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韓国映画特集『2014年上半期の韓国映画シーンと制作現場のウラ事情!社会学的に切り込む』

今や映画ファン層全体から熱い視線を集める韓国映画。この夏〜秋も多くの話題作が日本公開されるなか、韓国映画界の2014年上半期の動向を掘り下げる。『怪しい彼女』のファン・ドンヒョク監督に韓国映画界の裏側と監督業の実態を聞いた。さらに日本映画大学のハン・トンヒョン准教授に、韓国社会と今の韓国映画の傾向、それを生む社会学的な背景を語ってもらった。韓国映画と韓国社会にエンターテインメントの側面から切り込む。

[本文2]◆韓流とは違う流れ!?韓国映画ファン層の変化

 よく、韓国映画のファン層を“韓流”と同じ流れととる向きがあるが、韓流ファンは、主にドラマファンやドラマを主戦場にする俳優のファンが多い。しかし、現在の韓国映画界では、かつてのような“ザ・韓流”というような映画は少なくなっている。もちろん、イ・ビョンホン、チャン・ドンゴン、チョン・ウソンなど、これまでの韓流ファンに人気の俳優の作品はあるが、その作風はあくまでもノワールやアクションなどの社会派の作品や時代劇などである。

 彼らの作品が日本で公開されるときは、韓流スターの映画として宣伝されることもあるが、実際の映画制作現場では、日本のかつての韓流市場を期待して韓国で映画が制作されることはほとんどないのが現状だ。その理由は、日本の韓流市場が以前より縮小していることもあるが、それと同時に、映画に限っては国内の年間2億人にも上る市場のほうがはるかに大きいからだろう。

 また、日本で韓国映画を観る人の分布図が変わってきているということもある。スターありきの作品を観る人以外に、韓国映画だから、日本映画だから、洋画だから、と意識せずに、作品の評判を聞いて観にくる映画ファンが増えているようだ。

◆『サニー 永遠の仲間たち』で増えた男性ファン

 新しく参入したのが、『サニー 永遠の仲間たち』や『建築学概論』などでその魅力に気づいた、男性の映画ファンだ。『サニー』を応援した“おっサニー”と呼ばれるファンダムもあるし、昨年の特集で紹介した「ナカメキノ」の影響もあるかもしれない。

 実際、ナカメキノでは『her/世界でひとつの彼女』や『横道世之介』などに混じって『怪しい彼女』『建築学概論』『サニー 永遠の仲間たち』などの韓国映画を上映している。今や、韓国の秀作に、韓国色を見てとる人も減ったのである。

 また、TBSラジオ『宇田丸のウィークエンドシャッフル』(タマフル)のムービーウォッチメンのコーナーや、同じくTBSラジオ『たまむすび』内の町山智浩氏のコーナーがスマッシュヒットのきっかけになることが多い。

 タマフルでは、『嘆きのピエタ』『ベルリンファイル』『新しき世界』が、たまむすびでも『嘆きのピエタ』『新しき世界』『悪いやつら』などの韓国映画が紹介されている。配給会社によると、『新しき世界』はタマフル、たまむすびの両方で紹介されたことで、Twitterなどで多くの人に言及され、その効果は大きかったとのことだ。

>>次のページへ [本文3]『新しき世界』で生まれた新たな女性ファン

<<目次リンク>>
・特集本文 [1] [2] [3]
・ファン・ドンヒョク監督インタビュー [1] [2] [3]
・ハン・トンヒョン准教授 対談  [1] [2] [3]
・レビュー&予告編 [1]

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