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戸田恵梨香&加瀬亮『劇場版SPEC〜結〜』インタビュー連載 <Vol.2>
可愛いくてたまらない愛情表現(笑)[戸田恵梨香]
【戸田】 「ちゃんと終わりを迎えられた」と思いました(笑)。つまりそのくらいすごい作品に仕上がったと思っています。ひとつの物語としてもそうですし、また4部作というシリーズで続けてきたぶん、壮大なスケールにもなったとも感じていたので。自分自身としても後悔なくやり切れた作品になりました。
【加瀬】 予想以上の作品になっていたので、驚くと同時に安心しました。以前は「終われるのかな」とか、終わることへのさみしさとかいろいろな感情があったんです。だけど完成した作品を観たらすばらしいものになっていたので、今はとにかくファンの方々に早く観ていただきたいという気持ちだけです。
──シリーズ開始以来、約3年に渡りひとつの役を演じて来られたわけですが、今改めて振り返って当麻と瀬文の魅力をどう感じますか?
【戸田】 すごく不器用で、どこか負を背負ったふたりの支え合いというのが魅力だなと感じます。
【加瀬】 僕が演じた瀬文は、自分には出来ないようなこともたくさん出来るので憧れも感じます。アクションシーンも印象深いです。
【戸田】 このふたりってすごくわかりやすく“頭脳派”と“肉体派”に分かれています。お互いが持っていないところをちゃんと理解し合い、補い合っている。そういう点もまた大きな魅力だと思います。
【加瀬】 ふたりの関係性は、僕自身うらやましいと思えるくらい好きです。表面上はデコボコしていますし、変な部分もありますけど、お互い本当に信頼し合って支え合っていたと改めて思います。
──当麻と瀬文の間に流れる空気や、独特の会話のやり取りが好きだいう人は多いと思います。ときおり見られる口ゲンカのシーンもおもしろいですよね。今作でも当麻が「うっせえ、ハゲダコ」なんていうセリフを吐いていたのが印象的でした(笑)。
【戸田】 好きだからこそああいうことを言えるというか、きっとあれもひとつの愛情表現なんだと思うんです。だから、当麻がああいう言動をとるときは愛おしくなるんですよね(笑)。可愛いなあ、たまらないなあって。だけどそうやってお互いにブスだとかバカだとか言い合いをしていても、大事なときには支えあう。そのふたりの関係性自体も可愛いなあと思います。
──堤幸彦監督の作品は、驚きが多い刺激的な現場だとよく聞きますが、今作ではいかがでしたか?
【戸田】 連続ドラマの頃は驚きの連続でしたけど、今回の映画の撮影ではとくにそういうことはなかったような気がします。
──それはもしかして……慣れたということですか?
【戸田】 (笑)慣れちゃったのかな? ただ、撮影時に驚かなかった代わりに、出来上がった作品を観たときはとても驚きました。というのも、台本を読んだときに「これをどう映像で表現するんだろう?」と思っていたんです。完成して初めて「こういう形になったのか」とビックリさせられました。
【加瀬】 僕もだいぶ慣れたのかもしれません(笑)。今回の現場ではそんなに大きな驚きは、意外ですが感じなかったんです。撮っている最中は、どこを切り取られているのかわからない部分も多いですから。でも、だからこそ完成した作品を観たときは、「堤監督はこういう画を想像しながら撮影していたんだ」と本当に驚きました。
『SPEC』ならではの異様なテンションになる[加瀬亮]
【戸田】 堤監督を筆頭に、全員の笑顔が絶えない現場ですね。心から場の空気を楽しんで、コミュニケーションを大切にする人たちばかりなんです。わかりやすい熱さは見せないんですけど、内に秘めた熱は常に感じていました。
【加瀬】 確かに。僕も本当に毎日現場で笑っていた記憶があります。だから精神的には実はすごく楽しくて。でも肉体的にはけっこうきつい(笑)。でもそれが『SPEC』なんです。『SPEC』ならではの異様なテンションになることもありました。
【戸田】 まれに、ナチュラルハイだったかも(笑)。
【加瀬】 (笑)でもみんなが作品作りを楽しんでいることは間違いないです。
──ずっと共演を重ねられてきたおふたり。あらゆる時間を共有してきたと思うのですが、今役者としてのお互いの印象はいかがですか?
【戸田】 加瀬さんは、いつもたくさんのことを考えている方なんだと思いました。それから、器用なのか不器用なのかわからない(笑)。いつもたくさんのアンテナを張っている敏感な方で、ご自身のなかに入れている情報量がすごく多いんです。現場で作品の話をしているときや、ちょっとした連絡のやりとりの際など、あらゆる場面でそういう節を感じました。第一印象は「もの静かな方なのかな?」と思っていたんですけど、素顔は意外とお話好きで、よくギャグも言うんですよ(笑)。とてもユニークな方なんだとわかりました。
【加瀬】 僕の戸田さんの印象は……本人を前に言うのは恥ずかしいのですが(笑)、すごく純粋な方だと思いました。人としても役者としても、役柄や作品、スタッフに対してこれほど純粋に向き合う人は見たことがないです。一番最初の印象ではそういう部分は見えなかったんですが、役者って向かい合って芝居をすることで人となりが見えてきたりします。“芝居”という“作り事”を行っているからこそ、芯を感じられるものがあって。戸田さんとも、一緒に芝居をするなかで段々と底の部分がわかっていきました。
──言葉以上の、おふたりの独特の関係性をひしひしと感じます。では最後に、映画の見どころをお願いします。
【戸田】 最終章にふさわしい、とてつもないスケールになりました。今までの謎も明かされ、仲間たちの絆も描かれています。笑って泣いて、心を揺さぶられる最高の作品に仕上がったので、劇場でぜひご覧になっていただければと思います。
【加瀬】 きっとファンの方々の方が僕よりも『SPEC』のことを詳しいと思うんですが(笑)、そういう方々にこそしっかり届けたい作品になりましたので、ぜひ友だちなどと一緒に劇場へ観に行って楽しんでいただけたら嬉しいです。
(文:奥浜有冴/撮り下ろし写真:鈴木一なり)
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映画『劇場版SPEC〜結〜(クローズ)〜』
ニノマエとの死闘を終え、瀕死の状態で病室に担ぎ込まれた当麻と瀬文。「…お前はお前だ。俺にとってそれは絶対に変わらん」「一生…ガチで巻き込んじゃってやるからな…」2人は距離を縮めたかに思えた…。
しかし、世界はある人物によって破滅へと進んでいた…。「ヤツらはどうしても滅びる運命にあるんだよ」。SPECホルダーたちが世界を揺るがし始め、現人類の歴史に終止符が打たれようとしている。「奴を倒すなら、私は鬼でも悪魔でもなる。人の道を踏みはずしたら、瀬文さん。あとは頼みます」当麻に宿ったスペックが今、目覚める!
『SPEC』シリーズの終焉が描かれる『結』。新旧SPECホルダー総出演で贈る究極の結末。シンプルプラン。ファティマ第3の予言。ソロモンの鍵。全ての謎が紐解かれる!当麻と瀬文、そして人類の運命は?……それは終焉の始まり。
監督:堤幸彦
出演:戸田恵梨香 加瀬亮 北村一輝 栗山千明 向井理 大島優子 有村架純
【映画予告編】 【映画公式サイト】
2013年11月1日(金)漸ノ篇
11月29日(金)爻ノ篇
2部作連続ロードショー
(C)2013「劇場版SPEC 〜結〜 漸ノ篇」製作委員会
(C)2013「劇場版SPEC 〜結〜 爻ノ篇」製作委員会
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・映画予告編SPECホルダー総出演☆
・『劇場版SPEC〜結〜』公式サイト