――まず、新曲の話の前に6月17日に日比谷の野音で行ったライブの感想を聞かせてもらえますか?
【西川】 楽しかったですよ。ただ、デビューして初めてのライブだったんで、これからどういうふうにやっていくか勉強になったし課題も多く残りましたよね。SUNAOさんは、リハのときに一緒にやったUVERworldのメンバーにギターはどんなの使ってるかうまいこと聞こうとして、意外と素っ気なくされたりして(笑)。
【SUNAO】 いや、彼らもツインギターなんで情報交換しようかなと。感じ良かったですよ(笑)。
――新曲「Nephilim」もこのライブで披露したんですよね。反応は?
【岸】 直前まで演奏した曲でドァーって盛り上がったんだけど、この曲が始まった途端、空気が変わった。みんな聴き入ってくれたようです。でも実はこれ、僕がa.b.sに書いた1曲目の曲で歌詞も西川君が日本語詞として最初に書いたものなんです。それで、もっというとカップリングの「LOST REASON」も柴崎君がバンドのために初めて書いた曲で。だから3rdシングルではあるけどa.b.sの原型でもあるんです。
─―じゃあ、プレイステーションのソフトウェア『FolksSoul−失われた伝承―』の主題歌になっていますけど、タイアップが決まる前から曲はあった?
【西川】 そうなんです。「Nephilim」って聖書の創世記からとった言葉なんだけど、タイトルの意味も曲の強さや色の濃さもたまたまゲームの内容とリンクしていて、いいタイアップになったなって。
【岸】 もともと、僕も曲を書いたときに中世のヨーロッパ的な映像をイメージしていて、表向きは派手だけど実は深いっていう、退廃的でちょっと神話的な感じというか。だから歌詞を見たときは「おっ」って思いました。
【西川】 でも僕はあんまり具体的には考えてなかったんですよ。もっと漠然と“羽”とか“放たれた”とか“イカロス”とか、キーワード的な言葉が浮かんできて。そこから自分の願いや想いに対してもがくさまっていうのが出てきて。でも単に空を見上げて嘆くんじゃなく、力強さとかガッツでその状況を変えていくっていう詞になっていったんです。
【岸】 そこに西川君の歌が入り、それを聴いてまたイメージが掻き立てられ、音を入れるっていう作業をして完成していったんですよね。

─―なるほど。それって完全に感覚の世界ですよね?お互い、そこが一致してるから成り立つ作業というか。
【西川】 それは感じますね。4人の信頼関係があるからできるというか。
【柴崎】 でもそれも今だからこそa.b.sってこんな感じっていうのが見えてきたけど、この曲やカップリングを作った頃は手探りで。そういう意味では今回のCDを聴いてもらえば、こういうサウンドからスタートしたっていうバンドの思いみたいなものは伝わると思います。
─―それこそ創世記ですね。
【岸】 まさに。3枚目にして“バック・トゥ・ザ・ベイシック”というか。
【柴崎】 僕らが初めて自分らっぽいねって思ってできた作品です。
(文:若松正子)