ORICON STYLE

2005年05月25日

自分の中で閉ざしていたものが、浄化されてきている

――奥田さんが柳美里さんに送った長い手紙の返信として、たくさんの歌詞が返ってくることを、どう受け止めていますか?
【奥田】 作品になっていくものが、そのときの自分のリアルの気持ちと順々にちゃんと繋がっているのがすごいと思いますね。柳さんと私、何か重なる部分を感じて私は手紙を書き、柳さんもその手紙を読んで同じように感じてくださり、それが今でもリンクしているっていうのは不思議だけれど、やっぱり何か通じているものがあるんだなぁと思えるんです。たまにお会いして話したときに、お互いに起こっている出来事が近かったりして。

――最初にお会いしたときと、印象が変わりましたね。
【奥田】 (笑)最近よく言われるんですよ。

――表情もそうですけど、「雨と夢のあとに」を聴いたときに、心の扉が開いている気がしたんです。自分の心そのままを歌うことによって、どこか開放されているというか自由になれているところがあるのかな?って。
【奥田】 あぁ。だんだん自分の中で閉ざしていたものが、浄化されてきているのかもしれないですね。歌うことによって納得できたり解決できたり。“歩き出していいんだ”と思えるようになったり。

――一歩踏み出したのかもしれないですね。
【奥田】 踏み出しつつあると思います。

今、優しい気持ちになれています。

――そしてこの曲は柳さんの同名小説で今放映中のドラマ「雨と夢のあとに」の主題歌なんですけど、柳さんはストーリーや主人公の女の子を奥田さんと重ねていた部分があったんですよね?
【奥田】 そうおっしゃっていましたね。その女の子の考えていることや父親に対する想いだったり……友達といるときも孤独を感じていたりするところだったり。

――それが歌にも通じるところがあると。
【奥田】 そうですね。幼い頃を思い出すようなところもあるし…そういうことを思いながら歌っていました。私、“もしも 命を落としてしまったとしてもわたしはあなたを待っています”という歌詞が好きなんです。今までは男女の愛が中心だったんですけど、これはもっと大きな愛というか、大切な人だったり家族だったり友達だったり、すべての愛する人が含まれている気がしたんで、ちょっと柔らかさみたいなものを意識して歌ったんです。

――幼い頃のことって、どんな気持ちを思い出すことが多いんですか?
【奥田】 この原作の女の子と同じように、家に父親がいないことが多かったんですよ。愛情をすごく感じていながらも、今思うとさみしかったのかな?って。だから懐かしいけど切ないんですね。

――今だから感じられることってありますね。
【奥田】 そうですよね。そう感じられるようになったのは、たくさんの人との出逢いと、時間……なんじゃないかな?って、今、優しい気持ちになれています。
(文:三沢千晶)
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雨と夢のあとに
奥田美和子
2005/05/25【シングル】
\1,050(税込)
BMGファンハウス
BVCR-19646
ANB系ドラマ
『雨と夢のあとに』主題歌
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ANB系TVドラマ『雨と夢のあとに』の主題歌。切なくて哀しい楽曲だが、サビのメロディーとアレンジはとてもドラマティックだ。彼女の声の大きな表現力が、詞の切なげな世界に、“希望”の光を灯している。このナンバーだけでも十分に感動できるけど、同名タイトルの小説とテレビドラマを一緒にみると、よりグッとくる。2曲目の「あの日」は、“痛み”と“苛立ち”に苛まれ、自分自身を見失いそうになるけど、それでも好きな人の幸せを願うという、男の子なら誰でも一度は抱える想いをベースにした、ある種の青春(少年)群像詩。
2000年2月2日、シングル「しずく」でデビュー。
2002年、作家、柳美里の原作『命』の映画化をキッカケに原作と出会い、深い感銘を受け、柳美里に直接手紙を書いて作詞を依頼。柳美里、初の作詞作品を歌うことが実現する。
2003年11月5日、柳美里作詞によるシングル「青空の果て」をリリース。
2004年3月3日、柳美里作詞によるシングル「歌う理由/はばたいて鳥は消える」をリリース。
2004年9月22日、柳美里作詞によるシングル「夢」をリリース。
2004年5月25日、柳美里作詞によるシングル「雨と夢のあとに」をリリース。この曲は、ANB系ドラマ『雨と夢のあとに』の主題歌に起用されている。
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