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Check 2011年03月02日

正夢を実現したような幻想的な空間の中で、新たな倖田來未を感じて欲しい

 Dejavu(デジャヴ)。フランス語を直訳すると「既に見た」。英語に直すと「already seen」で、日本語では「既視感」。実際には一度も体験したことがないはずなのに、なぜか、いま起こっている出来事や風景を、過去にも体験していたかのように、もしくは、夢で似たような経験を見たかのように感じる、不思議な錯覚のことを指す言葉である。

 デビュー11年目に突入した今もなお、挑戦する姿勢を崩さない倖田來未は、前作『UNIVERSE』からちょうど1年ぶりとなる9枚目のアルバムに『デジャヴ』というタイトルを名付けた。

 「デジャヴには、正夢っていうイメージがあると思うけど、フランス語のことわざで『Tu as dejavu』(英語だとYou have seen)っていうと、『前にも同じような辛いことがあったけど、今までも乗り越えてきたでしょう』っていう意味があるんです。それは、先行シングル『POP DIVA』で歌った、リスクを背負ってでも高いハードルを乗り越え続ける女性像ともリンクしているし、この10年間でたくさんの辛い経験を乗り越えてきた私自身の心にもすごく響いたんです。それに、頭の中には次のツアーのイメージもあって。前にも見たことがあるような気がするけど、初めてみたような感じもする。まさに、正夢を実現したような幻想的な空間の中で、今までに見ていた倖田來未とは違う倖田來未を感じて欲しいなって思ったんです」

 タイトルはもちろんのこと、本作に収録すべき新曲の選曲や制作過程においても、常にアルバムリリース後に控えるツアーのことが念頭にあったという。

 「今回はライブのことも考えながらの選曲だったんですよね。前作『UNIVERSE』のツアーはアリーナクラスが多かったんですけど、今作のツアーは、今まで行けなかった土地にも足を運びたいなっていう思いがあって、ホールツアーにしたんです。だから、小さい空間で、いかにエンターテインメントを見せるかっていうのをずっと考えていて。ホールだからといって、セットの階段を登ったり降りたりするだけではなく、倖田來未らしいホールツアーを見せたいなっていう思いが強いからこそ、激しい踊りを見せることができるダンスチューンやR&B系の曲を増やしたっていうのはありますね」

“ありそうでなく、できそうでできない”=アルバム『デジャヴ』

 本作には、攻めモード全開のセクシーなダンスチューン「Lolli pop」「POP DIVA」、普遍性を携えたラブバラード「好きで、好きで、好きで。」「あなただけが」のシングル曲に加えて、キャリア史上最大となる11曲の新曲が収録されている。10周年というメモリアルイヤーで、全国ツアー、スタジアムライブ、ビルボードライブに、東京ドームライブまで開催していた彼女が、11曲もの新曲をレコーディングしていたことに素直な驚きを隠せない。しかも、本作は、ただ、いい曲が漠然とならんでいるだけではなく、全体に明確な一本の芯が通っている。その“芯”とは、アーティストとしてのニューフェイズを提示することにも繋がっている。コアなR&Bだけにフォーカスすることで、近付きがたいアーティスト性を示すことは簡単だ。逆に、チャートや売上枚数を気にするのであれば、J-POP系の楽曲や泣けるバラードをメインにした方が近いだろう。だが、彼女は本作で、改めてクラブミュージックとJ-POP、先鋭的なR&B/HIP HOPと、聴き手の年齢や性別を選ばない歌謡曲の共存共栄を図っている。エッジーで刺激的なサウンドとキャッチーでカラフルな音楽性の融合。それこそが、実は“ありそうでなく、できそうでできない”=デジャヴという言葉を言い表した音楽なのではないかと思う。

 「デビュー10周年という区切りを終えて、いわゆる洋楽よりのR&Bだけに一気に振り切ってしまうやり方も考えられると思うんですよ。でも、私はやっぱり、みんながカラオケで歌えるような曲も大切だし、倖田來未としてカッコいい世界観を提示するR&B系の曲も歌っていきたいと思ってる。要は欲張りなんですけど(笑)、その2つを両立させるためにはどうしたらいいかって考えたときに、メロディーはキャッチーだけど、サウンドがカッコいい曲を作ってみるのはどうだろうっていう提案をして。例えば、アニメ「クレヨンしんちゃん」の主題歌「Hey baby!」は、メロディーはポップだし、誰もがカラオケで歌える曲なんだけど、アレンジやサウンドを、カッコ良く響くようにハンドリングしてる。しかも今作は、前半はずっとダンスチューンでノレる曲、後半はポップで歌える曲っていう2つのパートに分けているんですね。私にとっては新しいチャレンジでもあったけど、今はみんながどんな反応を示してくれるかとっても楽しみですね」

 フランスには、「勇気を出して行動しない者は、自分の不運を嘆いてはならない」ということわざがある。失敗を恐れず、常に勇気を出して、新しい一歩を踏み続ける彼女の前向きな姿勢自体が、聴き手にとっては、最大のメッセージになっているのだ。

(文:永堀アツオ)

RELEASE

Dejavu【初回生産限定盤】

Dejavu【初回生産限定盤】
倖田來未
発売日:2011/03/02[アルバム] 価格:\4,980(税込)
rhythm zone 品番:RZCD-46830/B/C

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Dejavu【DVD付】

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倖田來未
発売日:2011/03/02[アルバム] 価格:\3,990(税込)
rhythm zone 品番:RZCD-46857/B

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Dejavu【通常盤】

Dejavu【通常盤】
倖田來未
発売日:2011/03/02[アルバム] 価格:\3,059(税込)
rhythm zone 品番:RZCD-46831

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