ORICON STYLE

2004年7月21日
  ザ・バックホーン
  アルバムを作るくらいの力を使ったシングル
山田将司(Vo.)、菅波栄純(G.)、岡峰光舟(B.)、松田晋二(Dr.)の4人組。
インディーズ時代にすでにフジロックフェスに出演し、重厚なサウンドが話題となった。
2001年4月、「サニー」でメジャーリリース。
2001年10月、1stアルバム「人間プログラム」をリリース。以降、ハイペースで作品を発表。
2003年、黒沢清監督映画『アカルイミライ』の主題歌「未来」を担当。
2003年10月、3rdアルバム「イキルサイノウ」をリリース。
2004年7月21日、待望のニューシングル「夢の花」をリリース。
今年の夏は、三大ロックフェスを席巻する。
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THE BACK HORN
「夢の花」
シングル
初回盤:VICL-35694
通常盤:VICL-35695
2004.7.21/\1,200(税込)

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映画『CASSHERN』挿入歌になった「レクイエム」を含むシングル。彼らの作品のジャケットはいつもさらっと見ることはできない、強くて重いテーマがちらつくものが多かったが、今回はいつもと違うドラマ性を感じた。今年も夏フェスを席巻する彼らだけに、日本各地で夢の花を咲かせることでしょう。初回盤のみCDエキストラ仕様のミュージックビデオ収録。
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 昨年10月に発売したアルバム「イキルサイノウ」から約9カ月。重厚なサウンドに泣きのメロディを絡ませ、現実を捉えたリアルな詞世界を表現するTHE BACK HORNが、シングル「夢の花」をリリースする。3曲3様にテンポ感や曲が描くイメージを変え、それぞれが圧倒的な存在感を持つ最高傑作だ。そのトップを飾る「夢の花」は、霧雨に濡れる情景を映し出すミディアム・バラード。

【栄純】雨が降っている雰囲気の歌詞だから、さらに湿度が増すようなアレンジにしたくて、ギター・アルペジオのイントロをつけたんです。憂いを帯びた曲調は、俺らが抑えようとしてもにじみ出てきてしまうものなんですよね。
【松田】ツアー後の1カ月間の休みに、ぼんやり昔を振り返ったんです。初めて東京に来たときは人混みに混乱していたのに、いつの間にか人をよけながら目的地に進むのが上手くなったなって。そこからいろいろ思い出すことが出てきたんです。上京したころ、ガムシャラなエネルギーを持っていた自分たちの、漠然と華々しく見えていた夢と、器用になってきた今の自分たちが向かっている目的って、同じ夢だけど見え方がだいぶ違うと思って。もし、そんな俺らが昔に戻って今の自分を見ることができたら、けっして到達点にいるわけではないけど、“俺ら、すげぇいいことやってんじゃん”って感じると思う。そんなことを思いながら書いた詞です。

 「夢の花」とは一転して、カップリングには荒々しい激しさを持った「針の雨」が収録されている。感情的なヴォーカルを煽る太く歪んだギターと、リズム隊が生み出す息もつかせぬほどのスピード感。こんな攻撃的なサウンドにこそ、彼らの音楽の核がある気がする。
【栄純】もっとテンポを落としてアコギで演奏したら、ゆるやかな情感がある曲になるくらいメロウなんですけど。でも、“哀しみにひたるだけじゃ何も変わらない。ならば絶望に火をつけて燃やしてしまえ!”という気持ちが、アレンジの荒々しさに表れたのかな(笑)。
【松田】1曲目とのギャップを見せる狙いも少なからずありました。タイトル曲に「夢の花」、さらにカップリングに「レクイエム」も入ることが決まってからは、最終的にこの曲でバランスをとることを考えましたね。

 その「レクイエム」は、映画『CASSHERN』のために書き下ろした曲。映画ではインストとして流れていたが、シングルでは歌詞に荒れ果てた戦地で消えていく命を描いた。ラストに向けて勢いを増すドラマチックな曲展開に、体ごと引きずり込まれていくような感覚に陥る。

【栄純】公開前に脚本をもらって、ストーリーを加味しながら詞を書きました。映画は戦いを通して大きな愛をテーマにしているんですけど、俺は戦いそのものを描きたかった。戦って何が残るとか、理由を書きたかったんじゃなくて、戦いの渦中をリアルに表現したんです。



 全曲聴き終わってみると、各曲の独立した存在感よりも、全体的なメロディの美しさと、繰り返し聴きたくなるサウンドの統一感が際立っていることに気づく。本人たちが「今まで以上に手応えが大きい」と自負する自信作。バンドマンとしての本能と曲の世界観が導くままに仕上げた、フル・アルバムにも匹敵するこの完成度。THE BACK HORNが誇る傑作になるのは間違いない。

【光舟】バンドとして新鮮な要素もあるし、単純に曲もいい。「夢の花」は、今までTHE BACK HORNを知らなかった人でもすんなり聴けるシングルです。ちなみに初回限定盤には、アルバム「イキルサイノウ」に入っていた「花びら」という曲がCD-EXTRAとして入っています。
【将司】内容もボリュームもすごく充実したシングルができました。難しいことは考えないで、とりあえず聴くだけでも良さはわかると思います。なんか、アルバムを作るくらいの力を使った感じ(笑)。
【松田】限られた曲数のなかにも起承転結やウネリがあって、しかも1曲1曲の個性が凝縮されている理想のシングルができたと思っています。
【栄純】後にアルバムを出したら存在感がなくなるようなシングルじゃ寂しいから(笑)。収録数の少ないシングルでも、バンドの作品の1つとして、ずっと残るものを作っていきたいんです。
(文:井桁 学)