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VAMPS『ルーツは80年代音楽、いま聴いても名曲が多い!』

昨年9月にベストアルバム『SEX BLOOD ROCKN’ROLL』で世界デビューを果たしたVAMPS。海外デビューを果たし、ライブに対する入り込み方が変化したことで、よりハッピーな心持ちでライブに向き合えるようになったという彼ら。「AHEAD/REPLAY」から約1年ぶりのリリースとなる、移籍後第2弾となる初のシングルは、夜の世界と昼の世界を描いたという対照的な2作に仕上がった。

ロックの中にデジタルサウンドを上手く取り込んだ新曲

――移籍後第2弾「AHEAD/REPLAY」から約1年ぶりのシングルとなりますが、前作に続き、両A面でのリリースとなりますね。そうした意図は?
HYDE今回の2曲は、両方ともアルバムに入れたいって思ったってところが一番大きいかな。だから、それぞれをフィーチャーした感じで作品を作りたいなと。音楽だけを聴きたい人は通常盤を選んでもらったらいいし、どちらかの曲を追求したい人は、それぞれがフィーチャーされてる初回盤を選んでもらえばいいしね。

――そうですね。K.A.Zさん作曲の「GET AWAY」は、イントロの同期音が、あまりロックには用いられないような音色だったりしますよね。ニューウェーヴ系というか、クラブ系というか。
HYDEそうそう。だってね、K.A.Zさん今もクラブでブイブイ言わせてんだよ、こうやって(ソファーに座って両手を背もたれにかける)。いつもこんな感じ(笑)。
K.A.Zえ、そっち系(笑)?

――あははは。私も躍り明かしているブイブイ系かと思いました(笑)。
K.A.Z僕もそっちかと思った(笑)。
HYDEんふっ。

――んふって(笑)。で、話しを戻しますと、そんなイントロの質感もあって、もっとデジタル色の強い楽曲なのかなと思ったんです。でも、バンドサウンド押しの生っぽいロックですよね。
K.A.Z特にデジタルでいこうとか、バンドサウンド押しでいこうっていうのは、そこまで意識していなかったりしたんですけどね。そのイントロ部分も最初はしっくりきてなくて。だけど、今の音色が加わって、きらびやかさだったり、華やかさだったりというのが出たというか。デジタルな世界観も風景として感じられるようになったと思うしね。サウンドとしても、大きなスペースを感じられるようになったのかなって。

――「THE JOLLY ROGER」に比べ、少し渋めな疾走感を持った1曲だと思いますが。
K.A.Zそう。ライブを想像したときに、“VAMPSのライブ”が見える感じがいいなと思って。デジタルが強調されるところももちろんあるんだけど、ロックの中にデジタルサウンドを上手く取り込んだというか。

――ヘヴィかつ軽やかなギターフレーズや、ドラムのタイトかつ手数の多いプレイや、間奏でのベースアプローチなど、各楽器の個性を活かしたバンドサウンドを強調した構成になってますよね。
HYDEそう。ベーシストもいるぞ!っていうところもちゃんと主張しないとね!
K.A.Z(笑)。個々のメンバーが、ステージでカッコイイのが思い浮かべられるような楽曲になってると思いますね。

キャッチーだけどヘヴィなサウンドを意識

――歌詞はHYDEさんですが、英語と日本語の配分とハマりが絶妙なVAMPSらしい歌詞ですが。英語から“手を”に繋がる部分の譜割りとか独特ですよね。
HYDEこれね、最初に何回も曲を聴いてたら、『卒業』っていう映画を思い出したんですよ。

――なるほど!逸る想い、募る想いと重なりますよね。
HYDEそう。お嫁さん連れて行くとこを思い浮かんで。


――ラストシーンですね。
HYDEそうそう。サビがそのシーンに合うなぁと思って。そこをデジタルな部分と時代感を変えた感じなんですよ。

――サビは一気に開ける印象を与えますよね。「THE JOLLY ROGER」は、HYDEさん作曲ですが、この曲は、イントロの同期と突進む感じのギターフレーズが、重めな印象を受けますが、歌メロが始まると、とても滑らかな印象を受けますね。
HYDEドォ〜〜〜ッってラウド系に行きそうな(笑)?たしかにそうかもね。僕は作っていた段階から、キャッチーなメロディが自分の頭のなかにあったから、そういう印象はなかったんだけど、たしかに、イントロの感じからは、重めなロックに繋がる感じがするよね。ただ、たしかに、ヘヴィなサウンドっていうのは意識してたかもしれない。キャッチーなんだけど、演奏はヘヴィっていうかね。うん。そういうのは意識してたかもしれないですね。
K.A.Zこの曲はね、案外フレーズが難しくて。シンプルなんだけど、インパクトが強い感じというか。たしかに、ドォ〜〜ッとはこないんだけど、そういうイメージはあるのかも。メロディーが流れた感じだから、すごく聴きやすいロックになってる感じはするよね。野外が似合う雰囲気を持った曲だなって。サビでより広がる印象だし、スピード感があるよね。


――そうですね、「GET AWAY」とはまた違う疾走感がありますね。歌詞は、突き進む強さを持った歌詞だなと思いますが。
HYDEそうですね。みんなで一緒に歌える歌詞になったなって思ってます。タイトルの「THE JOLLY ROGER」は、“海賊旗”っていう意味なんだけど、“みんな集まれ!”的なニュアンスで付けたから、そこを意識して聴いてもらえると、より一層ライブでも一体感が生まれるんじゃないかな。

――「THE JOLLY ROGER」は、6月6日にZepp Tokyoで行われた、『VAMPS LIVE 2014:LONDON PRE-LIVE』で初披露されてましたよね。手応えはどうでした?
HYDEもぉ、バッチリですよ。あ、こういうときは、“バッチグー”って言うんですか?

――HYDEさん……古いです。
HYDEんふっ。
K.A.Zあははは。たしかに(笑)。

――今、何て言うんですかね?
HYDE“ゲッチュー”じゃない?

――HYDEさん……さらに古いです。
K.A.Zたしかに(笑)。でも、“思い描いた通りだな!”っていう手応えでしたよ。
HYDE作ってるときに、“これめっちゃライブで盛り上がるやろ!”っていう手応えがあっても、実際にライブでやったら、あれ?なんか違う?って思っちゃうこともあるからね。けど、この曲は思い描いてた通りの盛り上りだったね。
K.A.Z違うときってあるよね。
HYDEあるね。

――聴き手側としてもそういう感覚はありますよ。個人的に、キラキラした楽曲より重めで暗いサウンドの方が好きなので、どうしても音源で好きだと感じた曲をライブで聴きたくなるんですけど、ライブで実際聴いてみたら、キラキラしたキャッチーな曲の方が好きになってたっていう逆転があったりとか。
K.A.Zあるよね、そういうの。
HYDEあるある。ライブで聴いて、“あ、こんな良い曲だったっけ!?”みたいなのね。

(文:武市尚子/撮り下ろし写真:山内洋枝)

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