ORICON STYLE

2009年07月08日
 加藤ミリヤ、20代初のアルバム『Ring』は、切なくドラマティック。リングのように続いていく自分の感情と向かい合って生まれた全15曲。大人になるって、そう悪くないかも・・・?。

20代になって自然と弱さを見せられるようになった

──1枚通して、20才の日々の中でドラマティックに成長していくアルバムだなと感じましたね。ミリヤさんの中では、20代のアルバムという意識はありましたか?
【加藤】 20代になったということをすごく意識して書きましたし、すべて20代になってからの1年間で書いてきた曲なんです。20代の曲を書こうと思って書いたわけじゃないんですけれど、そのとき自分が言いたかったことが、孤独感であったり、人はひとりであるということが、全体を通してのメッセージになったなと自分でも思っています。

──前作との一番の違いは何だと思いますか?
【加藤】 弱さを見せているところですね。10代までの自分は、“加藤ミリヤは強い”っていうイメージを持ってもらうことに対して、それでいいと思っていたし、メッセージも、女性が自信を持って言っている言葉を、自分が書きたいから書いてきたし。そのままずっと音楽を続けていくと思っていたんですけど、20代になって自然と出てきたメッセージが「SAYONARA ベイベー」だったり「20 -CRY-」だったんですよ。弱さを自然と見せている、そこが決定的な違いです。

──言っていることは、とてもシンプルですよね。会いたいだけ、そばにいたいだけ、幸せになりたい“だけなのに・・・”という部分が、切なく伝わってきますね。その孤独感というのは、10代のときとは違うもの?
【加藤】 10代の頃からずっと感じていて、そういうものを歌ってきたし、自分を支配している悲しい気持ちとか、どんなに幸せな毎日でもそういう要素は心の中に潜んでいて、“これって何かな?”ってずっと考えてきたんですよ。20代になって大人になったらもっと強くなれるって思っていたし、孤独だなって感じることさえないと思っていたんですよ。でも、実際に20代になったら、もっと感じるようになったんですよね。だから、その感情はその先もずっと続いていくし、自分はそういう感情と闘い続けていくんだろうなって思っています。

──大人になることって、ミリヤさんが想像していたものとは違っていた?
【加藤】 そうですね・・・。

──「Dance tonight」では、“大人って割といいもんだ”と歌っていますよね。さみしいことだけじゃなく、楽しいことも増えたと?
【加藤】 10代の頃の私って、家にこもっているのが好きだったんですよ。外に出るということが本当になかった10代だったんです。その頃は、大人になって夜の遊びの時間に、実のある話とか、仕事の話につながっていったりとか、そういうのってあり得ないと思ってたんですよ。嘘だと思ってたし。でも、実際に自分が、たとえばスタッフと仕事の後に打ち上げという形で行ったりすると、本当に加藤ミリヤについて朝まで熱く語る!みたいなことがあったりして。そういうのって10代のときには絶対に味わえなかったことで、“これからこういうことをしていこうよ”という話に発展したり、ただその場を楽しむだけで、自分の心がすごく満たされたんですよね。大人になれて、そういう感情を知ることができたし、たぶん10代の子たちの中には、20代になることに抵抗を感じている子がいっぱいいるけど、絶対に20代のほうが楽しいと思いますよ(笑)。

──同感です(笑)。
【加藤】  仕事も全部ひっくるめて、人生トータル的に見て、20代のほうが楽しいなって、今思っています。だからこそ、この瞬間を無駄にしたくないなって気持ちが、「Dance tonight」もそうですし、「Time is Money」とかにも出てると思います。

4つ打ちや生音っていうのがすごくキーになってきました

──サウンド面でもかなり挑戦していますね。
【加藤】 10代の頃はR&Bという枠の中で自分を表現していて、それが自分のやりたいことだったんです。3枚目のアルバムを出したときに、R&Bの中で自分を表現するっていうのをやりきった気がして。その次に自分かやりたいことっていうのをすごく探していたんです。その延長線上で、サンプリングと区切りをつけるという意味合いを込めて『BEST DESTINY』っていうサンプリングベストを出して。そこで、R&Bの中の加藤ミリヤが完結しちゃった感があったんです。その先の音楽では、自分がその瞬間に必要としている音に、自分のメッセージやメロディーを乗せていきたいと思って。なので4つ打ちや生音っていうのがすごくキーになってきました。

──「Love me, hold me」はかなりクールですね。ブルージーで大人っぽい。
【加藤】  これはPhilic Wooという、私がずっと一緒にやってみたいと思っていたプロデューサーと2人で作っていったんです。彼の中から湧き上がってくる音楽というものが、本当にすごくいいものだったので、そこに引っ張っていってもらって作りました。

──ミリヤさんの歌は、友だちであったり恋人が隣にいて、直接言われているような感じがしますね。だから、ジンジンと胸に染みてくる。「ありがとう、」なんて、特にそう感じちゃいましたよ。
【加藤】 これは恋が終わったときのことを書いた曲なんです。恋が終わった後に、すごくいい恋をしたなと思えるときって、きっとみんなにあると思うんですよね。私も、いろんなことがあっても、結果、自分を成長させてくれたものだったなといつも思っていて。そういう“ありがとう”を伝えたいなと思って、この曲は書きました。

──「ありがとう、」の句読点には、どういう意味が?
【加藤】 これは、こだわりなんです。“ありがとう”ってことを一番言いたいんですけど、ありがとうだけじゃなくて、もっと伝えたいことはいっぱいある・・・という意味でつけました。

──続編ができそうですね。
【加藤】 このテーマでは、まだ書こうと思えば書けます(笑)。

──最後の「People」は、人間に対する讃歌ですね。
【加藤】 今回のアルバムでは、本当に自分は今何を言いたいんだろう?ってことをすごく考えて曲を書いたら、切ない曲が増えてしまって。でもアルバムとしては、最後はポジティヴなメッセージで締めたいっていうのもあったし、自分が普遍的にいたいことっていうのが、この曲に集まっているんです。人ってひとりだなって本当に思うんですけど、でもこうやってこの瞬間に人に会えることって、一瞬だけでも私は運命だと思うし、会うべくして会っていると思うんです。そこに意味があるんじゃないかって。その瞬間はつながりたいと思うし、大切にできたら、もっと世の中がハッピーになるんじゃないかな?そんなメッセージなんです。

(文:三沢千晶)

RELEASE

Ring【初回生産限定盤DVD付】
加藤ミリヤ
発売日:2009/07/08[アルバム] 価格:\3,675(税込)
ソニー・ミュージックレコーズ 品番:SRCL-7053/4

Ring【通常盤】
加藤ミリヤ
発売日:2009/07/08[アルバム] 価格:\3,059(税込)
ソニー・ミュージックレコーズ 品番:SRCL-7055

CDを購入する(Amazon)
PROFILE

14才から作詞・作曲を始める。
2003年、レゲエディスコロッカーズのアルバムの1曲にゲストボーカルとして参加し、翌年童子-Tの「勝利の女神」にフィーチャリング参加するなど、デビュー前からクラブシーンを騒がす存在に。
2004年9月8日、シングル「Never let go/夜空」で待望のデビュー。
以降、「19 Memories」「SAYONARAベイベー」など、ヒット曲をリリース。
2009年11月、初のベストアルバム『BEST DESTINY』をリリース。初登場1位を獲得。
2009年1月28日、シングル「20 -CRY-」をリリース。
2009年5月13日、加藤ミリヤ×清水翔太名義でシングル「Love Forever」をリリース。
2009年7月8日、アルバム『Ring』をリリース。

【関連リンク】
■加藤ミリヤ×清水翔太 シングル「Love Forever」インタビュー
 『同年代のふたりが共通して言える“LOVE”とは?!』(2009/05/07)

▲このページの最初に戻る