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(更新: ORICON NEWS

松たか子&阿部サダヲ『男女の駆け引き、女性の下心は生々しいけど……ふわふわしたところを楽しんで』

日本映画界の“小さな巨人”(by香川照之)こと西川美和監督に、天性の品と愛嬌を見初められて、結婚詐欺を働く夫婦を演じた、松たか子&阿部サダヲ。妻の里子(松)が孤独な女を見つけ出し、夫の貫也(阿部)が彼女たちの心の隙間に入り込んで騙す……。深く心の奥底をえぐるような物語の舞台裏を……笑いを交えてライトに(!?)明かすスペシャル対談!!

【前篇】気鋭・西川美和監督が語る「母性と残酷さこそ“女”」

俳優・松たか子と阿部サダヲが夫婦で結婚詐欺を行う映画『夢売るふたり』(公開中)のメガホンを執った女流監督・西川美和(38)が、ORICON STYLEのインタビューで作品に投影した「女性の生き方」について赤裸々に語った。デビュー作『蛇イチゴ』から4作目となる同作で、初めて主人公に女性を起用。「年齢を重ねて“女を生きてきた”という実感もあるので、今ならできる」と語るその真意とは。
 小料理屋を営んでいた夫婦が、過失によりお店を全焼。再び二人でお店を持とうと、その資金集めに結婚詐欺を思いつく。妻が品定めをした女性を夫が口説く…。繰り返される詐欺の果てに二人のバランスは徐々に崩れ、やがてすべての歯車が狂っていく。西川監督が描いた夫婦愛、男の弱さ、そして女のえぐみが見え隠れする。

 公開後、周囲からさまざまな反応があったという西川監督は「女性プロデューサーの旦那さんが観て、無言で帰宅したらしいです。自分の奥さんを観ているような気がしたと(笑)。面白いか、そうじゃないかは人それぞれだけど、男性もそうやって感情が動いてくれるなら良かった」と安どの笑みを浮かべる。

 デビュー作から一貫して男性を主人公に据え、女性はあえて避けてきたと明かした西川監督。今作については「年齢を重ねて『女を生きてきた』という実感もあるので、今ならできるなと。20代の頃はまだ“女”としての実感がなかったし、書けるとも思わなかった」と振り返る。「周りの女性の生き方も見ることができたし、自分も客観的に見られるようになった」。

 満を持してのヒロイン・里子は夫に結婚詐欺師をさせるという、いびつさが目立つ女性。それでも西川監督は「かなり普通の人を描いたつもりなんです。行動は突拍子もないけど、『男と生きていく』と決めた女なら、里子が抱いている感情は誰にでも持ち得る感情です」と、静かに語る。

 「逆を言えば、里子を観て『思い当たる節がある』と思うから男性は里子が怖いんでしょうね。心のどこかに“相手の女性にこういう思いをさせたんじゃないか?”っていう。優しさや母性、夫一筋で献身的な姿がある反面、生き抜くため、家族を守るためには非常に強かで、自分の半径3メートル以外の世界はどうなってもかまわないような残酷さをも垣間見せるのが、私が感じる女性像。女の人にとっては里子が合わせ鏡のように映るんじゃないかな」と分析しながら、作品の魅力を明かした。

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阿部サダヲ:松さんの意外な人間っぽさにびっくり


松たか子:おしゃべりがしたくなる 不思議な味わい
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西川監督 後篇:女性監督”という肩書きは厄介「一職人でありたい」

映画情報

夢売るふたり

 東京の片隅で子料理屋を営んでいた夫婦は、火事ですべてを失ってしまう。夢を諦めきれないふたりは金が必要。再出発のため、彼らが始めたのは、妻が計画し、夫が女を騙す結婚詐欺!しかし嘘の繰り返しはやがて、女たちとの間に夫婦の間に、さざ波を立て始める……。

監督:西川美和
出演:松たか子 阿部サダヲ 田中麗奈 鈴木砂羽 安藤玉恵 江原由夏 木村多江
【映画予告編】 【OFFICIAL SITE】
2012年9月8日(土)全国ロードショー
(C)2012「夢売るふたり」製作委員会

関連リンク

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