ORICON STYLE

2008年03月05日

 エッジを立てながら疾走していくバンドサウンド、激しくもポップに広がっていく旋律、そして、“今”をリアルに捉えたリリック。ASIAN KUNG-FU GENERATIONの新作『ワールド ワールド ワールド』は、2008年の世界を象徴する、シリアスにして鮮烈なロックアルバムとなった。

かっこいい邦楽バンドと思ってもらえると嬉しい

――ソリッドでスピード感に満ちたアルバム、というのが最初の印象でした。前作『ファンクラブ』は複雑なアンサンブルを取り入れていましたが、手ざわりはかなり違いますよね。
【後藤正文(V&G)】 難しいことをやるために難しくする、みたいになるとバランスが崩れてきますからね。演奏していてカタルシスがあるうちはいいんですけど、それがなくなったら歯車が合わなくなってくるし。
【喜多建介(G)】 ポップなところがウチのバンドの魅力なんじゃないか、っていうのは前から思っていて。
【山田貴洋(B)】 ポップに響く曲でも、かなりいろんなことをやっているんですけどね、何年か前に比べれば。そこで“難しいことをやっている”って聴こえさせないようにするのが大事というか。
【伊地知潔(Dr)】 “シンプルでいい曲”のほうが難しいし、やりがいがあるんですよ。
【後藤】 サウンドに関しても“もうちょっとキラキラさせたい”って思っていて。年を取ってくるとモコモコした音が好きになったりするんだけれど、自分のなかにいるギターキッズのために、ちょっとhighを強くするというか(笑)。

――10代の自分がグッとくる音、ということ?
【後藤】 そうですね。まあ、19才くらいって、一番めんどくさいときですからねえ。「俺、邦楽は聴かないっすから」みたいな(笑)。といっても、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTとかサニーデイ・サービス、eastern youthなどは聴いていましたけどね。そのなかのひとつに入れてもらえるといいなあっていう。
【喜多】 かっこいい邦楽もあるよって(笑)。
 

曲がいいと、バンドの状態もいい

――歌詞も大きく変化してますよね。「新しい世界」の「さぁ飛び出そう/胸躍るような新しい世界」もそうだけど、オーディエンスのアクションを促すようなリリックが急激に増えてて。社会情勢にコミットする内容も多いし。
【後藤】 難しいんですけどね、そのあたりは。政治的な歌でも何でもなくて、自分の目から見た世界、社会を書いたっていう感じなんです。あと、年齢を重ねることで、視点が変わってきたっていうのはあると思う。ニュースとか見ていても、カチンとくることが確実に増えてますからね。日本人である僕らの責任って、すごく大きいと思うんですよ。貧しい国に工場を建てて、農村をぶち壊したり。・・・やばい、暗い話になってきた。

――関心があることを素直に歌っている、と。
【後藤】 いろんなことが絡み合っているとは思うんですけどね。モラトリアムを抜けた、っていうのもあるんですよ。“自分って何だろう?”ってひとりで悶々と考えているよりも――そういう時間も大事なんだけど――知らない街に行ってみたほうが実りがあるんじゃないかなって。今はそう思っているんでしょうね。

――モラトリアムが終わって、寂しくはない?
【後藤】 どうですかね?こうやってバンドが続いているから、どこか青春っぽい感じもあるんだけど。でも、胸キュンの瞬間とか、確実に減っているでしょ?
【喜多】 そうだね(笑)。
【後藤】 その分、焦燥感もあるんですけどね。今しかできないことをしっかりやっていかないと、後悔するんだろうなって。

――『ワールド ワールド ワールド』は、まさにそういうアルバムだと思います。バンドの“現在”がびっしり詰まっていて。
【喜多】 曲の良さに引っ張られた、っていうのが大きいと思いますね。曲がいいと、バンドの状態もいいってことだから。それは、これからもずっと変わらないと思います。

(文:森朋之)

■RELEASE&PV視聴


CD購入(Amazon)
このCDについて語ろう

ワールド ワールド ワールド
ASIAN KUNG-FU GENERATION
発売日:2008/03/05[アルバム] 価格:\3,059(税込)
キューンレコード 品番:KSCL-1210

【収録曲】*PV視聴できます

01.ワールド ワールド ワールド
02.アフターダーク
03.旅立つ君へ
04.ネオテニー
05.トラベログ
06.No.9
07.ナイトダイビング

08.ライカ
09.惑星
10.転がる岩、君に朝が降る
11.ワールド ワールド
12.或る街の群青
13.新しい世界

 
   

映像作品集4巻
ASIAN KUNG-FU GENERATION
発売日:2008/03/26[DVD] 価格:\3,465(税込)
キューンレコード 品番:KSBL-5864
CD購入(Amazon)
このCDについて語ろう

   
 

■PROFILE

後藤正文(Vo&G)、喜多建介(G&Vo)、山田貴洋(B&Vo)、伊地知潔(Dr)の4人組。

1996年、大学の音楽サークルにてASIAN KUNG-FU GENERATIONを結成。

2002年11月25日、ミニアルバム『崩壊アンプリファー』をリリース。

2003年11月19日、1stフルアルバム『君繋ファイブエム』をリリース。初登場5位を獲得。

2004年夏、全国各地のフェスに出演し、更に人気を高める。

2004年10月20日、アルバム『ソルファ』をリリース。2週連続1位を獲得。

2006年3月15日、アルバム『ファンクラブ』をリリース

2006年7月5日、新曲「十二進法の夕景」を収録したコンピレーションアルバム『ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2006』をリリース。

2006年10月25日、アルバム『フィードバックファイル』をリリース。

2006年11月29日、シングル「或る街の群青」をリリース。

2007年11月7日、シングル「アフターダーク」をリリース。

2008年2月6日、シングル「転がる岩、君に朝が降る」をリリース。

2008年3月5日、アルバム『ワールド ワールド ワールド』をリリース。

2008年3月26日、DVD『映像作品集4巻』をリリース。

 

■過去の特集

■シングル「アフターダーク」インタビュー
 『1年ぶりの新曲は、前向きな疾走感に満ちたロックチューン!』(2007/11/07)
■『Tour 酔杯2006-2007 - The start of a new season -』ライブレポート
 『興奮と感動の横浜アリーナ公演をレポート!!』(2006/12/20)
■シングル「或る街の群青」インタビュー
 『次なる場所に向かって進みはじめた彼らの新作とは?!』(2006/11/29)

→その他特集&インタビュー 一覧はこちら

▲このページの最初に戻る