今年6月、ミニアルバム『すばらしい想い』でデビューしたnangiは、歌うことと絵を描くこと、洋服を作ることが大好き。インタビューを行った日も自分でかわいくリメイクした洋服で登場しました。そんな彼女の2ndミニアルバム『VIVID HEART』は、自分と闘っている人に響く音楽だ。
絵を描くことや洋服を作ることよりも今は音楽が一番好き
――nangiさんは小さい頃からオルガンを弾くのが好きだったらしいですね。
【nangi】 学校の教室によくありますよね、足踏みオルガン。家にはなかったので、朝早く学校に行ってみんながいないときに弾いたり、休み時間に音楽室に行ってひとりで弾いていたり。小学校ではみんなと遊んでいたんですけど、中学生になると自分の世界にこもるのがすごく楽しくなっちゃって。自分で歌を歌ったら楽しいんじゃないかって気づいたのが小学校6年生くらいだったので、そこからメロディーを作ってみたりして遊んでいました。
――歌を歌うのが好きだった?
【nangi】 なんだか、自分は他の子よりは歌えるっていうよくわからない自信があったんです(笑)。歌っているのが本当に楽しいし、自分に向いているし、考えるより前に当たり前のようにこれしかないと思っていたんですよね。
――他になりたいものはなかったの?
【nangi】 私、絵を描くのも洋服を作ることも好きだったんですよ。小学校の卒業文集には“ファッションデザイナーになりたい”って書いてありました。でも、中学生になると洋服を作ることも絵を描くことも歌を歌うことも私のなかではすべてが同じくらい好きになって、そのどれかがたまに勝ったりしていて。今は音楽が一番って感じなんです。
――自分で曲を作るようになったのは、表現したいことが出てきたということですよね。
【nangi】 吐き出したいことは山ほどあって、何かに投影しないと自分のなかのイメージで終わらせちゃうのがすごくもったいないと思っていたので、絵とか洋服とか作ることに投影させてたけど、歌で吐き出したかったのは、自分のイヤなところとか私の目から見た世界のイヤなところとか。この人のイヤなところとか、寂しいこととか。高校生のときは本当に暗黒の世界だったので(笑)、それをぶつけるところが歌だったんです。
――暗黒?なにがあったんですか?
【nangi】 昔からアンチ世の中な感じだったのもあるけど、高校に行きたくないのに行っている自分がイヤだったり、みんなが大勢でやってることが楽しいということも理解できなかったし、本当にキライでした。家でも好きなことに全力投球している私に対して「そんなことより勉強しなさい」と言われることもイヤだった。どこにも行く場所がなかったんです。
10代の頃の揺るがない自分にもう一度気づけた
――その負のパワーが音楽で爆発したわけですね。
【nangi】 そうですね。でも、そういう真っ直ぐじゃないところがあったから、私の音楽が生まれたんだと思うんです。そういうフラストレーションが、音楽を作る理由になっているってことはすごく感じてましたね。
――nangiさんの曲を聴いて思ったのが、自分と闘ってる人なのかな?って。
【nangi】 うん・・・小学校の頃は自分が好きだったはずなんですよ。たぶん昔は自分が一番だと思っていて。たとえば自分で絵を描くけど、有名な画家の絵を見たりすると、どんどん打ちのめされていくというか。世界が広くなるのはいいことだけど、同時に自分の世界も崩れていったんです。そこから始まって“自分ってダメじゃん”って思いながら、今を過ごしていると思うんです。それが闘っているといえば、闘っているのかもしれないですね。
――「VIVID」の歌詞に<オンリー1>とありますけど、それは巨匠の絵画に打ちのめされたnangiさんが、ナンバー1よりもオンリー1が大切だと気づいたからなんでしょうか。
【nangi】 オンリー1”であることは本当に大切だと思っていて、でも、もっと上があるということにすごく影響を受けていることも確かなんです。だからきっと“オンリー1”に向かうために葛藤している段階ですね。『VIVID HEART』に入っている楽曲は10代の頃の曲なんです。今それを歌うことで、あの頃の揺るがない自分にもう一度気づけたんです。だからこのレコーディングは自分にとって、すごくいい機会でした。
――ボーナストラックに入っている映画『夜の上海』の日本版テーマソング「Firefly」は、ダコタ・スターとのコラボなんですよね。
【nangi】 すごく新鮮でした。誰かの曲を歌うのって面白いなって思えたし、もしも機会があるなら、今後もそういうことをやってみたいなと思いました。
――お、ひとり遊びが好きだったnangiさんとしては大きな一歩を踏み出した?
【nangi】 ははっ。私の曲を誰かが歌うっていうのもいいですね。私が作る音楽だけをやっていこうという気はなくて、広がりを持たせたいし、誰かの音楽と触れ合いたい、という気持ちがすごくあります。
(文:三沢千晶)
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