――デビューから約2年半ですが、池上ケイと名前を改めてからの楽曲がメインの1stアルバムが完成。池上ケイになってからの松井五郎さんとの作業はその後に影響を及ぼしたんじゃないかと思うのですが。
【池上】 (池上ケイになって最初のシングル)「Grow」でご一緒して以降も仲良くさせて頂いていて、個人的に詞に悩んだときにも、アドバイスを頂いたりもしてます。でも「Grow」から他の楽曲へと枝分かれしたんじゃないかと思うくらいにあの曲は大きかった。アルバムというよりも私自身への影響が。
――池上ケイというアーティストに対して?
【池上】 そう。この曲の歌詞が大きかったから。だから「Grow」と同じ人が歌って、同じ人が作っているという風にしたいなと思いながらアルバムを作っていく感じでした。
――そんなアルバム『Sound of Mind』は全ての楽曲がまるで短編のラブストーリーの映画のように響く作品ですね。
【池上】 私、現在進行形の恋愛の歌が書けないんです。いつも振り返る感じ。現在進行形なんて、恥ずかしくて書けない(笑)。
――だからこそ映画のような雰囲気なのかも。
【池上】 そう思ってもらえたら嬉しいですね。でもその中でも池上ケイはこういうことを感じて、こういうことをやっていきたいんだな・・・っていう自分の芯の部分を詰め込みました。そこを感じてもらえるにはどうすればいいか。人間くさい部分を感じてもらえるように、曲順も考えたし、聴いてくれる人が「泣きたいな」「笑いたいな」って感情の起伏を出せるような1枚にしたかったんです。
――その中で徳永英明さんの「壊れかけのRadio」のカバーも印象的ですよね。
【池上】 ただ単純に好きな曲だったんです。この素晴らしい曲を、今の自分ができる範囲で何も飾らないような歌い方でやろう、と思いました。聴きやすいように、歌い込んだものではなく、作り込まずにサラッとしたかった。今の人たちに聴きやすいように作りたくて。でもアルバムの中のどこで聴かせるかはすごく悩みました。
――タイトルを『Sound of Mind』にした理由は?
【池上】 タイトルはすごく悩みました。でも悩んでいた時は、“自分のことをこれだけ考えたことってあったかな?”っていうくらいに考えられて、いい機会だったなと思いました。自分が何をしたいのか、何をすべきかを深く考えることができたから。だからこそこのタイトルが浮かんだときは「これだ!」という感覚でしたね。
――最初と最後にある「One Shine」と「Sound of Mind」のインストも印象的ですよね。
【池上】 シングルが多いので、シングルを並べただけのアルバムにしたくなかったんです。そういう意味でもアルバムに対して自分がちゃんとやりきったというのを持ちたかったので、タイトルが決まってから作ったインストなんです。でもこの曲があるからこそ、アルバムがきちんとひとつの世界になりましたね。このアルバムを完成させたことでもっとやりたいことも出てきたので、ここからまたどんどんチャレンジしていきたいです。
(文:えびさわなち)