世代を超えて人気バツグンの“ガッキー”こと新垣結衣がCDデビューした。しかもいきなりオリジナル・フルアルバムでの歌手デビューだ。つじあやのや安藤裕子、スネオヘヤーや古内東子、クラムボンのミトらが楽曲を提供。スピード感のあるポップスからロックテイストの曲、ストリングスをフィーチャーしたバラードまで、バラエティに富んだ曲たちを彼女のキュートでほんわかした歌声で描いたラブソング・アルバムだ。
──初回限定盤のジャケットのイラストは、結衣ちゃんが描いたものなんだってね?
【新垣】 はい。私のペットです。ヒョウモントカゲモドキを飼っていて。「シーちゃん」という名前なんですけど。
──こういう感じの絵が多いの?
【新垣】 よくシュールって言われますね。シュールを検索してみたら、不可解とかって出てきて。確かにまちがってないなって(苦笑)。現実的という意味もあるんですけどね。イラストを描くのは前から好きでしたけど、ジャケットを自分の絵で、ということになってから、最近では頻繁に描いていて。ほかにも曲のイメージに合わせて描いた絵とかもあるんですよ。
──ところで結衣ちゃんにとって音楽とはどういうものなのかな?
【新垣】 楽しい時も悲しい時もうれしい時も、いつもそこに流れていたもの。音楽をあとから聴くと、その時のことが思いだせたりしますよね。
──今までは他のアーティストの音楽が結衣ちゃんの想い出になっていたけど、これからは結衣ちゃんの歌が人の想い出に寄り添う立場になるんだよ。その心境は?
【新垣】 ヘンな感じですね(照)。想像がつかなくて。でもこの間、自分がやっているラジオで先行配信みたいに流したら、番組の掲示板にいろんな感想を書き込んでくれて。泣けた、と書いてくれている人も何人かいて。
──それは、その人たちの気持ちに歌が触れたっていうことだよ。
【新垣】 だったらすごくうれしいですね。自分が他の人の曲を聴いてそうだったように、私の曲で聴いてくれた人の思い出に色をつけることができたらなって思っていたから。
──結衣ちゃんって、ホッとする声をしているね。癒されるというか。歌っている声と話している声が変わらないし。
【新垣】 結衣の声は小学生の時から変わってないんですよ(苦笑)。でもアルバムができ上がって聴いてみると、曲によってけっこう声が変わっているなと思った。ちっちゃい子みたいだなとか、これって大人っぽいかもしれないなとか。それが自分でもすごくおもしろいなって思っていて。
──レコーディングの時はどうだった?
【新垣】 言葉を大事に歌うように心がけました。ただ何度も歌ううちにだんだん慣れてきて、丁寧さがなくなってくるのが自分でもわかるんです。そういう時は、「これはいかん!初心を思いだすように!」って。それはお芝居と一緒だなと思いましたね。お芝居も、相手と最初に合わせるリハーサルが一番気持ちが入るんですよ。泣くシーンもリハではジワッときてたのに、本番になると急にピッと止まったりとかもあるんで。
──このアルバムでは、結衣ちゃん自身が「ひかり」と「そら」の2曲で詞を書いているね。「ひかり」は、ちょっとシュールな感じで(笑)。
【新垣】 私は何かきれいだけの詞はイヤで。自分が好きだなと思う曲も、きれいすぎるものよりは、あまり人に見せたくないと思うような、どこか人が隠している部分が描かれている曲のほうが好きなので。ここで自分が書いた詞は、自分自身のことです!この曲を聴いて、新垣はこんなこと考えているんだ!ってファンの人は思うかもしれないけど、これが私だから。結衣のこのアルバムをみんながどう感じるんだろうって思うと、今からちょっとドキドキです(笑)。
(文:伊藤博伸)