姿勢がすがすがしい楽曲だ。

 日本テレビ系水曜10時からの『バンビ〜ノ!』(東京のイタリアンレストランを舞台に、修業に励む青年の成長を描く。主演の松本潤の博多弁&イタリア語にも注目)はによるポップチューン「We can make it!」が主題歌。2作連続ドラマ主題歌に抜擢された嵐が、“なせばなる”という力強いメッセージを爽快に歌い上げた、この季節にぴったりのナンバーだ。

 田中聖主演の青春コメディ『特急田中3号』(TBS系金曜10時)はKAT-TUNの「喜びの歌」が主題歌。ありったけの衝動を叩きつけたような感情のほとばしりとドライブ感に満ちたサウンド、まっすぐに突き抜けていく、“等身大の青春の歌”がまぶしく愛しい。田中のラップとの相性も抜群だ。

 韓国のヒットドラマをリメイクした『ホテリアー』(テレビ朝日系木曜9時)の主題歌「涙の虹」を歌うのは主演の上戸彩。上戸本人が大切に歌いたいからと温めていた渾身のバラードに自身初の作詞(共作として90年代に一世を風靡した橘いずみ=現・榊いずみ)で挑む。ストレートで切ない愛の言葉が胸を打つ。

 TBS系日曜劇場(日曜9時)で上野樹里、大竹しのぶらを相手に初のホームコメディに挑戦した織田裕二は主題歌「Hug, Hug」を。レゲエテイストが効果的なピースフルな作品に仕上がった。心がささくれた時に効果てきめんな1曲。
ベテランならではの奥深い歌詞
 武田鉄矢も主題歌を歌う。TBS系木曜9時の武田主演『夫婦道』(茶園業を営む熟年夫婦と一男三女を描いたホームドラマ)を彩るのは海援隊「早春譜」。ベテランならではの奥深い歌詞に、熟年世代の持つ“惑い”へ一石を投じるような毅然としたスタンスを見る。

 ベテランをもう1組。5年ぶりとなる桑田佳祐のソロ作品「明日晴れるかな」がフジテレビ系“月9”『プロポーズ大作戦』(山下智久と長澤まさみが高校生から社会人になるまでの7年間を演じる、タイムスリップ型ラブコメ)の主題歌としてオンエアされている。悩みや挫折にぶつかっても自分を信じることで必ず道は開けてくると歌う、希望と愛に満ちたスケール感のあるバラード。ドラマでハラハラして、主題歌でホロリとして欲しい。

 深夜枠にも話題作がいっぱい。大好評だった前シリーズを受けて復活した『帰ってきた時効警察』(テレビ朝日系金曜11時15分/オダギリジョーのゆる〜い演技が光る“春ドラ期待度No.1”作品)に、戸田恵梨香主演の『ライアーゲーム』(フジテレビ系土曜11時10分/大金を争奪する謎のゲームに巻き込まれた大学生が、天才詐欺師の力を借りながらゲームを勝ち抜いていく心理サスペンス)にも注目だが、テレビ東京系金曜深夜0時12分からの『エリートヤンキー三郎』(2人の兄が支配する不良高校に入学し、いきなり「大物ヤンキー」に祭り上げられてしまった普通の高校生の学園生活をコミカルに描いた人気マンガのドラマ化)も傑作。オープニングテーマの熊猫xiongmao 「さくら」は、日本語と中国語がミクスチャーされたメロディックロック。その勢いに圧倒されること受け合いだ。
(文:田井裕規)
海援隊
桑田佳祐