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宮崎奈穂子『路上から日本武道館ライブへ――信じれば夢を叶えられる!』

 就職活動をやめて雨の日も風の日も毎日路上ライブをして、日本武道館ライブの夢を掴んだ注目のシンガー・ソングライター宮崎奈穂子。“普通”の人でも信じれば夢を叶えられる。そんな奇跡を起こしたと彼女の“軌跡”をじっくりと語ってもらった。

自分の歌の可能性を試そうと思い路上へ

――路上ライブを始めたきっかけは?
【宮崎奈穂子】 私は物心ついた頃から歌手に憧れていて、その気持ちを持ったまま大学生になってしまったんですね。で、いろいろ挑戦してインディーズでCDをリリースしたりもしたんですが、就活の時期になったときに違う進路も考えだして。でも、もしここで自分に嘘をついてどこかに就職する道を選んだら、これから先テレビを観たりラジオを聴くたびに“私、本当はあっちに行きたかったのに”って後悔するだろうなと。その苦しさを考えたら絶対ダメだ!って思い、自分の歌の可能性を試そうと思い路上に出ました。

――でも宮崎さんは慶應義塾大学卒業という高学歴。就活をせず、学歴をムダにすることに躊躇はなかった?
宮崎当時は道を踏み外したみたいなことを散々言われましたが、私のなかでは腑に落ちない道を選択する方が道を踏み外すことだなって。それに私が勉強をしていた目的は将来のためじゃなく、自分に対するコンプレックスを解消するためだったんです。私は特別何かに秀でているわけではないので、勉強だけは頑張って褒めてもらいたかった。しかも輪の中を走るハムスターみたいな性格なので(笑)、決められたことをやり続けるのは苦じゃないんです。だから毎日、重たい機材を持って路上に出るのも周りから言われるほど大変じゃない。やらないで悶々と考えるぐらいなら、思い切ってやってしまった方が気が楽なんです。

――とはいえ初めて路上に出たときは、なかなか歌えなかったそうですが。
宮崎そうですね。最初に出たのが渋谷だったので人が多いし、全員の視線を冷たく感じてしまって怖くなってしまったんです。で、やめようって機材を片づけていたら、30代ぐらいのスーツを着た男性が「いい歌だね」って声を掛けてくださって。私が可哀想過ぎて言ってくれただけかもしれないけど、その言葉に救われてまた次も出られるようになったんですよね。

――そのあとから1年間で1万5000人のファン会員を集めたら武道館を予約するという「武道館サポーターズファミリー」プロジェクトに挑戦するわけですが。すごい数字ですよね?
宮崎計算すると1日42人ぐらい?正直、達成できるとは思っていなかったんですけど、これも歌手として大きくなっていく可能性を試すひとつだから、やらないという選択肢はなくて。ただ数字が莫大過ぎて想像がつかなくて、感覚的には1500人も1万5000人ももはや同じで(笑)。逆に何も考えずに突っ走れた気がします。

信じ続ければ夢は叶えられるということを生で確認してほしい

――そして見事、達成しました。
宮崎奇跡ですよね。でもファンの方がツイッターで発信してくれたりとか、たまたま足を止めてくれた人がローソンの販売スタッフの方で店内で私の曲をかけてくださったりとか、いろんな方が広げてくれたから実現できたことで。私ひとりではできなかったと思いますね。

――目標達成した瞬間はどんな気持ちでした?
宮崎あと何人、あと何人、きたー!っていうカウントダウンをイメージしていたんだけど、実際は気づいたら1万5000人超えちゃって、あれ?ってポカンとしてました(笑)。しかもいざ決まったら無名の私が武道館で何をやればいいんだろうって悩み出してしまって。でも半年ぐらいしたときに、私みたいな普通の人でも可能性を信じて動き続ければいろんな人達が助けてくれて、夢を叶えられる、それを伝えていくことが自分の使命だと思って。そしたら吹っ切れて前向きになれたんですよ。


――確かに宮崎さんの曲には誰もが感じる悲しみや寂しさや悩みを代弁してくれる、本当にリアルでまっすぐなメッセージが詰まっています。そんな“普通”の人が夢を実現できた一番の原動力は何だったと思いますか?
宮崎路上ライブに関していえばやれば必ず何か出会いがあるから、一回でもそれを体験しちゃうと次も行きたくなってしまう。だったら後悔しないようにやろうっていう気持ちが大きかったのかなと。だから私の場合、原動力というよりとにかくやらずにいられなかった、それが根本にあるんだと思いますね。

――11月2日の武道館までもうすぐですが、どんなステージに?
宮崎路上出身ならではの演出あり、バンドありでみなさんと一体になれるような内容を予定しています。あとはとにかく信じ続ければ夢は叶えられるということを生で確認してもらえるようなステージにしたいと思っていますので、よかったらぜひ来てください!
(文:若松正子)

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