ORICON STYLE

2010年09月15日
衝撃の引退発表をした愛内里菜のラストアルバム『LAST SCENE』には、 彼女の10年間がギュッと詰め込まれている。 綴られた様々なシーンは、それを聴いた人の人生にも重なるはず。 そして彼女が最後に教えてくれた花言葉のメッセージとは……?

引退の決意の気持ちを歌詞に書けた

愛内里菜 引退を発表したファンクラブ会員限定ライブ(7月30日、大阪・なんばhatch)

── カッコいいアルバムですね。タイトルは『LAST SCENE』……。
【愛内里菜】 ありがとうございます!タイトルは……、そうなんです。私、ラストシングル「HANABI」という曲で、やっと引退の決意の気持ちを歌詞に書けたんですよ。それをスタッフさん全員に見せて、この歌の主人公は私であり、引退を決意したことを話しました。そして、この歌には応援してくれているファンのみなさんへの気持ちがこもっているってことも伝えたんですよ。それまでも、こういう歌詞を書こうと思ったことはあるんですけど、いろんな葛藤があったりして、定まらなかったんですよね。でも「HANABI」を書くことができて、やっと自分のなかで“最後のアルバムを出すんだ”って気持ちが湧いてきて、そこからこのタイトルをつけて、1つひとつメッセージを綴っていった……っていう制作でした。
── アルバムを聴いていると、ひとつの物語になっているような気もしますね。
【愛内】 そういう部分も意識しました。10年間を振り返りながら、感じてきたことを順番に綴っていったんです。アーティスト人生の幕開けがあり、いろんな音楽と出会い、いろんな人とつながり……。そのなかでは不安があったり、闘いもあるし、葛藤のシーンも出てきたりするんですよね。でもそれって大きく見ると、みなさん1人ひとりの人生としても捉えていただける、そんな作品になったらいいなと思いまして、喜怒哀楽いろんな感情を入れたし、いろんなメロディーラインを入れました。
── 1曲1曲の表情も違いますもんね。
【愛内】 そうなんですよ。っていうのも、自分の10年をひとつの流れにしようとしたときに、曲それぞれに、始まり、出会い、最高のシーン、決断など、イメージが鮮明に出てきたんですよね。だからテーマに合った曲をまず選んでいって、そこからその流れに沿ってストーリーを広げて歌詞にしていくという流れで作っていきました。最後の作品ということでメッセージもすごく強かったし、その曲順で人生を表せたらなぁ……と思っていました。つらい歌詞はとことん深く、ハッピー歌詞はとことんハッピーな言葉で綴られていたり、振り幅が広い感じになりましたね。

たぶんこれが私の生き方だと思う

── ところで、「HANABI」が和を感じさせる曲であるワケは?
【愛内】 私、毎年“RINA♥MATSURI”っていうライブを夏にやっているんですよ。その最後の夏に発表する、最後のシングルになるだろうなと思って歌詞を書いたのがまずあって。そのライブで毎年みんなが見せてくれる笑顔が本当にキラキラしていて、最高の打ち上げ花火のように感じていたんです。その笑顔にいつも支えられているし、いつも救われているし、毎年毎年みんなの笑顔と花火を重ね合わせていたんですよね。なので、タイトルはまず“花火”がいいなと思っていて。それにデモテープを聴いたときから、3拍子の感じとかメロディーラインにも和を感じていたので、私が書きたい決意と、花火という言葉が合っているなぁと思ったワケです。花火ってはかないだけに、本当に大切な記憶として心に残るんですよね。
── その話を聴くと、余計にこのアルバム曲の流れは感動しますね。私は、「Priority」を聴いて、“愛内さん、カッコいい!”と思ったんですよ。この潔さ、ステキです。
【愛内】 (笑)この曲を聴いてそう思ってもらえたらうれしいな!アルバムが出来上がって聴いたときに、この曲が一番自分らしい曲かなって思ったんですよ。私って、10年間こういうふうに突っ走ってきたような気がするし、たぶんこれが私の生き方だと思うんです。しかも初期の頃って、こういう歌詞の世界観がすごく多いんですよね。
── 切なく強く、という印象の曲ですね。
【愛内】 そうですね。まだまだいろんなものを探しているような、そんな心境をメロディーから感じたんです。そしてサビで、上に上に向かっていこうと、踏ん張っているような景色が浮かんだんですよ。メロディーから荒れた大地が見えたり、灼熱の太陽が見えたりしたので、これは「Wildflower」だなって。
── その次に「HANABI」がきて、次の「IN MY SHOES」で、カッコいい!って気持ちが倍増するんですよ。自分の足跡をちゃんと残してきて、さらに自分だけの道を見つけていくっていう、本当に愛内さんって強い気持ちの持ち主だなぁと……。
【愛内】 ありがとうございます。「Priority」の貫いていくという決断があって、「IN MY SHOES」で、それを自分の歴史としてちゃんと受け入れて、それを背負ってまた未来へ歩いていくという、これもまた決断ですね。私、靴が大好きで100足は優に越えるくらいもっていて、履くためというよりも飾るためになっちゃっているくらいなんですよ(笑)。
── (笑)!
【愛内】 この10年間、自分へのご褒美に靴を買っていたり、ライブでこの靴をはきたいから、それに合う衣装を選ぶとか(笑)。だから本当に歌詞のとおりで、<この靴を履いてたときに……>って思い出すことがたくさんあるんですよ。考えてみたら、今まで大好きな靴をテーマにした歌ってなかったので、この曲で靴をテーマにして、そしてそれにつながる自分の足跡っていう意味でタイトルにSHOESって入れたかったんです。自分のなかでは思い入れの深い曲です。 ── 「Priority」「HANABI」「IN MY SHOES」の流れがあるからこそ、そこからラストへの流れがさらに温かく感じられている気がしますね。そして、アルバムのタイトルチューン「LAST SCENE」が最後から2番目にあって。この歌に込めた想いは?
【愛内】 アルバムタイトルを決めたときから、“ラストはいつも始まりにつながっているんだ”っていうところを表したいなと思っていたので、それを曲のなかでも感じてもらいたいなと。この流れでいくと、本当にお別れというようなポジションにはあるんですけれども、この曲の最後のほうには“次のページ”という、主人公が踏み出していく気持ちを描きたいなと思ったんですよ。未来が見えてくるメッセージにしたかったんです。

ラストは愛内里菜らしい愛をテーマに

── そして、「C・LOVE・R」は、感謝の気持ちかな?
【愛内】 愛内の歌は、愛をテーマに書いていたり、何か前向きになれたり元気になれるとか、ハッピーを求めて聴いてくれる人が多いし、ライブも最後ははっちゃけて終わることが多いので、ラストはやっぱり一番、愛内里菜らしい愛をテーマにした曲がいいのかなって思いました。そして、また明るい明日につながっていくような歌にしたいなって。
── 愛内さんの歌って、花や、花言葉というイメージもありましたね。
【愛内】 そうです、そうです。私がお花とかの歌を書いてきていたのもあったし、さらにこのタイトルが愛内里菜らしくなったと思います。
── クローバー(CLOVER)のなかには、愛(LOVE)があったんですね……。
【愛内】 そうなんですよ。前にもクローバーって曲を作ろうかなと考えたこともあったんですけど、そのときはまだゼンゼン気づいていなくて、本当に最後にこの曲を作ろうと思って花ことば辞典を見たときに“あ、すごい!”と感動して(笑)。これはここで歌うために、今まで歌わなかったんだ!って運命を感じちゃって。まさに最後のアルバムに入るための曲!ってことで最後に持ってきました。四つ葉のクローバーの花言葉は“幸せ”ですから、それを感じてもらえるサウンドと歌詞にしました。
── 10年間歌ってきた愛内さんにとって……、歌って何なんでしょうか?
【愛内】 ……私のなかではとても偉大なモノですね。音楽ひとつで一瞬でつながり合える。1人ひとりまったく違う人生を生きている人たちが、その音楽で同じ気持ちを共有できてつながり合えるって、すごいパワーだなぁって。それはライブをやればやるほど実感していきましたね。みんなとつないでくれたモノです。
── 今、心のなかに一番大きくあるモノは何ですか?
【愛内】 それは本当に感謝の想いですね。みんなの支えがあったから“次の1年もがんばってみよう”と思えたし、“次の作品を作りたい”と思えたし、10年間みんなの力があったから愛内里菜がいつも生まれていたと思うんです。だから今あるのは、本当にでっかい感謝ですね。その想いは、これからもずっと抱き続けて未来に向かいますよ!

(文:三沢千晶)

LAST SCENE【初回限定盤】
愛内里菜
発売日:2010/09/15 [アルバム] 価格:\3,800(税込)
GIZA studio 品番:GZCA-5226

LAST SCENE【通常盤】
愛内里菜
発売日:2010/09/15 [アルバム] 価格:\2,800(税込)
GIZA studio 品番:GZCA-5227

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1980年7月31日生まれ。大阪府出身。A型。
GIZA studioよりデビュー。大阪でレコーディングからジャケット撮影等すべての制作活動を行う。すべての曲の作詞のほか、衣装やCDジャケットなどのクリエイティブも自ら手がける。
2000年3月23日、シングル「Close To Your Heart」でデビュー。
2002年5月15日、アルバム『POWER OF WORDS』をリリース。1位を獲得。
2003年10月15日、アルバム『A.I.R』をリリース。1位を獲得。
2010年3月24日、アルバム『COLORS』をリリース。
2010年7月28日、シングル「HANABI」をリリース。
2010年9月15日、アルバム『LAST SCENE』をリリース。

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