ORICON STYLE

2005年02月23日
 現在『ORANGE RANGE LIVE TOUR 005“musiQ”』で全国ツアー中のオレンジレンジであるが、発売と同時に16本全てチケットは完売、早くも追加公演の幕張メッセが決定してしまった。アルバム『musiQ』は既に250万枚を突破してしまうし、なんかもう「オレンジレンジにあらざる者、人にあらず」的なムードまで漂っている。
 となると周りの大人達もこりゃもう大変で、例えば今回のツアーは音専誌が全国各地に入り乱れての、大取材競争が繰り広げられつつある。初日の2/10市原は唯一「取材無し」の平和協定が結ばれてたはずが、追加公演発表の絡みから某誌独占で「最速」レポートをモノにできたり、ならばと某誌は初日を除く全公演に別々のライターを送りこんで「完全」レポートを企画したり――凄いな皆。
 2日目の2/12仙台なんて軽く10誌以上が集結してて、気分はほとんど東京だったしなあ。と客観的な言い方をしてる私も、実は市原と仙台に既に赴き、この後も高松、渋公、沖縄、幕張と行くことになってるらしい。夏休みのラジオ体操か。わはははは。
 さてそのライヴの内容なのだが、バンド自体が恐ろしく充実してるのがわかるステージを展開している。
 そもそもあの『musiQ』自体が、Wミリオンも売れること自体がおかしいアルバムなのだ。6人共、そう思ってる。
「コレ全19曲共好きな人って、いるわけないですよね?(苦笑)。きっと皆バラバラに好きな曲が3曲ぐらいはあると思うんで、飛ばし飛ばしで聴いてもらえばいいっスよ。無理しないで。くくく」(HIROKI)
「こんなに売れたのは、間違いですよ(笑)。絶対世の中おかしいですよ!」(YAMATO)
「……変っスよね?(微笑)」(KATCHAN)
「ここまで売れちゃうと、嬉しいと思うしかないです(苦笑)」(RYO)
「“花”聴いてアルバム買った人、絶対驚きますよね『ええーっ』って(嬉笑)」(YOH)
「次は絶対こんなに売れません(不敵笑)」(NAOTO)
 オレンジレンジが誇る「ポップ感」とは、音楽的な面白さを追究するためなら「従来のバンドサウンド」すらも覆し、手段を選ばずとことんイジりたおす姿勢そのものだ。
 それだけに今回のツアーで、どんなライヴ・ヴァージョンを聴かせるのか、興味津々でもあった。するとどうだ、前回のツアーの時のような「大テクノ・コーナー」はあえて作らず、あくまでも「人力」でおそろしく複雑怪奇な変拍子や裏打ちの嵐で、『musiQ』ポップを再現してしまった。かなりイビツで、まだまだぎこちないけども。おもろおかしいです、やたら。
 今回観てて驚くのは、これまでステージの隅っこでひっそりと、「自分だけの世界」で変てこギターを弾くことに終始してたNAOTOが、まるでバンドマン(笑)のようにステージを縦横無尽に動き回りつつ、躍動してる点だ。YOHに「今回はバンドの一員に徹する」と宣言してた通りのようだ。
 そういう意味では、“CD音源におけるオレンジレンジ”と“ライヴにおけるオレンジレンジ”が、明確に両立し始めた証しなのかもしれない。おお。
 さてそのツアーと時機を同じくして、ニューシングル“*〜アスタリスク〜”がリリースされる。
 アニメ『BLEACH』の主題歌としてファンの間では御馴染みの楽曲だが、ぱっと聴き彼らにしては珍しくストレートな、ポジティヴでロマンティックなナンバーだ。何万年もの歳月をかけて地球に届く星の光に想いを馳せるという――この「永遠の少年性」は間違い無くHIROKIだな。
 音も珍しく奇抜さに走ることなく「上品」に仕上げられてるし、「おまえさっき両立とか言ってたけど、CDの方もオーソドックスなバンドになってんじゃん」と、私はきっと責められるのだろう。わははは。
 しかしこの“*”、2コーラス目の後半から突如メタルになったりアンビエントになったりと、やたら展開しまくるのだ。しかもサウンド自体も、上品なんだけどよく聴くと「正調」じゃなかったりする。要は、より狡猾になっただけなのよこれが。
 心配しなくても、オレンジレンジは決して「更生」しないのだ。いいのか悪いのか。
(文:市川哲史)
2005年3月31日発売
書店・レコード店にて好評予約受付中
\1,500(税込)
[特典]特製オリジナルステッカー

ORANGE RANGE 初の単行本
雑誌『oricon style』にて好評連載中のコラム『チーズ☆バター☆ジューシーメー』50回分の再編集版に加え、人気企画「カメラ☆トーク」のスペシャル版などなど、単行本のみのオリジナル企画が盛りだくさん。メンバーひとりひとりの魅力満載の一冊です。
※ジューシーメーとは、沖縄の食べもので雑炊のようなもの