ORICON STYLE

2005年04月13日
 浜田省吾の新曲「光と影の季節」は、前作「君に捧げるlove song」以来1年半ぶりとなる、まさに垂涎の作品。昨年は朋友のサウンド・プロデューサー水谷公生、新進の作家・春嵐との音楽制作ユニット“Fairlife”として、多彩なボーカリストと交流しながら平和への強い祈りを込めた楽曲を届けてくれたが、ソロとしての表だった活動は行っていなかった。それだけに、ビッグネーム浜田省吾の始動は、ファンの渇きを潤すだけでなく、ミュージック・シーン内外の大きな注目を集めるのだ。そしてその気になる中身だが…。
 アコースティック・ギターの力強いストロークで幕を開け、シンプルで、だけど骨太なバンド・サウンドが追随するイントロが流れ出した瞬間、背筋に電気が走るほどの衝撃に見舞われる。なぜなら、あらためて原点に回帰したかのような、浜省テイスト全開の王道的ロック・チューンだからだ。そこに小細工はない。耳馴染みのよいメロディからは揺らぐことのない自信が漲り、“君に逢いたくて戻ってきたよ/〜長い旅の途上で夢見た季節”と歌う言葉に、今の彼の偽らざる心境が表れている。そう、彼はいまだ“on the road”、つまり旅の途中にいるのである。どれほどのキャリアや、他に真似のできない実績を積もうとも、彼はライブを通して新たな出会いや見果てぬ夢を追い求めて再び旅に出るトラベリンマン。さらにc/w には、1978年にリリースした3rdアルバム『Illumination』のラストを飾った、彼のステージには欠かすことのできない名作「Midnight Blue Train 」の2005年バージョンを収録。そうした、新旧の佳曲をとおしてミュージシャンとしての基本姿勢をことさらに打ち出したところに、ただならぬ決意を感じ取ることもできる。
 この新作の意味合いは、単なる久々の新曲発表にとどまらない。資料によれば、今年2005年は彼がバンド“AIDO”としてデビューしてから30年目にあたり、来年2006年が、ソロ・アーティストとしてデビューして30年目にあたるという。その大きな節目にもなりそうなアニバーサリー・イヤーという事実が、彼をどれほど駆り立てているのかは定かではないが、今作の発表以降、6月には早くも新曲を、夏にはオリジナルとしては約4年ぶりとなるアルバムをリリースし、9月には全国ツアーもスタートさせるなど、ここ数年の中ではもっとも躍動感に溢れている。そんな浜田省吾の今年、そして来年を占う意味においても、この新曲の存在はとてつもなく大きい、そんな気がする。
(文:轡田昇)
1952年12月29日、広島県竹原市に生まれる。
1973年、広島時代の音楽仲間と共に“AIDO”を結成。
1975年5月1日、アルバム『AIDO』とシングル「二人の夏」で、CBS SONYからデビューしたが9月末には脱退。
1976年4月21日、アルバム『生まれたところを遠く離れて』、シングル「路地裏の少年」でソロデビュー。
1986年、2枚組のアルバム『J.BOY』で初の首位獲得。
1992年2月、シングル「悲しみは雪のように」で初の首位獲得。CX系のTVドラマ『愛という名のもとに』の主題歌として起用され160万枚のセールスを記録。
1993年9月6日、アルバム『その永遠の一秒に』で首位獲得。
1995年4月26日、初の写真集『ROAD OUT』をリリース。
同年、浜田省吾のレーベル“CLEAR WATER”を設立。
1996年11月11日、アルバム『青空の扉』で首位獲得。
2000年11月8日、アルバム『The History of Shogo Hamada “Since 1975”』で首位獲得。
2001年8月22日、アルバム『SAVE OUR SHIP』で2位獲得。
2005年4月13日、シングル「光と影の季節」をリリース。
光と影の季節
浜田省吾
2005/04/13[シングル]
\1,020(税込)
SME Records
SECL-180
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楽曲情報
01.光と影の季節
02.Midnight Blue Train 2005