――気だるいオールドロック風のアコースティックギターといい、アンニュイな歌声といい、これは新しい伊藤由奈ですね。 【伊藤】うれしい!本当に、そんなふうに作りたいなと思っていたんです。私、シャナイア・トゥエインやカントリーやアラニス・モリセットとか結構聴いてたんですけど、自分で歌ったらどうなるんだろうな?って思っていたんです。私はどっちかというと、グッと歌に入り込んで伝えよう!って気持ちが強いタイプなので、こういう気だるい歌い方はチャレンジでしたね。でも歌ってみたいという気持ちが大きかったので、すぐに入り込めたし、自然体でリラックスして歌えました。気持ちは熱いんだけどエモーショナルじゃない、クールだけど冷たくないっていうニュアンスは、ちょっと難しかったですね! ――ケータイ版の「miss you」では、叶わない恋というテーマがありましたが、映画版はどんなテーマにしようと思ったんですか? 【伊藤】ケータイ小説を読んでる頃に、ちょうどTVニュースで女子高生の援助交際についての話題が上っていたんです。私は衝撃を受けたのと同時に、すごく悲しかった。どうしてお金のために自分を犠牲にするんだろう?って。主人公の理央みたいに、実際にそういう女の子がいるのであれば、“今すぐ飛んでいって抱きしめてあげたい”という気持ちでいっぱいだったんです。 ――そんな理央が、ひとつの出会いを通して本当の愛を知っていくワケですよね。 【伊藤】そう。だから「Let it Go」は、理央ちゃんと同じ行動をしている女の子だけじゃなく、誰でも、“人をどうやって信じていけばいいんだろう?”って思うこともあるだろうし、こんな自分だけど、あなたと出会えて私は心を開いて生きていけるんだよねってこと。その気持ちを表現しました。人を本当に想うって、“どういうことなんだろう?”って映画の中でも教えてくれているけど、エンドロールでこの歌が流れて、もう一度、“あなたがいるから私は大丈夫”って気持ちになれるってことを、“忘れないでね!”って伝えているみたいな感じかな。 ――PVがかわいいですね。4通りのいろんなファッションの由奈ちゃんが出てきてポップでした。クールな表情も似合ってましたよ。 【伊藤】ありがとうございまーす!衣装とヘアメイクで、そういう気分になれるんですよね。真っ赤なリップをつけると、そういう自分になっちゃうというか、自然とあまり笑わなくなるんですよ。笑っちゃうとジャックランタン(ハロウィーンのカボチャ)みたいになっちゃうのでイヤだったし(笑)! ――(笑)でも、メイクや衣装で気分が変わるっていうのはわかります。 【伊藤】そう、女の子だからいろんなキャラクターになれるんですよね。私、女の子はみんな女優だと思いますよ。モチロンいい意味でね。PVの中の私、実は全部カツラなんですよ。 ――あ、そうなんだ。そういえば前髪が短いバージョンもあったし、雰囲気が全然違いますよね。 【伊藤】フフッ。楽しかったですよ。
――ところで由奈ちゃんにとって、天使のような存在とは何ですか? 【伊藤】私には天使に見える人がいっぱいいるんですよね。ずっと支えてくれているスタッフの方だったり、家族もそうだし・・・。天使って、憎しみを知らない人じゃないかな?“HATE(嫌い)”という言葉が自分のディクショナリーに入ってない人ですね。そういう人たちは、私の知らないうちに、私を守ってくれています。私はそんな人たちを守る!って気持ちがあります。 ――由奈ちゃんも誰かにとっての天使なんでしょうね。ファンの人たちにとっては絶対にそうだろうし。 【伊藤】ウフッ(照笑)。ファンの方はみ〜んな、私にとって天使ですよ。ライブをしてたら、それがすご〜く伝わってきます。 ――2曲目の「Happy Days」は、軽快に走りだすイメージの曲ですね。羽みたいにフワッとしたハッピー感がある。 【伊藤】こちらもちょっと気だるい感じで歌っています。100%ハッピー!って感じで歌っちゃうと、聴くほうが疲れちゃうんじゃないかな?って。そういう歌い方だから、人によっては切なく聴こえるだろうし、ハッピーになりたいんだけど・・・みたいに、聴く人の心の状態によって違って聴こえるような歌になれたらいいな。 ――この曲はABC MARTの『ホーキンスレディース』CMソングですが、スポーツと伊藤由奈ってあまり結びつかない気が・・・(笑)。 【伊藤】(笑)でも私、パブリックには見せてないけど、今日もボディレッスンを受けてきたり、トレーニングはしてますよ。私、バスケットが大好きで、たまに公園に行きます。お休みの日はじっとしてられないタイプだから、自然を観に行ったり、海や川に行ったりするんですよ。そこでパワーをいっぱいもらって帰ってきます。でも、ハワイにいた頃は自然の力に全然気がつかなかったんですよね。離れてやっと気づいたから、自然と触れ合う時間は大切にしています。 (文:三沢千晶)
1983年9月20日、ハワイ生まれ。 5才でジャネット・ジャクソンのものまねをし、ハイスクール時代には7オクターブの音域を持つマライア・キャリーの「Vision Of Love」から「DAYDREAM」までマスター。ハワイ全土のハイスクール約50校の代表が集まり、年に1回行われるコンテストでグランプリをとるなど地元では有名な存在に。 2005年9月7日、シングル「ENDLESS STORY」でREIRA starring YUNA ITOとしてデビュー。ロングセールスを記録し、『NHK紅白歌合戦』に出演。
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