爽やかなピアノ、みずみずしい歌声が印象的なシングル「君はゆける」でデビューを果たした磯貝サイモン。幼い頃から音楽に親しんできたという彼は、高いクオリティの正統派ポップスを作り上げる天才肌のシンガーソングライターだ。
――曲を作り始めたのはいつ頃のことからですか?
【磯貝】 高校からです。それまでは楽器しか弾いてなくて、ピアニストになりたいと思っていたんですけど。鍵盤は4才から、ギターは中学校くらいから始めてましたから。
――どういうアーティストに影響を受けてきたんでしょうか?
【磯貝】 小さい頃からずっと音楽を聴いてきたんで、特に「ここがルーツです」というのはないんです。ただ、あんまり最近の音楽ではないですね。わりと古い、60〜70年代くらいの音楽をいっぱい聴いてきました。
――そのなかでも、特に「音楽をやろう」と思うようになるきっかけを作ってくれたような人はいますか?
【磯貝】 いや、それを言うならきっかけは生まれたときからですね。生まれたときからずっと音楽を聴いてきたんで。特に、いつから音楽を始めたっていう感覚はないですね。
――磯貝サイモンさんの音楽は、ポップスのフィールドであってもメッセージ性が強くて、コミュニケーションへの意思が表れていますよね。
【磯貝】 そうですね。聴いて、音楽以外のものを感じられる、その人の意思が伝わってくるような音楽がすごく好きで。そういう人って、作詞、作曲、編曲まで一人でやっている人に多いなと思って。なので、自分も同じ道を歩もうと思ったんです。
――デビュー曲の「君はゆける」は、どういうきっかけでできたんでしょうか?
【磯貝】 この曲に関してはタイトルから出てきたんですよ。メロディと一緒に「♪君はゆける〜」って部分の言葉が最初にポンと浮かんで。そこから広げていった感じです。
――「君はゆける」という言葉から、どういうストーリーが生まれてきたんでしょうか?
【磯貝】 基本的に曲をつくる時には自分の思ったことをただ書いていくだけなので、あんま計画的じゃないんですよ(笑)。ただ、それを続けていると、曲を作ることによって自分自身がわかるということもありますね。「自分ってこういう人間だったんだ」っていうのに気づけたりするきっかけにもなりますし。
――曲を聴いていると、自分のなかにあるもやもやした思いや感情が解き放たれているような印象があるんですけれども。
【磯貝】 そうですね。曲を作るっていうことに、自分の年表を一個一個記していくような感じがあって。1曲1曲が自分の歴史というか、軌跡になっているという感じですね。
――じゃあ、まさに曲に自分自身が表れているわけですね。じゃあそういう音楽を多くの人に届けるという意味では、腹を括ってのデビューになるんじゃないですか?
【磯貝】 そうですよね。自分の中が垣間見えてしまいますからね。ただ、きっとそれがやりたいと思うんで。逆に、音楽をやらないほうがいろいろな思いが溜まってきちゃうんで(笑)。だから、この先も自分と向き合っていたいと思います。流行にのっかる必要はないですから。10年後も20年後も、自分の思っていることを自分の声で表現していたいって思ってます。
(文:柴那典)