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(更新: ORICON NEWS

地下アイドルヲタの現場記録〜知られざる世界の実情〜【第8回】

地下アイドルヲタを自認するライター、シーウィード高科。アイドルへの“ガチ恋”経験も経て得た、その特異な世界でのすべての感情、思い出の数々を赤裸々に白日のもとにさらす! ここまで深い地下アイドルの世界、アイドルヲタの実情を少しでも理解してもらうために……。3ヶ月間の集中連載第8回!!

【第8回】ロックフェスにアイドルがブッキング!

前田敦子のフェス出演への妙な感覚の自分なりの答え

 今回は本筋である“地下現場”とは違うのだが、年末のCDJ(カウント・ダウン・ジャパン:12月28日〜12月31日、幕張メッセ国際展示場にて開催)に前田敦子の出場が発表されて世間を賑わせているし、私も思うところがあるので書かせていただく。

 まず、アイドルがこういったロックメインのフェスに出演する走りとしては、Perfumeが代表だろう。2008年のサマーソニック@東京は私も観に行ったのだが、どんなもんかひと目観てみようという他ジャンルのファンが殺到した。

 だが、このことには何ら違和感を感じなかったし、食い合わせの良さと成功を確信していた。結果、入場規制がかかり、あまりの混雑で人が将棋倒しになり曲数を削るという、ニュースとしても軽い伝説としても取り上げられるほど話題となったのだから良かったのではないだろうか。

 そのままPerfumeが継続して様々なフェスに出演していったことがきっかけとなり、アイドルがこういった場に出ることへのイメージ的マイナス要素は少しずつ無くなっていったと思う。そして現在では、ももクロやBABYMETAL、BiSなどのアイドルが次々とロックフェスに進出していったわけだが、どういうわけか今回の前田敦子の参加に対しては否定的な見方が多いように感じている。なぜだろう。

 端的に“ロック的要素の無さ”や“AKB組織という大きなバックグラウンドへの反骨心”みたいなものも絡んでいるように思うが、やはりそれだけではスッキリしない。なんというか、期待感を持てていない感じがあるのだ。

 これがももクロであれば、氣志團万博でのパフォーマンスやサマソニ大阪の伝説などの実績もあるし、またなにかやらかしてくれるんじゃないか? と思える。BABYMETALは真っ向から勝負してもロックファンを取り込む新進性を孕んでいる。BiSに関してはもはや期待感しかない。もう、何をやっても成立させるだけのフェス実績と勝負勘、ネットワーク。そしてそれらを増幅させて話題にする強いファンを抱えている。

 前田敦子はどうだろう? AKB48であればまた話は違ったかもしれないが、どんなことが出来るのか? どんなパフォーマンスを披露してくれるのか? こちら側が歌い手としての前田敦子の情報を知らなすぎるように思う。それが、なんだかよくわからないけど政治的な絡みで出るんでしょ? という邪推も含めて否定的な目線が多くなってしまった印象だ。期待心の置き所がどこにも見つけられていない状況が、今回のマイナスイメージ先行で話題になった理由だと思われる。

 とはいえ上記のアイドルたちとの対比で語られることにもなるだろうし、果たしてどんなステージを見せてくれるのかが前田敦子の今後のブランド力にも関わってくる勝負時。どちらに転がってもターニングポイントになるのは間違いないので、私個人としては非常に興味深いイベントだと思う。ここはひとつ、地上も地下も関係なくがんばって欲しい。天下を取ったアイドルグループの元センターの力はここで使うしかない。

 ちなみに余談だが、CDJに関しては密かに℃-uteに期待している。これまでもそうだったし今でもそうなのだが、圧巻の歌唱力とステージパフォーマンスはアイドルという言葉を借りずとも十分に一線級でやっていける力がある。楽曲の秀逸さも言うことなし。行かれる方はぜひご覧いただきたい。

 私? 私はその日も地下イベが盛りだくさんに入っているので行けない……。自分の推している子の前に誰もいなかったら……そんなことを考えてしまうと行き先はひとつしかないのだ。自分のいるべき場所。それがあるなんてこんなに幸せなことはないのだから、たまには地上を観たいなんて言わない。ぞ(苦笑)。
(文:シーウィード高科)

連載:地下アイドルヲタの現場記録 BUCK NUMBER


【最終回】地下現場に通うヲタの気持ち
【第9回】新規アイドルファンに注意セヨ!
【第8回】ロックフェスにアイドルがブッキング!
【第7回】アイドル業界のビジネス
【第6回】推し被り敵視と心の病み
【第5回】ファンとヲタは違う生き物!
【第4回】ブレイク=古参が離れるタイミング[Part2]
【第3回】地下→ブレイク→地下のループ[Part1]
【第2回】女の子に突きつけられる競争社会の現実(握手会編)
【第1回】地下アイドル現場の実情(序章)

[PROFILE] シーウィード高科
出版業界で働きながらもモーニング娘。の登場でアイドルにハマり、その後、有名無名の様々なライブに通うようになる。1年間でのライブの本数は約200本。現在はデジタルコンテンツ・プランナーとして働きながらアイドルライターとしても活動する。ご飯代よりも握手とチェキ代を優先しているうちに自然にダイエットに成功した現場主義者である。

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