ORICON STYLE

2008年10月29日
聴けば聴くほど味が出る曲

――ニューシングル「染まるよ」は初めて亀田誠治さんをサウンドプロデューサーに迎えて制作されたのですね。
【福岡晃子】 はい。最初は、とても有名なプロデューサーさんだから自分たちが揺らいでしまうんじゃないか、みたいな不安が少しあったりもしたんですけど。でも、このタイミングなら大丈夫だっていうふうに思えたし、それ以上に“挑戦したい”という気持ちが強かったのでお願いしました。

――実際に作業されて、いかがでしたか?
【高橋久美子】 私たちの意見を尊重して下さる、すごく寛大な方だなって感じました。しかも面白い方で、場の雰囲気作りもお上手なんですよ。私たちから何か提案すると、その都度「尊重〜!」って言って採用して下さったり(笑)。これまで何度もプロデュースしていただいているいしわたり淳治さんがひとりのメンバーとして関わってくれる感じだとしたら、亀田さんは俯瞰(ふかん)して見てくれるイメージがありました。

――そして完成した「染まるよ」。ゆったりしたテンポでありながらも、どんどんエモーショナルになっていくロックチューン。
【橋本絵莉子】 2ndアルバム『生命力』ぐらいから、ギターとベースとドラムの3つの音だけで、という意識が強くなってきてるわけですけど。今回もアレンジをしていくうちに、どんどん音数が少ないほうが似合う曲だっていう考えになっていって。これまでで最も空白の部分の良さが感じられる仕上がりだと思います。
【高橋】 3人の楽器がパズルのように組み合わさっていて、聴けば聴くほど味が出るタイプの曲ですね。決して特別なことやオーバーなことはしてません。でも大声よりも小声で言われたほうが、ぐっとくることってあるじゃないですか。小声のほうがドキッとしたり心に沁みたりすることが。その感覚に近いというか。ロックバンドとして、こういうタイプの曲を堂々と胸を張って出せるのってカッコいいことだと思うんですよね。

――作詞は福岡さん。いつものように詞が先ですか?
【福岡】 そうです。この詞のままの気持ちのときに書いたというか。気持ちに任せて手が動いたっていう感じです。

――終わった恋に対する気持ちが描かれていますね。
【福岡】 だいぶ前に終わった恋愛を思い出してる状況ですね。この詞を書いた頃、自分の気持ちが落ち込んでたんですよ。だから、こういうことを思い出してたんだと思います。思い出す行為って未練があるように思われるかもしれないけど、そうじゃなくて。恋をしてた頃は“あなた”に染まってたけど、でも最後には自分だけが見てる“朝焼け”の色に染まっていて。そういうふうに変わっていくっていうことを受け止められるようになっている。だから未練だけじゃなくて強い部分もあるし、なんか・・・救われきれてないことはない、というか。

――救われきれてない、ことはない。
【福岡】 そう。絶望みたいなものではない、というか。

歌詞のイメージを大切にして曲を作りました

――<あなたのくれた言葉 正しくて色褪せない でも もう いら ない>というエモーショナルなフレーズが印象的ですね。
【福岡】 そこの“いらない”の“いら”と“ない”を離して表記してるのは、ちょっとイラッとしてる感じを表現したかったからなんですよ(笑)。さらっと“いらない”って言うんじゃなく、しっかり強く“いら・ない”って言いたかったんです。
【橋本】 歌詞を受けとって、大人な詞やな、と思いました。それとサビの<プカ プカ プカ プカ>っていうところを歌うのが面白そうやな、とも思って。そういうイメージを大切にして曲を作りました。あとはギターは、今回あまり歪ませてないんです。

――その変わり2曲目「愛捨てた」のギターが、すごいことになってるっていう(笑)。
【橋本】 そうなんですよ(笑)。反動っていうわけじゃないんですけどね。「染まるよ」は歪ませたからといって、それだけ強く気持ちが伝わるっていうタイプの曲じゃないと思ったんです。だから実際に聴こえるフレーズ以上のものを受けとってもらいたいな、という想いを込めて弾きました。

――ライブDVD『チャットモンチー レストラン メインディッシュ』も同時発売ですね。
【高橋】 DISC1には春の日本武道館公演の映像を、そしてDISC2には“生命力みなぎりTOUR”のライブハウスの映像を収録していて。それぞれ世界観が違うので、ぜひ両方を見てもらいたいと思って2枚組にしました。『メインディッシュ』というタイトルにふさわしい、すごいボリュームのDVDになってます。

(文:大野貴史)
RELEASE
染まるよ

染まるよ
チャットモンチー
発売日:2008/11/05[シングル]価格:\1,223(税込)
キューンレコード 品番:KSCL-1120

チャットモンチー レストラン メインディッシュ

チャットモンチー レストラン メインディッシュ
チャットモンチー
発売日:2008/11/05[DVD]価格:\5,040(税込)
キューンレコード 品番:KSBL-5902/3

PROFILE

橋本絵莉子(Gt&Vo)、高橋久美子(Dr&Cho)、福岡晃子(Ba&Cho)の3人組。
2000年4月、橋本(Gt&Vo)を中心に結成。
2004年4月、徳島で行われたバンドコンテスト『はな・はる・バンドコンテスト』で、グランプリを受賞。
同年6月、自主制作のミニアルバム『チャットモンチーになりたい』を制作。
2005年11月23日、ミニアルバム『chatmonchy has come』でメジャーデビュー。
2006年7月5日、アルバム『耳鳴り』をリリース。
2006年11月15日、シングル「シャングリラ」をリリース。CX系アニメ『働きマン』のエンディングテーマで話題となり、6位を獲得。
2007年4月18日、シングル「女子たちに明日はない」をリリース。
2007年6月20日、シングル「とび魚のバタフライ/世界が終わる夜に」をリリース。
2007年9月5日、シングル「橙」をリリース。
2007年10月24日、アルバム『生命力』をリリース。
2008年2月27日、シングル「ヒラヒラヒラク秘密ノ扉」をリリース。
2008年6月25日、シングル「風吹けば恋」をリリース。
2008年11月5日、シングル「染まるよ」とDVD『チャットモンチー レストラン メインディッシュ』を同時リリース。

石野卓球プロデュースでテクノに初挑戦