ORICON STYLE

2005年04月20日
 
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 昨年6月にリリースした『夏雲ノイズ』が、1stアルバムにしてオリコンチャート初登場2位を記録。その直後の1stツアー『夏雲ノタビ〜日本公演〜』は全公演即日ソールドアウト、その間に発表した4thシングル「冬の口笛」(04年11月発売)も大ヒットさせるなど、一躍ブレイクを果たしたスキマスイッチから待望のニューシングル「全力少年」が届いた。大橋卓弥と常田真太郎、2人のメロディメイカーとしての豊かな感性のぶつかり合いが、またしても極上のナンバーを作り上げた。
 「全力少年」は、清々しいアップテンポナンバー。豪華なストリングスとホーン、優しい音色のハープ、そして常田の軽快なタッチのピアノがメインとなって、サウンドに立体的な厚みを出している。例えるならば、広大な草原を駆け抜け、鼓動が高鳴るイメージだ。そこに存在感のある大橋のヴォーカルが加わることで、より透明感を増していく。その声をバックアップするどんなにさりげない楽器でさえも、曲のトータルイメージを見据えて緻密にアレンジされているところが、いかにもスキマスイッチらしい。これこそが珠玉のポップスだ。
独特のセンスはタイトルや歌詞にもにじみ出ている。アルバム"夏雲ノイズ"のような、2つの単語を合わせて造語を作るのが得意な彼らは、今度は"全力少年"という言葉を造った。そのネーミングからも連想できるように、若さゆえの真っ直ぐな行動力と情熱が詞のテーマ。誰にでも前だけを見てガムシャラに突っ走っていた少年のころがあった。それが大人になり、社会生活の中で、いつの間にか生まれていた閉鎖的なプライドが邪魔をして、1歩を踏み出せない現在の自分がいる。それでも「全力少年」は、根拠のない自信に満ちあふれて全力疾走していたころを思い出させ、希望に満ちた恐れのない明日へ踏み出す勇気をくれる。今までは、詞の物語を支える情景を描いてきたスキマスイッチが、珍しくメッセージ性を前面に出している。その傍らで、彼ら自身をも奮い立たせようとしているのかもしれない。
 カップリングには、デビュー前にもライヴで演奏していた「さみしくとも明日を待つ」を収録。シングル「冬の口笛」のインタビューで常田が言っていた「次はギターをフィーチャーしたい」という希望が叶い、厚みのあるエレキギターを入れて重さと渋みを出した曲だ。その世界観をより際立たせるためにGRAPEVINEがレコーディングにゲスト参加した。彼らの硬派なギターロックと、唄心にあふれたスキマスイッチのオリジナリティとが見事にマッチし、サウンドに奥深さを出している。特にギターソロからサビ、エンディングにかけてのドラマチックな展開は感動的。ほかにも、ガットギターとオルガンによるトラディショナルなインストゥルメンタルの「花曇りの午後」も聴ける。
 どの曲も、ソングライティングとアレンジングにおいてブラッシュアップされた感が強い。スキマサウンド最大の要である大橋のヴォーカルを引き立てるため、そしてスキマスイッチの音楽を聴き手の心へ染みこませるために、全力を注ぐ情熱は並大抵でないことを改めて思い知らされた。紛れもなく彼らは"全力少年"である。
(文:井桁学)



1999年に結成された大橋卓弥、常田真太郎の愛知県出身の二人によるユニット。
2002年8月、『AUGUSTA CAMP 2002』のサブステージに出演。圧倒的なパフォーマンスで多くの観客を魅了する。
2003年7月、シングル「view」でメジャーデビュー。
2003年9月、アルバム『君の話』をリリース。
2004年3月10日、シングル「奏」をリリース。
2004年6月16日、シングル「ふれて未来を」をリリース。
2004年6月23日、アルバム『夏雲ノイズ』をリリース。アルバムチャートで、自己最高の2位を獲得。
2004年11月24日、シングル「冬の口笛」をリリース。シングルチャートで6位を獲得。
2005年4月20日、ニューシングル「全力少年」をリリース。

【楽曲情報】
01. 全力少年
02. さみしくとも明日を待つ
全力少年【初回生産限定盤[CD+DVD]】
スキマスイッチ
2005/04/20 [シングル]
BMGファンハウス
AUCK-19908/9 \1,575(税込)


全力少年【通常盤[CD]】
AUCK-19007 ¥1,260(税込)

03. 花曇りの午後<instrumental>
04. 全力少年<backing track>
NTTドコモ関西 CMソング
NTV系「音楽戦士MUSIC FIGHTER!」4月度オープニング・テーマ