新しい曲が好意的に受け入れられてるのはうれしかった

――デビュー10周年を記念してのリクエストセルフカバーアルバム『UNDER:COVER』が元旦に発売されますけれど、過去の曲をアレンジしなおして、歌いなおしてますよね。こういう形にしたのは、なぜですか?
【西川】 もともと、T.M.R.ってCDでのバージョンとライブでのバージョンの差が激しいんですよ。っていうのは自分にとっては音源はライブの予習みたいなものであって、最低限の要素があって歌が伝わればいい。楽曲の最終的な完成形はあくまでライブにあると思って、この10年、ずっと活動してきたんですよね。ただ、数年前から“なぜ、ライブの良さをCDに落としこまないのか?”ってレコード会社のスタッフに言われたり、アメリカでライブをしたときも、現地の人に“あのバージョンで聴きたい”って言われてはいたので、自分の中にタイミングが来たら・・・っていう発想はあったんです。で、当初はライブに向いてるアレンジの曲を自分でピックアップしてベストを作ろうと考えてたんですけど、10周年なんだから、望まれた楽曲というか、ファンに選んでもらって構成するのが一番かなって。

――1ヶ月足らずの期間にファンから4万件ものリクエストがあって、1位から15位までの曲が収録されていますけれど、結果を見て、想像と近かったですか?
【西川】 ぶっちゃけ、あんまり想像はつかなかったんですけどね。シングルとしてリリースされた楽曲は来るだろうけど・・・たとえば、デビュー・シングルのリクエストが来るのかなあと思ったんですけど、最近のアルバムの中の曲(「Zips」)が2位になってたり、新しい曲が好意的に受け入れられてるのはうれしかったですけどね。自分だけじゃなくファンも一緒に代謝してるんだなぁと思って。

この10年がT.M.R.にとって長いイントロダクションだった

――アレンジもめちゃくちゃ凝ってるし、ヘヴィな曲は徹底してヘヴィだし、バラードは奥行きがあるし、聴きごたえがありますよね。
【西川】 制作時間はタイトだったけど、これまでのレコーディングの比じゃないほど、満喫しましたね。自分の頭の中で鳴っている音を形にしていく時がいちばん楽しかった。今までのCDでは歌にちょっとでも抑揚をつけるとサウンドとのバランスで歌が大暴れしているように響いちゃったんですけど、今回はグルーヴも追求できたし、歌自体にも奥行きが出せたと思う。今まで一緒にやりたくても機会がなくて出来なかった人や僕自身が興味を持っていた人(菅野よう子、Heartsdales、ユンナ、ほか)にも参加してもらえたしね。

――そう、そう。ゲストも参加してて。
【西川】 たまたま隣のスタジオでレコーディングしてて、参加してもらった人もいたし。数々の奇跡が起きたアルバムですね。レコーディングでもマジックが起きたし、人との巡りあわせにしてもそうだった。だから、出来るだけ早く聴いてもらいたいっていう気持ちがありつつも、1年後でも3年後でもいいから、できるだけたくさんの人たちに1回でもいいから聴いてほしいですね。アマチュア・バンドがデビューするときって、それまでライブで演奏してきた曲をファースト・アルバムにパッケージするじゃないですか?それと同じで、この10年がT.M.R.にとって長いイントロダクションだったっていう。

――ある意味、10年かけて作ったベスト?
【西川】 っていうのと一緒かな。

――じゃあ、ホントにひと区切りですね。
【西川】 かなり大きい区切りですよ。だから、10周年の2006年は支えてきてくれたみなさんに恩返しする年になると思うんですけど、T.M.R.に関しての新作は時間をかけて、また新しいものを探していきたいですね。<>

(文:山本弘子)
Comment&PV
 
Release
 
UNDER:COVER
【初回生産限定盤】

T.M.Revolution
2006/01/01[アルバム]
\3,500(税込)
エピックレコードジャパン
ESCL-2755/6
CDを購入する
UNDER:COVER
【通常盤】

T.M.Revolution
2006/01/01[アルバム]
\3,059(税込)
エピックレコードジャパン
ESCL-2757
CDを購入する
Profile
1970年9月19日生まれ。滋賀県出身。A型。
1996年3月、ソロプロジェクト“T.M.Revolution”のスタートを発表。
1996年5月13日、シングル「独裁-monopolize-」でデビュー。
1997年7月1日、シングル「HIGH PRESSURE」が大ヒット。爽快な楽曲とともに本人のキャラクターや奇抜な衣装が大きな話題に。
1997年10月22日、シングル「WHITE BREATH」をリリース。初登場1位を獲得し、更なる大ヒットとなる。
1998年1月21日、アルバム『triple joker』をリリース。200万枚の売り上げを記録。
1999年3月、東京ドーム2DAYS『T.M.R. LIVE REVOLUTION'99 〜THE FORCE〜』で10万人のファンを魅了。
2002年3月6日、初のベストアルバム『B★E★S★T』をリリース。
2004年3月31日、オリコンより西川貴教としては初作品となる書籍『西川貴教のとなりの芝生』をリリース。
2004年11月3日、シングル「ignited−イグナイテッド−」をリリース。初登場1位を獲得。
2005年8月17日、シングル「vestige−ヴェスティージ−」リリース。
2005年1月1日、デビュー10周年を記念し、リクエストセルフカバーベストアルバム『UNDER:COVER』をリリース。
オフィシャルサイト
・ 前回のインタビュー 『いつ死ぬか分からないからこそ、飛ばす!』 (2005/08/17)