大人っぽい正統派演歌にビックリ!
――ソロデビューおめでとうございます。
【岩佐美咲】 ありがとうございます。ずっとソロ歌手になりたいという夢があったんです。AKB48では、板野(友美)さん、前田(敦子)さんのソロデビューに続いてということで、最初に聞いたときは驚きましたけど、デビュー日が近づくにつれて実感が湧いてきました。
――わさみんは昔から歌が大好きでAKB48に入る前からボーカルスクールに通っていたんだよね。演歌っていうのは、当時から視野にあったの?
【岩佐】 演歌というジャンルはすごく馴染みがあって、お母さんがまず好きなんですよ。あと、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に暮らしているので家で曲を流していたり演歌のテレビ番組を一緒に観たりしましたね。石川さゆりさんの「津軽海峡冬景色」とか「天城越え」とか、「夜桜お七」とか、氷川きよしさんの「ズンドコ節」とか。おばあちゃんは美空ひばりさんが好きで、おじいちゃんは北島三郎さんが好きなんですよ。
――物心ついた頃から生活の中にあったんだね。
【岩佐】 そうですね。演歌を意識したのは、一昨年の『AKB48 東京秋祭り』で歌ったのがキッカケで、周りからも自分でも演歌って思うようになりました。当時は自分のキャラが無いなと思っていたので、“演歌という手があるな!”って見つけた気がしましたね。
――デビュー曲の「無人駅」は、本当に100%ド演歌ですね。
【岩佐】 そうなんですよね。意外でした〜。やっぱりアイドルだからもっとサワヤカというか歌謡曲っぽい感じなのかな?って思っていたんですよ。そしたらド演歌で、しかも渋めだった(笑)。歌詞も大人っぽいし、正統派の演歌でビックリしました。イントロを聴いて、“うわー!渋!”みたいな。でも私、この歌大好きなんですよ。自画自賛みたいですけど、本当に大好きです。
――本当にいい曲ですよね、すごくキレイな歌だなぁと思いましたよ。でも歌詞がすごく大人。共感ポイントってあるの?
【岩佐】 大人すぎるし失恋というか恋愛自体が禁止なので体験したことがないですからね……。でも私、映画とかアニメとかマンガが大好きなので、そこで培った妄想力を発揮して歌いました。自分の中で妄想しながら裏設定を作ったんです。
――どんな主人公?
【岩佐】 少なくとも16歳ではないんですよ。21歳の美しい女性です。……私ではないですね(笑)。髪は長くて黒髪で、家柄のいいお嬢さんなんですよ。彼女はその恋人がいないとダメな人だったんですけど、彼は離れていってしまって……。
――ほぉ〜〜。
【岩佐】 そしてマキコはすべてがイヤになり……
――マキコ??
【岩佐】 そうです。マキコは家出してしまって、無人駅を渡り歩いているんです。
――あーなんだかマキコに思えてきた。
【岩佐】 マキコの恋人は“殿”みたいな人で、女性にやさしくて紳士なんです(笑)。でもマキコは家柄がよくて、あまり会えなかったんですよね。それで殿に心の迷いができてしまい……。
――そういう物語を心に描きながらレコーディングしたワケですね。
【岩佐】 マキコになりきったことでスムーズに録れたと思います(笑)。若干テンションを下げて、感情をすごく込めて歌に集中しました。
AKB48メンバーの優しさに奮起!
――今回はAKB48や渡り廊下走り隊7とは違って、岩佐美咲名義だけど、プレッシャーはあった?
【岩佐】 いや、逆に全部自分で歌えるっていうのが楽しかったです。今まで1曲丸々歌うっていうことがなくて初めてだったので、ちょっと変な感じはしましたけど、最初から最後まで自分で感情を乗せて歌えるのが気持ちよかったですね。
――メンバーは何か言っていましたか?
【岩佐】 ソロデビューを発表した次の日に会ったメンバーはみんな「がんばってね!」「応援してるよ!」って言ってくれました。ぶっちゃけ誰かがCDを出すとだいたい「ちょうだい」って言うんですけど(笑)、私には「CD買うね!」って言ってくれるんですよ。たぶん売り上げを気にしてくれているんだと思うんですけど(笑)、その優しさがうれしかったですし、“がんばらないと!”って気持ちが強くなりました。初回盤のDVD特典にはメンバーからの応援コメントも収録されているんです!
――ミュージックビデオ撮影では実際に無人駅に行ってきたらしいですね。
【岩佐】 秋田県の無人駅を4か所くらい渡り歩きました。雪がけっこう降っていて、本当は晴れの設定で撮る予定だったんですけど、私、雪女だったみたいで、私のために雪が降ってくれました(笑)。空も私の味方をしてくれました!あと車の中で、きりたんぽ鍋をグツグツ煮込んでみんなで温まって食べたのが楽しかったな。初めて食べたんですよ。おいしかった〜!
――カップリングには「ヘビーローテーション」の演歌バージョンが入ってますね。
【岩佐】 おもしろいこと考えたな〜と思いましたよ。想像つかなかったけど実際に聴いたら演歌にどっぷりハマってて、やれば何でも演歌になるんだな〜って感動しました。レコーディングも“ノリノリで歌うしかない!”と思ってハジケました。
――最近ヘビロテしている曲は?
【岩佐】 「無人駅」は練習のためにヘビロテしているんですけど、実際にヘビロテしているのはボーカロイドの曲です。初音ミクの曲。私、本当に歌が大好きで、アニソンも演歌もJ-POPもロックも、幅広く好きなんです。
――わさみん、アニメ大好きだもんね。
【岩佐】 そうなんです! 私の好きな水樹奈々さんも昔、演歌をやっていらっしゃったんですよね。声優でもあるし、私のやりたい道を実現されている憧れの人なんです。
――では、今後どんなアーティストになりたいですか?
【岩佐】 まずは演歌歌手として一人前になることですね。そしてAKB48を好きな若い世代のみなさんに演歌を好きになってもらえるキッカケになれたらいいなと思うし、逆におじいちゃんおばあちゃんにAKB48を知ってもらえるキッカケになれたらいいなと思います。
――その一方で、高校生でもあるわさみんですが。
【岩佐】 JK(女子高生)です!
――JKとしての今年の注目アイテムは何ですか?
【岩佐】 今年はルーズソックスたるものをはいてみたいです。意外とはいている女子がいるのではいてみたいんですよね〜。あとはこの4月で3年生になって高校生活最後の年になっちゃうので、今年はガンガン制服を着ていきます。
(文:三沢千晶/撮り下ろし写真:鈴木健太)