2014-08-12 （更新：2014-12-08） ORICON NEWS

リベンジ・マッチ『2大スターが夢の対決!!ズタボロになっても自分に正直に生きる男の熱い物語』

2大ハリウッドスターが世紀の対決！シルベスター・スタローン（『ロッキー』）とロバート・デ・ニーロ（『レイジング・ブル』）――ボクシング映画史上のツートップの夢の対決が実現した『リベンジ・マッチ』。しかし、それはただ熱い男たちの熱血物語だけではなかった……。熱くて、笑えて、最後は泣けて、さらに驚きにあふれる物語がブルーレイ＆DVDで登場!!

スタローン＆デ・ニーロの年甲斐もない激闘が胸熱！

　男たちのおバカ映画の代表作『ハングオーバー！』シリーズを観るたびに思うけれど、男って歳を取ってもほぼ成長せず、無骨で不器用で幼稚で熱っぽくて、周囲が見えなくなって暴走してしまう、しょーもない生き物なの。

　今年4月公開のシルベスター・スタローン＆ロバート・デ・ニーロ豪華W主演のボクシング映画『リベンジ・マッチ』も、『ハングオーバー！』シリーズとは異なる味わいではあるものの、30年間抱いた遺恨を解決するため、リベンジで人生の空白を埋めようとする男――ハッキリ言って老人たちが、年甲斐もなく熱い激闘を展開！

　しかも、30年前とまったく変わらないモチベーションとスタイルで殴り合う――スライとボブ（スタローンとデ・ニーロの愛称）の実人生もネタにして、見事にリンクする同作は今夏、野郎マストバイの胸熱作だぜ！

　ヘンリー・“レーザー”・シャープ（スタローン）とビリー・“ザ・キッド”・マクドネン（デ・ニーロ）は、ともに1980年代のボクシング界を盛り上げた名ボクサーだ。しかし、因縁の対決の直前、突如レーザーが引退を発表。以降リングで闘うことはなく、30年という歳月が経ってしまう。

　お互いに遺恨を抱いたままだった男たちだが、ひょんなことでボクシングの舞台に戻ることに！　完全に老体と化した肉体にムチを打つようにトレーニングを始めた男たちは周囲の目を気にすることなく、人生の決着をつけようとする――。

　お互いを嫌悪して激しく敵視！　30年前のように本気で相手を倒そうとする気持ちは熱いものの、還暦上等の男たちが何かを始めれば、すぐさまトラブルやイザコザに発展してしまい、年寄りの冷や水を地で行くほど滑稽だ。

　まったく、いい歳をして――と観ていて思わなくはないが、30年越しの遺恨マッチが、女性関係が遠因って点がまずポイント！　男臭くて人間臭く、そこには男が男であるための熱い理由が存在。この情熱は、脱帽モノだ。しかし、このブザマな男たちが暴れれば暴れるほど、奥にハートフルな感動が待っている！

気付けば深みがあるヒューマンドラマ…ラストはサプライズ！

　『リベンジ・マッチ』は、いわゆるオトナになれない男たちの因縁のドラマという入口を抜ければ、複雑に絡み合う人間ドラマが待っているという仕かけ！　老ボクサーたちの因縁の対決は実は当人同士の問題だけでなく、ひとりの女をめぐる過去の出来事が各々の人生も変えていたことが判明するのだ。

　男と女、親と子、血と家族……それぞれの登場キャラクター同士をツナグ複雑な関係が、老ボクサーたちの対決へつながっていくという構成。それは人生を送る誰もが感情移入するドラマが満載で、誰もが胸熱くなるエピソード。

　途中、スライ＆ボブの過去ネタを散りばめて笑かしておいて、気がつけば深みがあるヒューマンドラマにチェンジ！　ラストのサプライズといい、ニクイ演出の数々に大感動だわ！

　熱い男たちのドラマに話を戻すと、およそ人生を歩いていると、たとえば理想の40代って？　50代って？　と、正解を探して悩みがち。が、そもそも人生の送り方に正解がないばかりではなく、この映画のスライ＆ボブを観ていると、自分自身にウソをついて人生は終われない、という強烈な真理が胸に刺さる！

　世間体を気にしてつくろったウソの人生を送るくらいなら、ズタボロになって恥をさらしてもありのままの自分でいいの！　男、男と連呼したが、自分に正直に生きたい全日本人に自己肯定のメッセージを投げる胸熱作、それが『リベンジ・マッチ』！　さあ、この夏中に鑑賞して今年の後半戦乗り切ってくれ！
（文：鴇田崇）

2大スターがカラダを張って挑んだアクションコメディ☆予告映像