ORICON STYLE

2005年07月15日

 開演時間をまわってふくれあがった場内の照明がフッと落ちる。8バンドの先頭をきって現れたSPARTA LOCALSが、会場に漲る期待を受け、一曲目「ピース」を演奏し始めた。周囲には彼らの音楽を初めて聴くという人もいたが、独特の歌声とリズム感が“くせになる”と信奉者も多いスパルタ流ロックに皆いきなりノックダウン。続いて非常にポップな曲「夢ステーション」が演奏されると、観客はもうノリノリに! 「黄金WAVE」「GET UP!」と続き、MCへ。ボーカルの安部コウセイ、話し声は歌声と違ってとても普通だが、いきなり「みんな、酒飲んでるー?」とおかしなあおり。いやいや、未成年もいますので…、と突っ込む間も与えず、次の曲「ロックとハニー」へ。この曲をじっくり聴かせた後、「トーキョウバレリーナ」で盛り上げ、「彼氏彼女と来てる皆さん、キスしてください!」と振ってラブ・バラード

SPARTA LOCALS
「FLy」を披露、最後は安部が「全員が踊る必要がある!」と宣言した「ウララ」を、皆でウキウキと踊って終わった。

ELLEGARDEN

 続いてBステージではFARRAHが登場し、「Tongue Tied」など10曲を披露した後、Aステージに戻ってELLEGARDEN。アルバム『RIOT ON THE GRILL』が驚異のロングヒットを見せるなどノッているバンドだが、それにしても観客の盛り上がりの凄さにはびっくり。「Supernova」で始めた彼ら、イントロからアリーナ全体が異常な熱狂。数曲を経て、割れんばかりの歓声が飛び交う中、細美武士(Vo)のよく通る澄んだ声が響き渡る。「あはは、分かった、お前らが元気なのはよく分かった!」そして会場を静めた後、真剣に話し出した。「あのさー、アジカンのメンバーは普段すげえ普通でさ。でも(アジカン企画のフェスに)こんなに人集まるわけじゃん。何か変えられるかもしんねえと思ったよ。」アジカンとの仲の良さが分かるこの言葉は、音楽の持つパワーを実感させてくれた。そして歌われた名曲「Missing」。
ここで感動しなかった人はいないのでは? その後「Red Hot」など3曲を歌い上げた細美は、客席を振り返ることなく誰よりも早くステージを降りていった。

 しばらくELLEGARDENの余韻が冷めなかったが、普段あまりトークをしないアジカンの伊地知潔(Dr)と山田貴洋(B)がBステージに登場し、会場を沸かせる。INDUSTRIAL SALTの魅力を紹介し、彼女たちの出番に。「ループ&ループ」のカヴァーなど9曲を演奏。そしてAステージでDOGS DIE IN HOT CARSが10曲を披露すると、Bステージに現れたのは、2年連続NANO-MUGEN FES出演となるストレイテナー! 登場するなり、準備運動とばかりにドラムを叩くナカヤマシンペイ。それだけでギャー!とすごい歓声。まず「REMINDER」「A SONG RUNS THROUGH WORLD」「泳ぐ鳥」が演奏され、「俺たちストレイテナーと言います。よろしくお願いします。」とホリエアツシ(Vo&G)が一言いうと、また曲に戻る。彼らのMCは短く、ただひたすらに持ち味のシンプルなロックをかき鳴らす、そのストイックさがカッ

ストレイテナー
コイイ。「WHITE ROOM BLACK STAR」、「TENDER」などが演奏され、「ASHとアジカンに余力を残さないくらい踊り狂ってください。」というMCをはさむと、「KILLER TUNE」では会場が壊れんばかりの狂いっぷり。そしてラスト、いつものようにナカヤマがドラムの上に立ち上がって両手を上げると、観客も両手を振り上げ、それに応える。ステージと観客が一体となった会場で、ストレイテナーの圧倒的なライヴ力を再確認した。
 そしてAステージに登場したのはイギリスのトップバンドASH。アジカンも憧れのバンドだという彼ら、さすがに貫禄のパフォーマンスを見せてくれた。

ASIAN KUNG-FU GENERATION

 そうなると、ラストBステージ、ついに登場するのがASIAN KUNG-FU GENERATION!! これだけの豪華メンバーが揃ったこのフェスでも、やはり会場中が待ち望んでいたのはこのバンド! アリーナはものすごい人で埋まり、皆一点を見つめている。赤い光に照らされたステージに4人の姿が浮かび上がると、最初の曲「振動覚」が演奏される。“これだー!”と言わんばかりに会場がうわっと盛り上がり、その勢いに乗って「リライト」、「ブラックアウト」、「サイレン」と続いた。ここで後藤正文(Vo)のMCが入る。「いやー、ほんと嬉しいよ。これだけの人が集まってくれて。そして素晴らしいバンドがいっぱい出てくれて。」そう言って、感謝の気持ちを噛みしめるように出演バンドの名前を全てあげていく。そして「音楽ファンが増えて、こういう楽しい、あったかい気持ちがループしていくことを願います」と言って始めた
「ループ&ループ」。楽しい気持ちがまさに会場中でループして、続く「アンダースタンド」「君という花」と、最高潮の盛り上がりの中、温かい空気が流れる。そして「遥か彼方」「Hold me tight」など5曲が演奏され、アンコールへ。後藤は「ありがとう、今日ここに集まってくれて、すげー本当嬉しいです。」と、再び感謝の気持ちを述べる。この日の後藤は何度口にしたか分からないほど「ありがとう」を繰り返していて、そこには音楽と、そこに集う人たちが大好きだという純粋な気持ちを感じた。「(地球規模での)世界では色んなことがあって、それは変えられるか分からないけど、皆の目から見てる世界っていうのは、いくらでも変えようがある。音楽で皆の見てる世界が塗り替えられたらいいなと思います。」そうして、決意も新たに後藤は言ってくれた。「またNANO-MUGEN FES.やります!」大きな拍手の中「フラッシュバック」「未来の破片」と演奏され、奇跡の祭典は終演した。

 音楽って本当にいいものだな、と改めて感じさせてくれたこのNANO-MUGEN FES。終わったばかりだけど、もう次回が待ちきれない!

[ 写真:TEPPEI 、土田和彦(Kazuhiko Tsuchida) ]

ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION

ASIAN KUNG-FU GENERATION presents
NANO-MUGEN COMPILATION
Various Artists
2005/06/08[アルバム]
\2,310(税込)
キューンレコード
KSCL-827

【楽曲情報】
1.Burn Baby Burn/ASH
2.ブラックアウト/ASIAN KUNG-FU GENERATION
3.I Love You 'Cause I Have To/DOGS DIE IN HOT CARS
4.Bored Of Everything/ELLEGARDEN
5.Tongue Tied/FARRAH
6.SUGAR BOMB BABY/INDUSTRIAL SALT
7.ロックとハニー/SPARTA LOCALS
8.WHITE ROOM BLACK STAR(Stout Version)/STRAIGHTENER