『8EIGHT8』(エイト)のタイトルに込める想い
アルバム『8EIGHT8』
――ニューアルバム『8EIGHT8』のタイトルにはどんな思いが込められているんですか?
【カエラ】 アルバムの3曲目に入ってる「8EIGHT8」のデモを聴いたときに、ただ単純に8本足で8つの目をもつクモが浮かんだんですね。そこからクモの巣だったり、クモの巣をモチーフにして作られているドリームキャッチャーを思いついて、さらに物語を考えていって。自分のことよりも、大切な人のことを守るために、寝ている人の悪い夢を全部食べて、自分は真っ黒くて醜い姿になっちゃうストーリーなんですけど……。
――キレイだったクモが真っ黒になって、みんなに怖わがられるんじゃないかって心配している、せつない話になっていますよね。
【カエラ】 それでもクモは自分は犠牲になってもいいんだっていう強さがあって。自分以外の大切な人や誰かが幸せであればいいっていうクモの愛情はみんなに伝わっているから、最終的には人とのつながりによって、また誰かに助けられるっていう結末があるんじゃないかって思っていて。そういう歌詞を書いたときに、今の自分が伝えたいことがすごく詰まっているなって思ったから、アルバムのタイトルにもしたんですね。
――「EIGHT」だけじゃなく、数字の「8」を入れた意味は?
【カエラ】 「8」は横にすると「∞」のマークになるでしょ。それが永遠にぐるぐるまわる「人とのつながり」を表していて。2枚目のアルバム『Circle』では、自分の感情が毎日ぐるぐる回っている状態だったけど、『8』にはいい意味での循環が表されてるなって思ったんですね。
――本作の制作のスタートになった15枚目のシングル「Ring a Ding Dong」から、「人とのつながり」がテーマになっていましたね。対人に向けた感謝の気持ちを歌っていました。
【カエラ】 そうですね。このアルバムのなかで、いちばん最初にレコーディングしたのが「Ring a Ding Dong」で、<ありがとう>っていう言葉の大切さを歌っていて。「A winter fairy is melting a snowman」も人と人のつながりを信じる気持ちを書いているし、「orange」も近くにいる人の存在の大切さを歌っていますね。
新しい自分が見えたミドルバラード
――アルバムの最後を飾るミドルバラード「チョコレート」でも、<ありがとうとごめんね>を優しくつぶやいています。【カエラ】 アルバムの最後にレコーディングした曲なんですけど、私のなかでは今までとは違う感覚で出てきた、新しい自分が見えた曲でもあって。これまではこんなに素直で強い言葉を書いたことはなかったけど、<ありがとう>や<ごめんね>を言えることが、人と人をつなげるためにも大事だなって思っていて。「チョコレート」と「Ring a Ding Dong」には、私が今言いたい言葉、伝えたいことが詰まっているし、どの曲にも「人とのつながり」や「対人(たい・ひと)」に向けた思いっていうのが入っていますね。
――それは大きな変化ですよね。
【カエラ】 このアルバムより以前の私の歌詞は、自分の内面と向き合ってばっかりだったんですよね。でも、周囲の環境が変わって、自分自身の悩みと向き合っている場合じゃないし、自分よりも守るべきものがあることに気づいた。さらに、震災もあったことで、自分以外の人のことをすごく考えるようになって。人に対して、自分ができることはなんだろうってことを探すようになったというか……。共感することの大切さや、人に対する愛情や優しさを意識するようになったし、こうやってアルバムを作ってみても、今までの自分とは違う、新しい自分が生まれていることを感じている。若ければ若いほどもっていた、ツッパっていた部分やひねくれていた部分が薄れてきて、大切に人を思う素直な気持ちが強くなってきているんですね。まだ自分でも、その“新しい自分”をちゃんと理解してるわけではないんだけれど、あと3年で30才にもなるし、いい意味で大人になっていく木村カエラを表現できればいいなって思うし、“これからの木村カエラ”を楽しみにして欲しいなとも思いますね。
――そんなカエラちゃんのマイブームは?【カエラ】 ミサンガと3分パック。あとはバランスボールかな。動いていなかったぶんの体力を戻そうかなと思ったんだけど、すっごいきついんですよ。バランスボールを毎日やって、腹筋と背筋を鍛え直そうと思っています!