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(更新: ORICON NEWS

松井玲奈『枠から外れたことをやってもいい』

アイドルグループSKE48と乃木坂46での活動ではまばゆいばかりの輝きを放っている松井玲奈が、『gift』で映画初主演! もともと女優志望という松井が演技へかける熱い想いをしっかりと語るロングインタビュー!!

私が目指しているのはお芝居の道

――玲奈さんはもともと女優志望ですよね?
松井役者になりたいと思っています。

――目指した原点というと?
松井何かきっかけがあったというより、子どもの頃から何となく「お芝居したいな」と思っていて、学芸会では率先して「やりたい!」というタイプでした。自己表現することが好きだったのかな?

――学芸会ではどんな役をやったんですか?
松井シンデレラとかで、お姫さま役をやりました。あと『ごんぎつね』のきつね役とか(笑)。楽しかったです。

――映画もよく観るんですか?
松井観ています。基本は邦画ですけど、洋画でも食べ物が出てくるのが好き(笑)。シェフのお話とか、映像のなかで料理をしているのに惹かれます。

――『gift』のようなロードムービーは?
松井あまり観たことがなかったんですけど、『gift』をやる前にたまたまいい映画だからと勧められて、『セント・オブ・ウーマン』を観ました。元軍隊のおじいさんと若い男の子が車で一緒に旅をするお話で、関係性が『gift』と似ていました。何の縁もない年齢の離れたふたりが、旅をするなかで絆を深めていくところが。あと、撮影に入る前に監督から観るように言われた韓国映画『息もできない』も同じような感じでした。イメージはつかみやすかったです。

――茶髪にしたのは初めてですよね?
松井台本を読んだとき、沙織はきっと黒髪ではないと感じました。監督も同じことをおっしゃっていて、染めることになりました。お芝居で何かすることに対して、あまり抵抗は感じないんです。ファンの方はあるかもしれません(笑)。「アイドルでいる間はアイドルらしくしていて」と言われるかもしれませんが、私が目指しているお芝居の道においては、確実にプラスになると思いました。

――髪色だけでなく、冒頭のすさんだキャバ嬢の雰囲気はリアルに出ていました。
松井キャバクラのシーンは、ただただやる気なく(笑)、息を吸うのも面倒くさい……みたいな心持ちでやっていました。序盤はずっとそんな感じです。

――それも台本から浮かんだイメージですか?
松井どういう方向性で演じるか、監督といろいろ相談したとき、「世の中のすべてに絶望している子」「楽しいことは何もない、がんばっても良いことはないと考えている」と言われて。それでもう一回台本を読んだら、「ずっと反抗期のまま大人になった子なのかな」と思いました。でも、実は情の厚さも隠し持っていて。

受け入れられない人もいるかもしれない

――旅をしていくうちに、そういう覆われていた部分が現れてきますが、変化やメリハリにも気をつかいました?
松井考えたのはベースの部分です。あとは、撮影をしていくなかで篠崎に対する気持ちも生まれていたので、自然に変化も出てきたと感じています。遠藤(憲一)さんが強く言ってきたら、負けないように強く言い返すとか、会話としてお芝居を作っていけたと思います。なので、自分ひとりで「ここはこうして、ああして」というふうには考えていなかったですね。

――セリフより先に感情が生まれたと。普通の会話で言葉を発するときはそうですよね。
松井今回は、演じるときに気負いがありませんでした。以前はセリフを覚えることにいっぱいいっぱいで、「このセリフが来たら、これを言う」といった感じで、今回は「こう言われて、こう思ったから、この言葉が出た」という。そういうやり取りができたのは初めてかもしれません。セリフを覚えることが大変とも思わなくて、自分にとって大きな変化でした。

――自分でとくに「いいな」と思ったシーンはありますか?
松井いちばん好きなのは、定食屋さんでふたりがごはんを食べるところです。決して明るいシーンではないのですが、ひとつの話題から違う話題に変わるときに、短い旅の時間のなかでふたりが作り上げてきた関係性がしっかり見えるので。あと、遠藤さんのちょっとお茶目な一面も見られて(笑)、思い返すと最初に頭に浮かぶシーンです。

――やっぱり食べ物が出てくる場面で(笑)
松井好きなんです(笑)。人が食べているところも、作っているところも。

――アイドルとしての活動が、演技に活きた面はありますか?
松井アイドルと違い、映画では自分自身を出す必要はなくて。今回については、すさんでいればいるほど、画として良いものになると思っていました。

――それはアイドルの仕事にはない価値観ですよね。
松井アイドルはファンの方が求めるものが明確にあります。でも、お芝居をするうえでは、可愛い役もあれば、悪い役もあるし、今回みたいなすさんだ役もある。そこから、私の新しい一面を見て「おもしろい」と言ってくれる方もいると思うんです。

――そのへんが女優のやり甲斐ですか?
松井普段とまったく違う自分になれるのはおもしろいです。お芝居をしているときはまた別の人間なので、枠から外れたことをやってもいい。そこにすごくやり甲斐を感じます。
(文:斉藤貴志/撮り下ろし写真:片山よしお)

⇒ 次のページ【暗い人間だと思われているんだろうな(笑)】

gift

 豪邸に一人で暮らす会社社長の篠崎善三(遠藤憲一)と、ホストに騙されて300万円の借金を抱えてしまったキャバクラ嬢の山根沙織(松井玲奈)。篠崎は娘への贈り物を届けるため、「お前の100時間を100万円で買ってやる」と沙織を旅に同行させ、篠崎の思い出の場所をいくつか回り、東京へと向かう。辿り着いた先には……。

監督:宮岡太郎
出演者:遠藤憲一 松井玲奈 柿澤勇人 
【公式サイト】
公開中
(C)2014 M Cinema

関連リンク

松井玲奈 撮り下ろし☆PHOTO GALLERY☆
<インタビュー1>受け入れられない!?
<インタビュー2>暗い人間と思われてる(笑)
『gift』公式サイト

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